もちろん、一番大事なのは、被災地に住む人々の心の持ちようだろう。石巻市では、石巻漁港を要する中心部は津波で壊滅的打撃を受け、人口約16万人のうち、死者・行方不明者は約7千人にものぼった。「石巻市立大川小学校の悲劇」など、子どもたちの犠牲も少なくはなかった。
市内の運動場やプール、体育館などの施設も津波の影響を受けた。市内のスポーツ少年団の半分位が拠点を市外にいったん移し、子どもたちも親と一緒に市外に流れていった。運動公園そばの仮設住宅には、まだ1千世帯ぐらいが暮らしている。「やっぱり、なんというのだろう」と黒澤さんはため息をつく。