角田市における世代別のスポーツの課題
スポネットかくだでは2019年の設立直後から健康スポーツ懇談会を開催し、角田市のポーツにおける課題を各世代(幼児、小中高生、働く世代、シニアなど)で整理をしました。第1優先は「幼児スポーツ」の課題解決、小中高生のスポーツは、中学校の運動部活動の地域展開・地域クラブ活動への移行など全国的に変革期にあることから、第2優先を「中学校部活動」の課題解決としました。
角田市教育委員会では「子どものための部活動のあり方検討」の基本方針を定め、スポネットかくだでは、2020年度から地域スポーツ関係者に加え、学校関係者、保護者も含めた懇談会を開催。アンケートも実施し、中学校の部活動の見直し・在り方の検討を開始しました。このとき、教育員会は角田市スポーツ推進計画を見直し、アクションプランで中学校部活動の課題の整理、解決策の検討をスポネットかくだが取り組むこととし役割が明確になりました。
2021年・子どものための部活動検討チーム発足(2022年「部活動チーム」に名称変更)
部活動懇談会で把握した課題の解決に向けて、地域スポーツと連携した「かくだ版の部活動のあり方」の検討を目的に、7回のチーム会議を開催。部活動の目的の整理や、今後の方向性の検討、生徒や保護者への周知、教員・生徒・保護者アンケートの実施などに取り組みました。
そして2023年3月に「角田市における部活動の地域移行推進基本計画」を、角田市、角田市教育員会とともに策定。2023年度~2025年度に、市内に2つある中学校の休日の部活動を地域クラブ活動に段階的に移行する詳細な計画を立てました。
※角田中学校(運動部11、文化部5)、北角田中学校(運動部6、文化部2)
教員と生徒・保護者へのアンケート結果から現状の部活動への満足度は高い一方、教員への負担が大きいことなどが分かりました。また、今後の部活動へ期待されることは、「より楽しい活動としつつ、さらに多様な体験機会の確保(生涯スポーツ・文化芸術活動への広がりにつなげる)」などが見えてきました。
<角田市における部活動の目指すべき姿>
部活動・地域クラブ活動って楽しい!!
地域クラブ活動の運営主体(指導者の確保など)
部活動の地域クラブ活動を運営するためには、地域スポーツ団体との連携、指導者等のネットワークの構築などが必要です。角田市ではKスポ指定管理者に委託することとし、市内2つの中学校、教育委員会、地域スポーツ団体との連携が円滑に進むようコーディネーターを配置。関係団体との連絡調整、学校の地域移行を望む部活動への指導(地域人材とのマッチングや指導者派遣)、生徒・保護者への周知など、地域クラブ活動をマネジメントします。
地域クラブ活動の委託スキーム
「角田市における部活動の地域移行推進基本計画」(2022)
+チャレンジ活動
生徒が特定の種目・部門だけでなく、スポーツ・文化芸術や科学分野の活動や地域での活動も含めて、さまざまな活動を経験できるように、地域クラブ活動では新メニュー:『+チャレンジ活動』を行います(ヨガや工芸教室の開催を予定)。
このように、2020年度から部活動の地域移行に関する議論を重ね、詳細の計画を策定し、2023年度から「学校部活動の地域移行」に関する実証事業として開始することとなりました。
2023年10月より、部活動の地域移行の実証事業とし、休日の運動部活動の約1/3の移行を目指し、角田中学校7種目、北角田中学校3種目の移行を行いました。
部活動の地域移行における指導者確保等の運営方法
地域クラブ活動の運営主体はKスポ指定管理者である株式会社フクシ・エンタープライズ(東京都江東区)に委託しました。フクシ・エンタープライズは、かくだスポーツビレッジの指定管理者であり、スポネットかくだの構成団体です。地域移行前の懸案に「指導者(専門コーチ)確保」がありましたが、学校やスポーツ推進団体、生徒などのコーディネート、各種目の専門コーチ(スポーツ指導有資格者)の派遣などを行うことで、実証事業を展開できました。総括コーディネーター(民間)と学校現場との「密な」連絡調整、意思疎通を図ることが、地域移行において肝要です。
部活動の地域移行に関するアンケート
2024年4・5月にアンケートを実施。満足度は高く、好意的に受け入れられたものと評価できる一方で、技術的指導に対する多少の要望等もありました。
生徒アンケート(楽しく活動が出来ていますか)
2024年度:部活動の地域移行に関する予定
2023年度に移行した10種目(角田中・7種目+北角田中・3種目)に加えて、2024年度では6種目を追加予定です。
角田中学校
北角田中学校