まずひとつめに「スポーツからの暴力の根絶」についてです。皆様方ご承知のように、近年、スポーツ団体の不祥事が頻発しております。たとえば、本年1月には、全日本柔道連盟の女子代表選手15名が、スポーツ指導中の暴力行為を理由にJOCに訴え出ました。調査の結果、代表チーム監督による暴力行為や暴言があったこと等が判明しております。また、昨年末には、大阪市立桜宮高校で運動部活動中の体罰を背景とし、生徒が自殺したという痛ましい事案が明らかになりました。
このスポーツにおける暴力について、ある体育大学の学生に行われた調査では、体罰を容認する趣旨の回答をした者の割合は40%となっております。このことは「スポーツにおける暴力は許されない」という考え方が、わが国ではまだ浸透しきっていないということであり、意識改革が必要と考えます。