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国際情報
International information

「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

2023年度:部活動の地域移行の取り組み

角田市の部活動の地域連携・地域クラブ活動への移行における取り組み

休日の運動部活動の約1/3の移行を目指し、角田中学校7種目、北角田中学校3種目で行いました。目的は、①教職員の業務負担の軽減、②生徒が専門的な競技指導者の指導を受けられることの2つです。

移行種目

角田中学校

  1. サッカー
  2. 水泳
  3. 男子バスケットボール
  4. 男子テニス
  5. 女子テニス
  6. 男子バドミントン
  7. 女子バドミントン

北角田中学校

  1. 男子バスケットボール
  2. 男子テニス
  3. 女子バレーボール

部活動の地域移行における指導者確保等の運営方法

部活動の地域移行推進基本計画において、地域クラブ活動の運営主体を「Kスポ指定管理者」に委託することとしました。実際には、株式会社フクシ・エンタープライズ(東京都江東区)が担いました。フクシ・エンタープライズは施設管理・運営等の事業を展開しており、角田市においてはかくだスポーツビレッジの指定管理者であり、スポネットかくだの構成団体です。

学校、市のスポーツ協会との調整において、「学校側の要望」の中から「指導者とのマッチング」が可能である種目を優先的に選定し、2023年度は当初の予定通り10種目の移行することができました。

地域移行前の懸案であった「指導者(専門コーチ)確保」でした。しかし、フクシ・エンタープライズによる学校やスポーツ推進団体、生徒などのコーディネート、各種目の専門コーチ(スポーツ指導有資格者)の派遣などを行うことで、実証事業を展開できました。移行前において既に外部コーチが指導する種目については、 引き続き当該コーチが派遣され指導にあたりました。総括コーディネーター(民間)と学校現場との「密な」連絡調整、意思疎通を図ることが、休日の地域移行において肝要です。

地域クラブ活動を行う上での「保険」や「保護者の負担」

学校の管理下から外れての活動ということで、ケガや病気、物品等の破損等があった場合の保障については、学校保険の適用にはなりません。しかし、学校保険と全く同じ補償内容の「スポーツ安全保険」に別途加入するため、従来の保障内容が引き継がれます(実証事業期間の保険料は、角田市で負担しました)。

実施施設の確保

原則、平日の学校部活動と同様の場所で休日の地域クラブ活動を実施しました。教職員(部活動顧問)不在での活動となります。学校施設を利用する場合、カギの開け閉めや緊急時の取り扱い等、事前に学校と確認しておく必要があります。また、公共施設等の外部の施設を使用する場合は、休日の予約を「地域クラブ活動」として取る必要があるなど、これまでになかった手続きも発生しました。

生徒への多用は体験機会の提供『+チャレンジ活動』

生徒が特定の種目・分野だけでなく、様々な活動を経験できるように、地域クラブにおいて、すべての中学生を対象に『+チャレンジ事業』を実施しました。運動部や文化部の垣根を越えて、様々な運動の機会、文化・芸術に触れる機会です。ヨガ教室や工芸教室、スイーツ作り教室を開催し、新たな"適性の発見"や"体を動かすことの楽しさ"などを体感しました。

2023年度:部活動の地域移行に関するアンケート(一部抜粋)

2023年度の部活動の地域移行に関するアンケートを2024年4・5月に実施しました。満足度は高く、好意的に受け入れられたものと評価できます。一方で、休日の地域クラブ活動の展開に当たっては、技術的指導に対する多少の要望等もありました。

生徒(回答者:43名)

・楽しく活動が出来ていますか

部活動において課題と感じていること

保護者(回答者:36名)

・土日の地域のクラブ活動に期待することは何ですか

部活動において課題と感じていること

顧問・副顧問(回答者:12名)

・生徒は「部活動地域移行」に対して、問題なく取り組んでいましたか

部活動において課題と感じていること