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「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

新型コロナウイルスによる運動・スポーツへの影響に関する全国調査 (2020年6月調査)

全国の18歳から79歳の男女5,000人を対象に『新型コロナウイルスによる運動・スポーツへの影響に関する全国調査』を、6月3日から5日に実施しました。

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、人と人との接触を減らす施策により、人々の身体活動量・運動量が大きく減少することが危惧されています。このような状況下で、国民の身体活動・運動の実施状況やスポーツ観戦等のニーズがどのように変化しているのかを調査しました。

※担当研究者のコメントなどを掲載した「新型コロナウイルスによる運動・スポーツへの影響に関する全国調査(速報)」はこちら

新型コロナウイルスによる運動・スポーツへの影響に関する全国調査

1.運動・スポーツの実施状況

図表1に2019年2月~2020年1月、2020年2~5月に行われた運動・スポーツの種目別実施率を示した。2019年2月~2020年1月は「ウォーキング」27.6%が1位、以下「散歩(ぶらぶら歩き)」19.5%、「筋力トレーニング」12.6%、「ジョギング・ランニング」7.3%、「体操(軽い体操、ラジオ体操など)」6.1%と続く。

2020年2~5月は、「ウォーキング」27.1%が1位、以下「散歩(ぶらぶら歩き)」18.4%、「筋力トレーニング」11.4%、「ジョギング・ランニング」6.4%、「体操(軽い体操、ラジオ体操など)」5.9%と続く。実施率の高い上位5種目は両期間において同様の結果であったが、実施率はどの種目も減少していた。

上位20種目について、実施率の減少が最も大きいのは、「水泳」の2.7ポイント減(4.2%→1.5%)で、次いで「ゴルフ(コース)」「ボウリング」「海水浴」が2.5ポイント減であった。「海水浴」など季節によって実施率が変化する種目を除くと、主に施設を利用して行う種目の実施率減少が確認された。

図表1. 運動・スポーツの実施状況
2019年2月~2020年1月
(n=5,000)
2020年2~5月
(n=5,000)
順位 実施種目 実施率
(%)
順位 実施種目 実施率(%)
1 ウォーキング 27.6 1 ウォーキング 27.1
2 散歩(ぶらぶら歩き) 19.5 2 散歩(ぶらぶら歩き) 18.4
3 筋力トレーニング 12.6 3 筋力トレーニング 11.4
4 ジョギング・ランニング 7.3 4 ジョギング・ランニング 6.4
5 体操(軽い体操、ラジオ体操など) 6.1 5 体操(軽い体操、ラジオ体操など) 5.9
6 ゴルフ(コース) 5.5 6 サイクリング 4.0
7 サイクリング 5.3 7 ゴルフ(コース) 3.0
8 ゴルフ(練習場) 4.5 8 ゴルフ(練習場) 2.7
9 水泳 4.2 9 ヨーガ 2.5
10 ヨーガ 3.9 10 キャッチボール 2.1
11 ボウリング 3.6 11 なわとび 1.8
12 釣り
ハイキング
3.4 12 釣り 1.6
14 海水浴 3.0 13 エアロビックダンス
水泳
1.5
15 登山 2.9 15 アクアエクササイズ(水中歩行・運動など)
ハイキング
バドミントン
1.3
16 キャッチボール 2.8 18 サッカー
テニス(硬式テニス)
1.2
17 卓球 2.4 20 スキー
ボウリング
1.1
18 バドミントン 2.3   運動・スポーツは行っていない 49.9
19 キャンプ 2.2
20 テニス(硬式テニス)
アクアエクササイズ(水中歩行・運動など)
2.1
  運動・スポーツは行っていない 45.7

2.新型コロナウイルスの影響で実施できなくなった種目のスポーツ施設の休業率

新型コロナウイルスの影響でできなくなった種目との関連をみると、実施できなくなった種目が「水泳」と回答した人の78.2%は普段利用している施設が休業になったと回答している(図表2)。その他のできなくなった上位種目で施設が休業になったと回答した割合は、「野球」53.6%、「テニス(硬式テニス)」68.4%、「エアロビックダンス」86.8%、「ボウリング」43.4%であった。全体では「普段利用しているスポーツクラブやスポーツ施設が休業になった」は17.9%にとどまるが、種目によってはスポーツ施設の休業は人々の運動・スポーツ実施にとって大きな影響力があることが読み取れる。

図表2. できなくなった種目(上位5種目)ごとのスポーツクラブやスポーツ施設の休業率
普段利用しているスポーツクラブやスポーツ施設が休業になった
水泳(n=165) 78.2%
野球(n=69) 53.6%
テニス(硬式テニス)(n=76) 68.4%
エアロビックダンス(n=76) 86.8%
ボウリング(n=129) 43.4%


1) 調査の目的
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、人々のスポーツ活動の機会が奪われている。また、感染封じ込めのための人と人との接触を減らす取り組みを通じて、多くの国民の身体活動量・運動量が大きく減少することが危惧されている。こうした環境下で、国民の身体活動・運動の実施状況やスポーツ観戦等のニーズがどのように変化しているのかを調査する。
2) 調査対象
全国の市区町村に在住する18~79歳までの男女5,000人(5,000サンプルが地区ごとの性別・年代別人口構成比率に近似するよう割当)
3) 調査方法
1) 調査手法:インターネット調査
2) 調査委託機関:株式会社クロス・マーケティング
4) 調査時期
2020年6月3日~6月5日
5) 主な調査項目
基本属性_居住地、性別、年齢、職業、世帯年収、配偶者・子どもの有無等
1)運動・スポーツ実施状況・実施頻度
2)新型コロナウイルスの影響を受けている運動・スポーツの実施状況
3)新型コロナウイルスの影響による生活の変化
4)新型コロナウイルスの影響によるスポーツ環境の変化
5)新型コロナウイルスの影響下で、取り組んでいる運動に関する情報の入手の有無と入手先
6)スポーツ観戦状況(直接スポーツ観戦、テレビやインターネットによるスポーツ観戦)
7)新型コロナウイルスによるスポーツ観戦への影響
8)座位時間、日常の活動
9)新型コロナウイルスによる心身の状態への影響
10)今後運動・スポーツを実施する際に気を付けたいこと
11)スポーツ観戦再開に向けて、イベント主催者に期待する対策
12)東京2020オリンピック・パラリンピック大会への期待
報告書

全文(PDF:3.18MB)

目次
  • 1. 調査の概要 詳細(PDF:633KB)
  • 2. 主な調査結果 詳細(PDF:62.45MB)
    • 1) 運動・スポーツ実施状況と実施頻度
    • 2) 新型コロナウイルスの影響により実施できなくなった種目・新たに始めた種目
    • 3) 新型コロナウイルスの影響による生活の変化
    • 4) 新型コロナウイルスの影響によるスポーツ環境の変化
    • 5) 新型コロナウイルスの影響下で取り組んでいる運動に関する情報の入手の有無と入手先
    • 6) スポーツ観戦状況
    • 7) 新型コロナウイルスによるスポーツ観戦への影響
    • 8) 今後運動・スポーツを実施する際に気を付けたいこと
    • 9) スポーツ観戦再開に向けてイベント主催者に期待する対策
    • 10) 東京2020 オリンピック・パラリンピック大会への期待
  • 3.まとめと今後の取り組み 詳細(PDF:1.17MB)
  • 4. 調査票(単純集計結果) 詳細(PDF:1.11MB)

無断転載、複製および転訳載を禁止します。引用の際は本書が出典であることを明記してください。
本事業は、ボートレースの交付金による日本財団の助成金を受けて実施しました。

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テーマ

スポーツ政策・予算

キーワード
年度

2020年度

発行者

公益財団法人 笹川スポーツ財団

担当研究者