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「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

新型コロナウイルスによる運動・スポーツへの影響に関する全国調査(日常生活、心身の健康編)

保育園入園の条件緩和や出勤割合調整など、子育て世帯の支援強化を

笹川スポーツ財団では、2020年6月、10月、2021年2月と計3回にわたり、全国の18~70歳代を対象とする定点調査、「新型コロナウイルスによる運動・スポーツへの影響に関する全国調査」を実施いたしました。

本調査は、日常生活や心身の健康に関する動向を抜き出し、新型コロナウイルス感染拡大前と拡大後の変化を示しています。

調査結果では、「通勤・通学の回数や時間」の減少や「家事や育児・介護の時間」の増加など、新型コロナウイルスにより人々の時間の使い方にさまざまな変化が生じていることが分かりました。テレワークなどにより大きく変わった働き方。人々の生活をより豊かなにするためには、企業と行政による柔軟な仕組みや制度づくりが必要です。

新型コロナウイルスによる運動・スポーツへの影響に関する全国調査(日常生活、心身の健康編)

新型コロナウイルスの影響による人々の生活の変化をみると、「通勤・通学の回数や時間」が減少した人や、「家事や育児・介護の時間」が増えた人が2~3割程度いることがわかった。テレワークやオンライン授業などが人々の生活時間に変化をもたらしたと考えられる。また、本調査では家事・育児時間の増加は男性より女性の割合が高く、女性への影響が大きかったと考えられる。さらに、家事・育児分担に対する男女の意識の差がみられ、性別による違いが確認できる結果もあった。

 日本生産性本部が2022年1月に行った調査によると、テレワークの実施率は減少傾向を示したものの20%前後で推移しある程度定着した様子が確認できる。テレワークによる自由な時間の増加は、人々のより豊かな生活につながる重要な変化であるが、家事・育児などの負担が増えた人もいる点は軽視できない。新型コロナウイルスがもたらした働き方の変化を、より良い「ニューノーマル」として社会に定着させるために、行政や企業には以下を求めたい。

<行政> 保育園入園の条件緩和や学童保育の拡充など、子育て世帯の支援を強化する制度づくりの検討

   (例)働く場所が「外か自宅か」で差がつく、保育園の入園選考時の優劣を緩和、民間の学童クラブ設立支援や利用補助の拡充など

<企業> 従業員各々のライフスタイルに合わせて出勤割合や方法を選択できる多様な働き方を可能にする仕組みの検討

   (例)週単位での出勤日数の設定、在宅勤務やサテライトオフィスの導入など

※公益財団法人日本生産性本部 「第8回働く人の意識調査」

笹川スポーツ財団 スポーツ政策研究所 政策オフィサー 鈴木貴大清水恵美


【調査結果 詳細】

①「家事や育児・介護の時間」が増加した人の割合は、男性より女性が約10ポイント多い

 コロナ以前に比べ、自宅での時間の増加に伴い、家事や育児・介護の時間が増えて定着した層が一定数おり、特に女性でその傾向が強い。

 2020年6月調査では、「家事や育児・介護の時間」が増加した人の割合は、女性:31.7%、男性:18.6%と13.1ポイント差であった。2020年10月調査では、女性:22.9%、男性:10.8%と12.1ポイント差、2021年2月調査では、女性:20.0%、男性:12.0%と8.0ポイント差となっている。徐々に男女差が小さくなっているが、「家事や育児・介護の時間」が増加した人の割合は女性が多い。

 

②「通勤・通学時間/回数」が減少した人の割合は、30%以上

「通勤・通学時間/回数」が減った人の推移をみると、2020年6月調査:37.6%、2020年10月調査:23.9%、2021年2月調査:24.5%と減少傾向にある。2020年4~5月の緊急事態宣言を契機に、3割以上の人々の仕事や学校生活に影響があったと推察。宣言解除後、学校やオフィス勤務が一部再開し、その後定着したといえそうだ。

 

③通勤・通学の回数や時間が減った人は、子どもの有無で家事・育児の時間に変化がみられた

通勤・通学の回数や時間が減った人については、同居する子どもの有無によっても家事・育児や介護の時間の変化に違いがみられた。18歳以下の子どもがいる人の方が、子どもはいない、もしくは同居していない人より、家事や育児・介護の時間が増えた人が多い。

 

1)調査の目的
新型コロナウイルスの感染状況の変化が、運動・スポーツ実施やスポーツ観戦、人々の日常にどのような影響を及ぼすのかを把握することを目的とし、2020年6月、10月および2021年2月の3回、4ヵ月ごとに調査実施した。本報告書では、調査の中でも日常生活や心身の健康に関する動向を抜き出し、新型コロナウイルス感染拡大前と拡大後の変化を示している。
※運動・スポーツ実施やスポーツ観戦に関する結果は、別途まとめている。
https://www.ssf.or.jp/thinktank/policy/covid19_04_202107.html
2)調査対象
全国の市区町村に在住する18~79歳までの男女5,000人(2月調査のみ5,005人)(5,000サンプルが地区ごとの性別・年代別人口構成比率に近似するよう割当)
3)調査方法
インターネット調査
4)調査時期
6月調査:2020年6月3~5日/10月調査:2020年10月1~6日/2月調査:2021年2月2~5日
5)主な調査項目
基本属性_居住地、性別、年齢、職業、世帯年収、配偶者・子どもの有無
①新型コロナウイルスの影響による生活の変化
②新型コロナウイルスによる心身の状態への影響
③夫婦による家事・育児分担状況

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テーマ

スポーツ政策・予算

キーワード
年度

2020年度

発行者

公益財団法人 笹川スポーツ財団

担当研究者