新型コロナウイルスにより一度止まったスポーツ活動も再開し始めましたが、各国、各競技団体で、感染症対策などを踏まえながらスポーツ活動再開に向けたガイドラインを発表しています。笹川スポーツ財団では、国際的なスポーツ・フォー・オールの統括組織であるTAFISAやSSF海外研究員のネットワーク等を通じて、国内外のガイドラインを収集しています。
- 調査・研究
© 2020 SASAKAWA SPORTS FOUNDATION
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スポーツ政策研究所を組織し、Mission&Visionの達成に向けさまざまな研究調査活動を行います。客観的な分析・研究に基づく実現性のある政策提言につなげています。
自治体・スポーツ組織・企業・教育機関等と連携し、スポーツ推進計画の策定やスポーツ振興、地域課題の解決につながる取り組みを共同で実践しています。
「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。
日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。
新型コロナウイルスにより一度止まったスポーツ活動も再開し始めましたが、各国、各競技団体で、感染症対策などを踏まえながらスポーツ活動再開に向けたガイドラインを発表しています。笹川スポーツ財団では、国際的なスポーツ・フォー・オールの統括組織であるTAFISAやSSF海外研究員のネットワーク等を通じて、国内外のガイドラインを収集しています。
笹川スポーツ財団では、新型コロナウイルスの影響により制限や中断を迫られたスポーツ活動を段階的に緩和・再開していくため、各国政府やスポーツ関連団体が公開したガイドラインを紹介してきた。ここでは、これまでの中間報告として日本および諸外国のガイドラインの一覧化とポイントの取りまとめを行った。なお、特に諸外国においては第2波の到来が懸念され、再びスポーツ活動に制限がかかる可能性が高い状況から、今後も引き続き情報をアップデートする予定である。
スポーツ活動の再開に向けたガイドライン一覧表(PDF:982KB)
プロスポーツ/競技スポーツの再開に向けても「一般向けスポーツの再開に向けたガイドラインに共通する要素」に定められた下記事項については共通して示されているケースが多い。(ただし、より厳しい基準を求めているケースもある)
対象となるアスリート | 多くの国で、プロスポーツ/競技スポーツは一般の人が外出や活動の制限を課される中で先行して再開を許可されることになるため、対象となるアスリートを絞りこんでいる。(職業としてスポーツを行うプロアスリート、中央競技団体から国の代表として選ばれたアスリートやその候補となるアスリート等が対象になっているケースが多い) |
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徹底的な自己体調管理 |
プロスポーツ/競技スポーツでは、トレーニングや試合を再開することで、より多くの関係者(コーチ、トレーナー、サポートスタッフ等)と接触する可能性が高いため、関係者全員が徹底した体調管理を行う。(過去14日間の体調や接触者の記録、複数回の新型コロナウイルス感染検査の実施等) 少しでも体調に不安がある関係者は活動を中止して自宅待機すべきであることを明確なルールとして定め、徹底する。 |
自粛期間を踏まえたトレーニングの再開 | 長期間のトレーニングや試合の自粛によりアスリートの体力や筋力が低下している場合があるため、それを考慮した再開時のトレーニングメニューを調整する。 |
アスリートのメンタル面でのケア | 長期間のトレーニングや試合の自粛がアスリートのメンタルやモチベーションに影響している可能性があるため、それを踏まえた活動の再開やメンタルケアを行う。 |
トレーニング施設や試合会場を利用する際の注意点 |
衛生対策、動線管理、屋内の場合は換気等、トレーニング施設や試合会場の運営者が求める順守事項を守る。 通常時に利用できるサービスや施設が利用できない場合があることを認識する。(マッサージ、更衣室、シャワールーム等) 施設への移動が必要な場合は、可能な限り公共交通機関の利用を避け、少人数での移動を心がける。 |
全関係者へのコミュニケーション | 活動再開にあたり守らなければいけない事項をアスリートだけではなく、コーチやサポートスタッフ等、全ての関係者に共有して、同意を得た上で、積極的に協力してもらう。 |
競技団体の定める注意事項 | 競技ごとの注意事項等については、各国の中央競技団体、もしくは国際統括団体の定める内容に則って活動する。 |
政府や地域の保健機関との密な連携と最新の情報収集 |
活動を再開するにあたり、地域の感染状況や最新の感染症対策について、政府や地域の保健機関と密な連携と情報収集を行う。 政府や保健機関が定める法律や規制に従って活動する。 |
感染者が発生した場合の対応準備 | 新型コロナウイルスの感染が確認された、もしくは感染が疑われる者が出てしまった場合の対応方法について、即時の対応、コミュニケーション体制、回復後の復帰プロセス等を事前に準備しておく。 |
イベント会場に入場できる人数の制限 |
イベント会場に入場できる人数(運営スタッフ、メディア、ボランティア、観客等)を最低限の人数に絞り、現状では無観客/人数制限を設けたイベントとする。 なお人数制限は段階的に解除していく。 |
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新型コロナウイルス対策官/チームの設置 |
新型コロナウイルス対策について最新の情報を収集して、イベント運営全体において有効な対策が機能していることに責任を持つ対策官/チームをイベントごとに設置する。 同対策官/チームには、スタッフやその他関係者からの問い合わせ窓口、地域の政府や保健機関と連携窓口といった役割が含まれている場合もある。 |
具体的なポリシーの明確化 |
イベント運営に携わる全ての関係者(アスリート・コーチ・サポートスタッフ・運営スタッフ・メディア・委託事業者・ボランティア・観客等)に守ってもらう必要がある事項を具体的かつ明瞭にポリシーとして文書化して共有する。) 定めるべきポリシーの例としては、自己体調管理、体調スクリーニング、感染者(もしくは感染を疑われる者)が発生した場合の対応、試合の延期・中止等が挙げられている。 |
全関係者へのコミュニケーション | 各国が定めているガイドラインの内容、ガイドラインを踏まえて策定した安全な運営計画、新たに定めたポリシーの全ての内容をイベント運営に携わる全ての関係者(アスリート・コーチ・サポートスタッフ・運営スタッフ・メディア・委託事業者・ボランティア・観客等)に共有して、同意してもらい、積極的に協力してもらう。 |
全関係者への自己体調管理の徹底 | イベント運営に携わる全ての関係者は、自身で体調の確認を行い、不安がある場合(新型コロナウイルス感染症の疑いや陽性者との接触の疑い等)はイベント参加を見合わせる。 |
入場時のスクリーニング実施 | イベント会場への入場時に、体温測定や体調に関する質問等のスクリーニングを行い、新型コロナウイルス感染症が疑われる場合は入場を拒否する等の対応を行う。 |
ソーシャルディスタンスの確保 | 競技中のアスリート等、仕方のない場合を除き、可能な限り、全ての関係者(アスリート・コーチ・サポートスタッフ・運営スタッフ・メディア・委託事業者・ボランティア・観客等)の間で常にソーシャルディスタンスを確保できるように努力する。(床面へのガイドの設置、関係者の動線の分離、時間差での入退場等) |
衛生対策の実行 | 手洗いや消毒の徹底(周知徹底や設備の設置等)や定期的な清掃・消毒等、新型コロナウイルス感染症対策として有効であると考えられている衛生対策を実行する。 |
接触者追跡のための記録 | 各国のプライバシー保護法の範囲内で、イベント参加者の情報を記録しておき、イベント内で新型コロナウイルス感染者が発覚してしまった際に、地域の保健機関等と連携して接触者を追跡できるように準備を行う。 |
イベント終了後の振り返り実施 |
イベント終了後には各関係者からのフィードバックを得て、新型コロナウイルス感染症対策として機能した部分と機能しなかった部分を評価する。
振り返りの結果と地域の感染状況、感染症対策に関する最新の情報を踏まえて、必要に応じて運営計画を見直す。 |
(本記事の内容は別途記載がない限り、2020年7月8日時点の情報に基づくものであり、その後情報の更新・変更が行われている場合がある)
笹川スポーツ財団 国際担当