ボランティア文化のないロシアで人材を確保するため、その待遇もかなり配慮されていた。食事や通勤用送迎バスの提供などは過去の大会も同様だが、ソチでは史上初めて競技会場周辺に「ボランティア村」を開設し、宿泊施設も提供したのだ。アスリート用の選手村のように、村内にはステージや音響設備、ビデオ室など娯楽設備もあったという。
大会1カ月前にはボランティアの過半数が「入村」を済ませ、パラリンピック特有の障害のあるアスリートに対するサポート方法や競技運営などを学ぶ最終の研修に臨んだという。大会前の「長期合宿」はボランティア同士の一体感や仲間意識を醸成することにも大いに役立ったと思われる。
他にも、自己負担とされていた、居住地からボランティア村までの交通費も、実際には各ボランティアセンターが全額、または半額~3割ほどを負担してくれたという話も耳にした。