この問題点は特に専門知識や経験が要求される職種において顕著に現れる。オリンピックボランティアの場合、通訳は重要な部門であり、サービスを提供する相手先は組織内の報道部門、医療、アンチドーピングなどとなる。組織外向けには選手・関係者や放送局、新聞社が対象だ。一般の観客は対象とはならない。
今回ソチ2014ではロシア語環境という事情もあり、選手とオリンピック報道サービス(OBS)、ニュースサービス(ONS)を相手にする試合後のインタビューなど、最前線での仕事をほとんどプロの通訳に委託している。したがってボランティア通訳の仕事は限られたサポート的業務にならざるを得ない。
ロンドンではインタビューも含め全てボランティアの通訳で対応していた。卓球や柔道など7種目を行ったエクセル会場で我々100人以上のボランティア通訳が20数ヶ国語を操っていたのとは対照的である。