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「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

散歩・ウォーキング推計実施人口は4,981万人と過去最多

年1回以上の実施率・推計人口ともに、調査開始の1996年から2倍で推移

散歩・ウォーキング実施率の推移

 過去に実施したスポーツライフ・データの集計結果を二次分析し、成人や青少年の運動・スポーツ実施率の推移を種目別にまとめています。

 最新の2022年調査では、20歳以上の散歩・ウォーキング実施率(年1回以上)48.3%、推計実施人口4,981万人と、前回調査(2020年)より実施率は0.8ポイント増加しました。週1回以上の実施率は前回調査より1.1ポイント増加し36.8%、推計実施人口は3,795万人となりました。

「スポーツライフに関する調査」を開始した1992年はウォーキングのみの実施率・推計人口を把握していたが、1996年調査から散歩も加えたため、散歩・ウォーキングの実施率・推計人口は1996年からの調査結果としている。

20~30歳代の週1回以上の実施率は過去最高へ―歩きながら多様な楽しみ方をする若年層

2022年の散歩・ウォーキングの実施率は年1回以上が48.3%、週1回以上が36.8%とそれぞれ過去最高を記録した。コロナ禍でさまざまな活動が制限された中、身体活動の重要性に対する意識が高まり実施者が増えたと考えられる。

また、散歩・ウォーキングは、ジョギング・ランニングや筋力トレーニングなどの他のエクササイズ系種目に比べて体への負荷も軽いため、多くの人にとって手軽に始められて継続しやすい種目といえるだろう。

なかでも20~30歳代の週1回以上の実施率は2016年の19.6%から一貫して増加し、2022年は28.0%となった。散歩・ウォーキングの手軽さに加えて、写真・動画の撮影やSNSへの投稿、位置情報ゲームや歩数の記録など、スマホアプリを活用した楽しみ方が、若い世代の実施率増加につながったと推察される。60歳以上の実施率が過去10年間横ばいで推移している中、近年の散歩・ウォーキング実施率の増加を牽引している若い世代の動向が今後も注目される。

笹川スポーツ財団 政策オフィサー 姜 泰安鈴木 貴大


主な調査結果

1. 年1回以上の散歩・ウォーキング実施率:48.3%、推計実施人口4,981万人。
2020年調査から0.8ポイント増、1996年調査から倍増。

 2022年の年1回以上散歩・ウォーキング実施率は48.3%であり、推計実施人口は4,981万人であった。散歩・ウォーキング実施率の推移をみると、1996年以降、調査年度による多少の増減はあるものの増加傾向で推移し、2022年は調査開始以来最高となった。実施率は、2020年から0.8ポイント増(47.5%→48.3%)、1996年との比較では26.0ポイント(22.3%→48.3%)と大きく増加した。

2.週1回以上の散歩・ウォーキング実施率:36.8%、推計実施人口3,795万人。
2020年調査から1.1ポイント増、1996年調査から3倍近くの増加。

 20歳以上の週1回以上の実施率は36.8%、推計人口は3,795万人であった。1996年には実施率13.6%、推計人口1,306万人であったが、年1回以上の実施率・推計人口と同様の推移を示し、調査開始以来最高の数値となった。この26年間で実施率と推計人口が3倍近く増加し、2020年から実施率は1.1ポイント上昇、推計人口は103万人増えた。また、2004年からは約3人に1人が定期的に散歩・ウォーキングを実施している。

3.年代別による「年1回以上」の散歩・ウォーキング実施率:6070歳以上55.8%、4050歳代47.6%、2030歳代39.8%。
60~70歳以上が最も高い

 年代別による年1回以上の散歩・ウォーキング実施率は、60~70歳以上55.8%、40~50歳代47.6%、20~30歳代39.8%の順に高く、若い年代ほど実施率が低い傾向にある。実施率の推移をみると、60~70歳以上は2012年56.1%まで増加を続けその後は横ばいで推移している。40~50歳代と20~30歳代は2010年前後まで漸増したのちに一旦ゆるやかな減少傾向となり、近年再び増加に転じている。

4.年代別による「週1回以上」の散歩・ウォーキング実施率:6070歳以上47.5%、4050歳代33.5%、2030歳代28.0%。
全年代において1996年調査から大幅に増加。

 年代別にみた週1回以上の散歩・ウォーキング実施率は、60~70歳以上が47.5%で最も高く、40~50歳代33.5%、20~30歳代28.0%と続く。60~70歳以上は他の年代に比べて10ポイント以上実施率が高い。年代別の推移をみると、60~70歳以上は1996年から2010年にかけて3倍近く増加し、その後は横ばいで推移している。40~50歳代は1996年から2004年にかけて2倍以上増加し2018年まで減少していたが、2020年以降再び増加に転じている。20~30歳代の実施率は調査年度による多少の増減はあるものの、2016年以降は右肩上がりに増加を続け、2022年は過去最大の値を示した。

 

スポーツライフに関する調査2022 概要

調査内容
運動・スポーツ実施状況、運動・スポーツ施設、スポーツクラブ・同好会・チーム、スポーツ観戦、スポーツボランティア、日常生活における身体活動、生活習慣・健康 他
調査対象
全国の市区町村に居住する満18歳以上の男女3,000人(男性: 1,503人、女性1,497人)
地点数
300地点(大都市90地点、人口10万人以上の市122地点、人口10万人未満の市64地点、町村24地点)
調査時期
2022年6月10日~7月10日

過去の調査


参考:住民基本台帳人口(人)
基準年月1997.31999.32001.32003.32005.3
20歳以上総計97,845,74299,426,665100,649,429101,730,947102,636,961
20歳以上男性47,463,67248,219,45248,781,48549,274,80549,670,810
20歳以上女性50,382,07051,207,21351,867,94452,456,14252,966,151
基準年月2007.32009.32011.32013.32015.1
20歳以上総計103,387,474103,824,522103,973,831103,811,681103,888,078
20歳以上男性50,011,43450,196,85650,236,39750,128,14050,169,418
20歳以上女性53,376,04053,627,66653,737,43453,683,54153,718,660
基準年月2017.12019.12021.1
20歳以上総計103,708,284103,424,756103,133,291
20歳以上男性50,077,55449,933,97649,794,107
20歳以上女性53,630,73053,490,78053,339,184

資料:総務省統計局ウェブサイト(住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯調査数)

データの使用申請

最新の調査をはじめ、過去のスポーツライフ・データのローデータ(クロス集計結果を含む)を提供しています。

活用例

  1. 政策立案:所属自治体と全国の比較や調査設計に活用(年齢や性別、地域ごとの特徴を把握)
  2. 研究:研究の導入部分の資料や仮説を立てる際に活用(現状の把握、問題提起、仮説、序論)
  3. ビジネス:商品企画や営業の場面で活用(市場調査、データの裏付け、潜在的なニーズの発見)
テーマ

スポーツライフ・データ

キーワード
年度

2022年度

担当研究者