散歩・ウォーキング実施率の推移
過去に実施したスポーツライフ・データの集計結果を二次分析し、成人や青少年の運動・スポーツ実施率の推移を種目別にまとめています。
2020年調査では、散歩・ウォーキング実施率(年1回以上)47.5%、推計実施人口4,913万人でした。新型コロナウイルス感染症が拡大し在宅勤務など働き方が変わる中、20~50歳代で散歩・ウォーキング実施率が前回調査(2018年)より増加していることが分かりました。
© 2020 SASAKAWA SPORTS FOUNDATION
スポーツ政策研究所を組織し、Mission&Visionの達成に向けさまざまな研究調査活動を行います。客観的な分析・研究に基づく実現性のある政策提言につなげています。
自治体・スポーツ組織・企業・教育機関等と連携し、スポーツ推進計画の策定やスポーツ振興、地域課題の解決につながる取り組みを共同で実践しています。
「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。
日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。
散歩・ウォーキング実施率の推移
過去に実施したスポーツライフ・データの集計結果を二次分析し、成人や青少年の運動・スポーツ実施率の推移を種目別にまとめています。
2020年調査では、散歩・ウォーキング実施率(年1回以上)47.5%、推計実施人口4,913万人でした。新型コロナウイルス感染症が拡大し在宅勤務など働き方が変わる中、20~50歳代で散歩・ウォーキング実施率が前回調査(2018年)より増加していることが分かりました。
歩くことによる「街の魅力再発見」など、健康増進以外の新たな価値の創出を
笹川スポーツ財団「スポーツライフに関する調査」から、成人の散歩・ウォーキングの実施状況について、1996年から2020年までの推移と年代別の分析を行った。1996年以降の全体傾向としては、散歩・ウォーキング実施率は年1回以上が22.3%から47.5%、週1回以上が13.6%から35.7%へと大幅に増加してきたことがわかる。
2020年調査では、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け実施率が減少した種目もある中で、散歩・ウォーキングは2018年より増加した。散歩・ウォーキングの実施率はこれまで60歳代以上が牽引してきたが、20~50歳代の実施率は年・週1回以上でともに増えており、特に20~30歳代の年1回以上の実施率は41.7%と調査以来過去最高であった。新型コロナウイルスの感染が広がる中で、散歩・ウォーキングのように個人で気軽に取り組める種目に対する需要の高まりや、在宅時間の増加に伴う運動不足解消、健康志向の高まりが要因のひとつとして挙げられる。
ウォーキングは個人で健康のために取り組む以外に、街の魅力や自然を感じながらの実施、企業単位でイベントに参加するなどさまざまな方法で行われている。健康増進も重要ではあるが、スポーツを通じて地域の魅力を再発見するなど、「スポーツ×○○」による新たな価値の創出が期待される。
笹川スポーツ財団 政策オフィサー 鈴木 貴大
2020年の年1回以上散歩・ウォーキング実施率は47.5%であり、推計実施人口は4,913万人であった(図表1)。散歩・ウォーキング実施率は2006年から増加を続け、2010年の47.5%をピークに減少に転じていたが、2020年は2010年と同様の調査開始以来最高の実施率となった。この実施率は、前回2018年調査から2.6ポイント増、1996年との比較では、22.3%から25.2ポイントと大きく増加した。
図表2に、週1回以上の散歩・ウォーキング実施率と推計人口の推移を示した。2020年調査では、週1回以上の散歩・ウォーキングの実施率は35.7%であり、推計人口は3,692万人となった。1996年には実施率13.6%、推計人口1,306万人であったが、年1回の実施率と同様の推移を示し、前回2018年調査から2.8ポイント増加、この24年間で約2.5倍という結果となった。健康志向の高まりによる散歩・ウォーキング実施者の増加、そして、私たちのライフスタイルの一部として散歩・ウォーキングが広く普及・定着してきた様子が伺える。
図表3に、年代別にみた年1回以上の散歩・ウォーキング実施率の推移を示した。1996年当時、年代別の実施率に大きな差はみられず、その後、2004年までは全年代で上昇が続いた。2006年以降、20~30歳代と40~50歳代は30~40%台で横ばいまたは微減となっていたが、2020年調査ではそれぞれ5.1ポイント、5.0ポイントと2018年調査に比べて増加している。20~30歳代の実施率は、調査開始以来過去最高の41.7%であった。一方、60~70歳以上は2018年調査より2.5ポイント減少しているが、2006年以降50%台まで上昇しており、2000年代後半からは散歩・ウォーキングが定着してきた様子が伺える。
図表4に、年代別にみた週1回以上の散歩・ウォーキング実施率の推移を示した。2004年までは全年代で上昇し、60~70歳以上はその後も増加から横ばいで推移しており、1996年の16.3%から約3倍となっている(47.0%)。他の年代に比べても顕著に高い割合を示しており、年1回実施率との差も小さいことから、日常生活の中に散歩・ウォーキングを取り入れ、習慣化している様子が伺える。一方、20~30歳代と40~50歳代はそれぞれ2010年と2004年をピークに直近では減少傾向であったが、2020年調査ではそれぞれ25.6%、33.1%と前回2018年調査より2.7ポイント、6.5ポイントが増加し高い割合を示した。
基準年月 | 1997.3 | 1999.3 | 2001.3 | 2003.3 | 2005.3 | |
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20歳以上総計 | 97,845,742 | 99,426,665 | 100,649,429 | 101,730,947 | 102,636,961 | |
20歳以上男性 | 47,463,672 | 48,219,452 | 48,781,485 | 49,274,805 | 49,670,810 | |
20歳以上女性 | 50,382,070 | 51,207,213 | 51,867,944 | 52,456,142 | 52,966,151 | |
基準年月 | 2007.3 | 2009.3 | 2011.3 | 2013.3 | 2015.1 | |
20歳以上総計 | 103,387,474 | 103,824,522 | 103,973,831 | 103,811,681 | 103,888,078 | |
20歳以上男性 | 50,011,434 | 50,196,856 | 50,236,397 | 50,128,140 | 50,169,418 | |
20歳以上女性 | 53,376,040 | 53,627,666 | 53,737,434 | 53,683,541 | 53,718,660 | |
基準年月 | 2017.1 | 2019.1 | ||||
20歳以上総計 | 103,708,284 | 103,424,756 | ||||
20歳以上男性 | 50,077,554 | 49,933,976 | ||||
20歳以上女性 | 53,630,730 | 53,490,780 |
資料:総務省統計局ウェブサイト(住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯調査数)
最新の調査をはじめ、過去のスポーツライフ・データのローデータ(クロス集計結果を含む)を提供しています。
活用例
スポーツライフ・データ
2020年度