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「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

散歩・ウォーキング人口 2020年

散歩・ウォーキング実施推計人口 4,913万人
若年層20~30歳代で年1回以上の実施率が過去最高の41.7%
散歩、ウォーキング人口が増加。過去最高

散歩・ウォーキング実施率の推移

過去に実施したスポーツライフ・データの集計結果を二次分析し、成人や青少年の運動・スポーツ実施率の推移を種目別にまとめています。

2020年調査では、散歩・ウォーキング実施率(年1回以上)47.5%、推計実施人口4,913万人でした。新型コロナウイルス感染症が拡大し在宅勤務など働き方が変わる中、20~50歳代で散歩・ウォーキング実施率が前回調査(2018年)より増加していることが分かりました。

歩くことによる「街の魅力再発見」など、健康増進以外の新たな価値の創出を

笹川スポーツ財団「スポーツライフに関する調査」から、成人の散歩・ウォーキングの実施状況について、1996年から2020年までの推移と年代別の分析を行った。1996年以降の全体傾向としては、散歩・ウォーキング実施率は年1回以上が22.3%から47.5%、週1回以上が13.6%から35.7%へと大幅に増加してきたことがわかる。

2020年調査では、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け実施率が減少した種目もある中で、散歩・ウォーキングは2018年より増加した。散歩・ウォーキングの実施率はこれまで60歳代以上が牽引してきたが、20~50歳代の実施率は年・週1回以上でともに増えており、特に20~30歳代の年1回以上の実施率は41.7%と調査以来過去最高であった。新型コロナウイルスの感染が広がる中で、散歩・ウォーキングのように個人で気軽に取り組める種目に対する需要の高まりや、在宅時間の増加に伴う運動不足解消、健康志向の高まりが要因のひとつとして挙げられる。

ウォーキングは個人で健康のために取り組む以外に、街の魅力や自然を感じながらの実施、企業単位でイベントに参加するなどさまざまな方法で行われている。健康増進も重要ではあるが、スポーツを通じて地域の魅力を再発見するなど、「スポーツ×○○」による新たな価値の創出が期待される。

笹川スポーツ財団 政策オフィサー 鈴木 貴大


主な調査結果

1. 年1回以上の散歩・ウォーキング実施率:47.5%、推計実施人口4,913万人。
2018年前回調査から2.6ポイント増、1996年調査から倍増。

 2020年の年1回以上散歩・ウォーキング実施率は47.5%であり、推計実施人口は4,913万人であった(図表1)。散歩・ウォーキング実施率は2006年から増加を続け、2010年の47.5%をピークに減少に転じていたが、2020年は2010年と同様の調査開始以来最高の実施率となった。この実施率は、前回2018年調査から2.6ポイント増、1996年との比較では、22.3%から25.2ポイントと大きく増加した。

週1回以上の散歩・ウォーキング実施率:35.7%、推計実施人口3,692万人。
2018年前回調査から2.8ポイント増、1996年調査時の約3倍に。

図表2に、週1回以上の散歩・ウォーキング実施率と推計人口の推移を示した。2020年調査では、週1回以上の散歩・ウォーキングの実施率は35.7%であり、推計人口は3,692万人となった。1996年には実施率13.6%、推計人口1,306万人であったが、年1回の実施率と同様の推移を示し、前回2018年調査から2.8ポイント増加、この24年間で約2.5倍という結果となった。健康志向の高まりによる散歩・ウォーキング実施者の増加、そして、私たちのライフスタイルの一部として散歩・ウォーキングが広く普及・定着してきた様子が伺える。

2. 【年代別・年1回以上の「散歩・ウォーキング実施率」の推移】
20~30歳代の実施率は調査開始以来過去最高の41.7%

図表3に、年代別にみた年1回以上の散歩・ウォーキング実施率の推移を示した。1996年当時、年代別の実施率に大きな差はみられず、その後、2004年までは全年代で上昇が続いた。2006年以降、20~30歳代と40~50歳代は30~40%台で横ばいまたは微減となっていたが、2020年調査ではそれぞれ5.1ポイント、5.0ポイントと2018年調査に比べて増加している。20~30歳代の実施率は、調査開始以来過去最高の41.7%であった。一方、60~70歳以上は2018年調査より2.5ポイント減少しているが、2006年以降50%台まで上昇しており、2000年代後半からは散歩・ウォーキングが定着してきた様子が伺える。

3. 【年代別・週1回以上の「散歩・ウォーキング実施率」の推移】
 20~50歳代の実施率が前回調査より増加

図表4に、年代別にみた週1回以上の散歩・ウォーキング実施率の推移を示した。2004年までは全年代で上昇し、60~70歳以上はその後も増加から横ばいで推移しており、1996年の16.3%から約3倍となっている(47.0%)。他の年代に比べても顕著に高い割合を示しており、年1回実施率との差も小さいことから、日常生活の中に散歩・ウォーキングを取り入れ、習慣化している様子が伺える。一方、20~30歳代と40~50歳代はそれぞれ2010年と2004年をピークに直近では減少傾向であったが、2020年調査ではそれぞれ25.6%、33.1%と前回2018年調査より2.7ポイント、6.5ポイントが増加し高い割合を示した。

 

 

スポーツライフに関する調査2020 概要

調査内容
運動・スポーツ実施状況、運動・スポーツ施設、スポーツクラブ・同好会・チーム、スポーツ観戦(好きなスポーツ選手含む)、スポーツボランティア、日常生活における身体活動、生活習慣・健康 他
調査対象
全国の市区町村に居住する満 18 歳以上の男女 3,000 人(男性:1,493 人、女性 1,507 人)
地点数
300 地点(大都市89地点、人口10万人以上の市122地点、人口10万人未満の市64地点、町村25地点)
調査時期
2020 年 8 月 28 日~9 月 23 日

過去の調査

参考:住民基本台帳人口

(人)

基準年月1997.31999.32001.32003.32005.3
20歳以上総計97,845,74299,426,665100,649,429101,730,947102,636,961
20歳以上男性47,463,67248,219,45248,781,48549,274,80549,670,810
20歳以上女性50,382,07051,207,21351,867,94452,456,14252,966,151
基準年月2007.32009.32011.32013.32015.1
20歳以上総計103,387,474103,824,522103,973,831103,811,681103,888,078
20歳以上男性50,011,43450,196,85650,236,39750,128,14050,169,418
20歳以上女性53,376,04053,627,66653,737,43453,683,54153,718,660
基準年月2017.12019.1
20歳以上総計103,708,284103,424,756
20歳以上男性50,077,55449,933,976
20歳以上女性53,630,73053,490,780

資料:総務省統計局ウェブサイト(住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯調査数)

データの使用申請

最新の調査をはじめ、過去のスポーツライフ・データのローデータ(クロス集計結果を含む)を提供しています。

活用例

  1. 政策立案:所属自治体と全国の比較や調査設計に活用(年齢や性別、地域ごとの特徴を把握)
  2. 研究:研究の導入部分の資料や仮説を立てる際に活用(現状の把握、問題提起、仮説、序論)
  3. ビジネス:商品企画や営業の場面で活用(市場調査、データの裏付け、潜在的なニーズの発見)
テーマ

スポーツライフ・データ

キーワード
年度

2020年度

担当研究者