笹川スポーツ財団では、2022年6月から7月にかけて成人を対象とした「スポーツライフ・データ(スポーツライフに関する調査)」を実施しました。過去1年間に体育館・スタジアム等へ足を運んで直接スポーツを観戦した18歳以上の成人は全体の19.3%と、調査開始以降最も低い割合を示しました。テレビでスポーツの試合を観戦した者は全体の79.0%と調査項目を追加した2004年以降最も低い観戦率を示しました。一方、インターネットでスポーツの試合を観戦した者は全体の21.4%で、2020年の13.9%から7.5ポイント増加しました。
1.直接スポーツ観戦率の年次推移(1996~2022年):全体・性別
全体における直接スポーツ観戦率は、2022年に19.3%とこれまでの調査で最も低い値であった。2018年までは30%前後で推移していたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い直接観戦の機会が減り、観戦率は2020年に10.0ポイント減少し21.8%となった。2022年調査でもコロナ禍の影響が残り、観戦率は19.3%と2020年からさらに低下した。性別にみると、男性23.2%、女性15.4%と男性の観戦率が7.8ポイント高く、これまでの傾向と同様であった。
2.テレビによるスポーツ観戦率の年次推移(2004~2022年):全体・性別
2022年のテレビによるスポーツ観戦率は79.0%と、これまでの調査で最も低い。テレビによるスポーツ観戦率は2004年以降90%前後で推移してきたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴うスポーツイベントの中止によりテレビ中継が減少し、2020年から観戦率は大きく下がった。性別にみると、男性82.6%、女性75.4%であり、男性が女性より7.2ポイント高い。調査開始以来、男性の観戦率は女性の観戦率を上回っている。
3.インターネットによるスポーツ観戦率の年次推移(2020~2022年)
インターネットによるスポーツ観戦率の年次推移を示した。2022年のインターネットスポーツ観戦率は全体の21. 4%で、前回2020年の13. 9%から7. 5ポイント増加した。
4.直接観戦したスポーツ:全体・性別
2022年に18歳以上が直接観戦したスポーツをみると、全体では「プロ野球(NPB)」の観戦率が8.7%と最も高く、次いで「Jリーグ(J1、J2、J3)」3.0%、「高校野球」2.8%、「サッカー(高校、大学、JFL、WEリーグなど)」1.3%、「プロバスケットボール(Bリーグ)」1.0%であった。性別にみると、男女ともに「プロ野球(NPB)」(男性11.6%、女性5.8%)の観戦率が最も高く、「高校野球」が男性2位(4.2%)、女性3位(1.5%)、「Jリーグ(J1、J2、J3)」が男性3位(3.9%)、女性2位(2.0%)であった。男性の4位は「プロバスケットボール(Bリーグ)」1.4%、5位は「格闘技(ボクシング、総合格闘技など)」「サッカー(高校、大学、JFL、WEリーグなど)」が同率で1.3%であった。女性は4位が「サッカー(高校、大学、JFL、WEリーグなど)」1.2%、5位が「バスケットボール(高校、大学、Wリーグなど)」1.0%であった。
5.テレビで観戦したスポーツ:全体・性別
テレビで観戦したスポーツをみると、全体では「プロ野球(NPB)」が46.0%と最も高く、次いで「サッカー日本代表試合(五輪代表・なでしこジャパン含む)」36.8%、「マラソン・駅伝」34.8%、「高校野球」33.9%、「フィギュアスケート」30.2%であった。性別にみると、男性は「プロ野球(NPB)」が55.9%と最も高く、「サッカー日本代表試合(五輪代表・なでしこジャパン含む)」42.6%、「高校野球」37.1%と続く。女性は「フィギュアスケート」が42.4%と最も高く、次いで「プロ野球(NPB)」が36.0%、「マラソン・駅伝」が35.1%であった。テレビ観戦率上位10種目は、女性よりも男性の観戦率が高い種目が多く、「プロ野球(NPB)」や「メジャーリーグ(アメリカ大リーグ)」、「格闘技(ボクシング、総合格闘技など)」は男性が女性を大きく上回る。一方で「フィギュアスケート」は女性が男性より24.2ポイント高い。
6.インターネットで観戦したスポーツ:全体・性別
過去1年間にインターネット観戦した上位10種目を示した。1位は「格闘技(ボクシング、総合格闘技など)」6. 7%で、2位以降は「プロ野球(NPB)」5. 6%、「メジャーリーグ(アメリカ大リーグ)」4. 7%、「海外プロサッカー(欧州、南米など)」「サッカー日本代表試合(五輪代表・なでしこジャパン含む)」が同率で3. 4%であった。