ジョギング・ランニング実施率の推移
過去に実施したスポーツライフ・データの集計結果を二次分析し、成人や青少年の運動・スポーツ実施率の推移を種目別にまとめています。
2020年調査では、ジョギング・ランニング実施率(年1回以上)10.2%、推計実施人口1,055万人と、調査開始以来、過去最高の実施率・推計実施人口という結果となりました。
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スポーツ政策研究所を組織し、Mission&Visionの達成に向けさまざまな研究調査活動を行います。客観的な分析・研究に基づく実現性のある政策提言につなげています。
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ジョギング・ランニング実施率の推移
過去に実施したスポーツライフ・データの集計結果を二次分析し、成人や青少年の運動・スポーツ実施率の推移を種目別にまとめています。
2020年調査では、ジョギング・ランニング実施率(年1回以上)10.2%、推計実施人口1,055万人と、調査開始以来、過去最高の実施率・推計実施人口という結果となりました。
調査開始以来最高の実施率となったものの男女差がより顕著に
2020年の年1回以上ジョギング・ランニング実施率は調査開始以来、過去最高の10.2%であり、推計実施人口は1,055万人であった。週1回以上、月2回以上も同様に過去最高の実施率を記録した。年1回以上の実施率は1998年の6.9%から増減を繰り返した後に緩やかな増加を続け、2020年は前回2018年調査から0.9ポイント増加した。
ジョギング・ランニング実施率の増加は主に男性が牽引しており、特に20歳代(5.3ポイント増加)と40歳代(4.8ポイント増加)、そして50歳代(3.4ポイント増加)にその傾向が大きくみられた。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け運動不足の解消など、ジョギング・ランニングといった気軽に取り組める種目への需要が高まり、実施率増加につながったと考えられる。
性別にみると、男性の実施率は2018年から増加したものの、女性は横ばいで推移しており、実施率は9.3ポイントと顕著な差がみられる。30歳代女性は2018年から3.6ポイント減少し全ての性・年代の中で最も大きく実施率が低下した。全体ではジョギング・ランニングの実施率は増加を続けているが、性・年代別による傾向は大きく異なり、その要因を詳細に検討するとともに、実施率の増加に向けてターゲットを絞った取り組みや実施しやすい環境の整備が必要ではないだろうか。
笹川スポーツ財団 政策オフィサー 鈴木 貴大
2020年の年1回以上ジョギング・ランニング実施率は10.2%であり、推計実施人口は1,055万人であった。ジョギング・ランニング実施率は2006年から増加を続け、2012年をピークに2016年まで減少傾向にあったが、2018年より再び増加し、2020年は調査開始以来、最高の実施率となった。
性別にみると男性14.9%、女性5.6%と男性の割合が高い。1998年との比較では、男性は8.7%から6.2ポイント増加している一方で、女性は5.2%から0.4ポイント増加と大きな変化はみられない。
調査年 | 1998 | 2000 | 2002 | 2004 | 2006 | 2008 | 2010 | 2012 | 2014 | 2016 | 2018 | 2020 | |
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全体 | 実施率(%) | 6.9 | 7.7 | 4.8 | 6.6 | 5.9 | 7.3 | 8.5 | 9.7 | 9.5 | 8.6 | 9.3 | 10.2 |
推計人口(万人) | 675 | 766 | 483 | 671 | 606 | 755 | 883 | 1009 | 986 | 893 | 964 | 1055 | |
男性 | 実施率(%) | 8.7 | 10.5 | 6.2 | 9.7 | 8.1 | 10.0 | 12.2 | 14.0 | 12.9 | 11.8 | 12.9 | 14.9 |
推計人口(万人) | 413 | 506 | 302 | 478 | 402 | 500 | 612 | 703 | 647 | 592 | 646 | 744 | |
女性 | 実施率(%) | 5.2 | 4.9 | 3.4 | 3.5 | 4.0 | 4.6 | 4.8 | 5.3 | 6.1 | 5.4 | 5.8 | 5.6 |
推計人口(万人) | 262 | 251 | 176 | 184 | 212 | 246 | 257 | 285 | 327 | 290 | 311 | 300 |
注)推計人口は住民基本台帳の成人人口(人)に実施率(%)を乗じて算出
笹川スポーツ財団「スポーツライフに関する調査報告書」(1998~2020)より作成
週1回以上の実施率は5.6%、月2回以上は7.0%、推計実施人口は週1回以上が724万人、月2回以上が579万人と、年1回以上と同様に調査開始以来過去最高となった。
実施率の推移は年1回以上と同じく、2006年以降増加を続け、2012年をピークに減少したが2016年以降回復している。2018年からの実施率の変化は、週1回以上0.3ポイント(5.3%→5.6%)、月2回以上0.6ポイント(6.4%→7.0%)と大きく増加はしていないものの、1998年から経年でみるとジョギング・ランニングを定期的に実施している人は着実に増えている。
調査年 | 1998 | 2000 | 2002 | 2004 | 2006 | 2008 | 2010 | 2012 | 2014 | 2016 | 2018 | 2020 | |
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全体 | 実施率(%) | 3.7 | 3.4 | 2.1 | 3.3 | 2.9 | 3.4 | 4.2 | 5.5 | 5.3 | 4.5 | 5.3 | 5.6 |
推計人口(万人) | 362 | 338 | 211 | 336 | 298 | 352 | 436 | 572 | 550 | 467 | 550 | 579 | |
男性 | 実施率(%) | 4.4 | 5.6 | 3.2 | 5.2 | 3.9 | 4.9 | 6.5 | 8.3 | 7.4 | 6.3 | 7.8 | 8.7 |
推計人口(万人) | 209 | 270 | 156 | 256 | 194 | 245 | 326 | 417 | 371 | 316 | 390 | 434 | |
女性 | 実施率(%) | 3.0 | 1.2 | 1.1 | 1.4 | 2.0 | 2.0 | 2.0 | 2.7 | 3.2 | 2.7 | 2.8 | 2.6 |
推計人口(万人) | 151 | 61 | 57 | 73 | 106 | 107 | 107 | 145 | 172 | 145 | 150 | 139 |
注)推計人口は住民基本台帳の成人人口(人)に実施率(%)を乗じて算出
笹川スポーツ財団「スポーツライフに関する調査報告書」(1998~2020)より作成
調査年 | 1998 | 2000 | 2002 | 2004 | 2006 | 2008 | 2010 | 2012 | 2014 | 2016 | 2018 | 2020 |
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実施率(%) | 4.5 | 4.3 | 2.7 | 3.9 | 3.5 | 4.9 | 5.0 | 6.8 | 6.2 | 5.7 | 6.4 | 7.0 |
推計人口(万人) | 440 | 428 | 272 | 397 | 359 | 507 | 519 | 707 | 644 | 592 | 664 | 724 |
注)推計人口は住民基本台帳の成人人口(人)に実施率(%)を乗じて算出
笹川スポーツ財団「スポーツライフに関する調査報告書」(1998~2020)より作成
性・年代別の年1回以上の実施率をみると、男性は30歳代の22.1%が最も高く、20歳代19.7%、40歳代19.3%、50歳代17.0%と続く。男性の20~50歳代の実施率は調査年による増減はあるものの、1998年以降増加傾向にあり、特に30歳代の実施率は12.8ポイント増加(9.3%→22.1%)と最も伸びている。
前回調査2018年からの推移をみると、20~50歳代の実施率が伸びており、20歳代は5.3ポイント増(14.4%→19.7%)と最も伸びた。次いで40歳代が4.8ポイント増(14.5%→19.3%)となっている。
女性の実施率は20歳代の15.8%が最も高く、50歳代6.0%、30歳代5.8%、40歳代5.5%と続く。20歳代女性の実施率は1998年と比べ、9.7ポイント増加(6.1%→15.8%)と、他の年代が横ばいで推移する中で上昇しており、2010年以降、年代間に大きな差がみられる。2018年からの推移では、30歳代女性の実施率が3.6ポイント減(9.4%→5.8%)と全ての性・年代別の中で最も低下した。
性別・年代別の週1回以上、週2回以上のジョギング・ランニング実施率の推移は以下よりダウンロードしてください
東京マラソンが開始された2007年以降のジョギング・ランニング実施率を都市規模別に算出した。2020年は20大都市が11.8%と最も高く、東京都区部11.1%、人口10万人以上の市10.9%、人口10万人未満の市8.0%、町村7.3%と続く。人口規模が大きいほど実施率が高い傾向がある。経年変化をみると、東京都区部は2010年12.3%から2012年17.8%へ5.5ポイント増加した後に減少し、近年は2008年の実施率と大きく変わらない。また、人口10万人以上の市(2008年6.5%→2020年10.9%と4.4ポイント増加)を除き、他の都市規模において2008年と2020年を比較すると、実施率に大きな増減はみられない。
基準年月 | 1997.3 | 1999.3 | 2001.3 | 2003.3 | 2005.3 | |
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20歳以上総計 | 97,845,742 | 99,426,665 | 100,649,429 | 101,730,947 | 102,636,961 | |
20歳以上男性 | 47,463,672 | 48,219,452 | 48,781,485 | 49,274,805 | 49,670,810 | |
20歳以上女性 | 50,382,070 | 51,207,213 | 51,867,944 | 52,456,142 | 52,966,151 | |
基準年月 | 2007.3 | 2009.3 | 2011.3 | 2013.3 | 2015.1 | |
20歳以上総計 | 103,387,474 | 103,824,522 | 103,973,831 | 103,811,681 | 103,888,078 | |
20歳以上男性 | 50,011,434 | 50,196,856 | 50,236,397 | 50,128,140 | 50,169,418 | |
20歳以上女性 | 53,376,040 | 53,627,666 | 53,737,434 | 53,683,541 | 53,718,660 | |
基準年月 | 2017.1 | 2019.1 | ||||
20歳以上総計 | 103,708,284 | 103,424,756 | ||||
20歳以上男性 | 50,077,554 | 49,933,976 | ||||
20歳以上女性 | 53,630,730 | 53,490,780 |
資料:総務省統計局ウェブサイト(住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯調査数)
最新の調査をはじめ、過去のスポーツライフ・データのローデータ(クロス集計結果を含む)を提供しています。
活用例
スポーツライフ・データ
2020年度