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「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

ジョギング・ランニング人口(2020年)

2020年 ジョギング・ランニング推計実施人口(年1回以上) 過去最多1,055万人
週1回以上・579万人、月2回以上・724万人。過去22年間で男女差が拡がる。

ジョギング・ランニング実施率の推移

過去に実施したスポーツライフ・データの集計結果を二次分析し、成人や青少年の運動・スポーツ実施率の推移を種目別にまとめています。

2020年調査では、ジョギング・ランニング実施率(年1回以上)10.2%、推計実施人口1,055万人と、調査開始以来、過去最高の実施率・推計実施人口という結果となりました。

 

調査開始以来最高の実施率となったものの男女差がより顕著に

2020年の年1回以上ジョギング・ランニング実施率は調査開始以来、過去最高の10.2%であり、推計実施人口は1,055万人であった。週1回以上、月2回以上も同様に過去最高の実施率を記録した。年1回以上の実施率は1998年の6.9%から増減を繰り返した後に緩やかな増加を続け、2020年は前回2018年調査から0.9ポイント増加した。

ジョギング・ランニング実施率の増加は主に男性が牽引しており、特に20歳代(5.3ポイント増加)と40歳代(4.8ポイント増加)、そして50歳代(3.4ポイント増加)にその傾向が大きくみられた。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け運動不足の解消など、ジョギング・ランニングといった気軽に取り組める種目への需要が高まり、実施率増加につながったと考えられる。

性別にみると、男性の実施率は2018年から増加したものの、女性は横ばいで推移しており、実施率は9.3ポイントと顕著な差がみられる。30歳代女性は2018年から3.6ポイント減少し全ての性・年代の中で最も大きく実施率が低下した。全体ではジョギング・ランニングの実施率は増加を続けているが、性・年代別による傾向は大きく異なり、その要因を詳細に検討するとともに、実施率の増加に向けてターゲットを絞った取り組みや実施しやすい環境の整備が必要ではないだろうか。

笹川スポーツ財団 政策オフィサー 鈴木 貴大


主な調査結果

1. 2020年のジョギング・ランニング実施率(年1回以上)10.2%、推計実施人口1,055万人。性別の実施率では、男性14.9%、女性5.6%と、9.3ptの差。

2020年の年1回以上ジョギング・ランニング実施率は10.2%であり、推計実施人口は1,055万人であった。ジョギング・ランニング実施率は2006年から増加を続け、2012年をピークに2016年まで減少傾向にあったが、2018年より再び増加し、2020年は調査開始以来、最高の実施率となった。

性別にみると男性14.9%、女性5.6%と男性の割合が高い。1998年との比較では、男性は8.7%から6.2ポイント増加している一方で、女性は5.2%から0.4ポイント増加と大きな変化はみられない。

表1 ジョギング・ランニング実施率(年1回以上)と推計実施人口(万人)の年次推移(全体・性別)
調査年 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020
全体 実施率(%) 6.9 7.7 4.8 6.6 5.9 7.3 8.5 9.7 9.5 8.6 9.3 10.2
推計人口(万人) 675 766 483 671 606 755 883 1009 986 893 964 1055
男性 実施率(%) 8.7 10.5 6.2 9.7 8.1 10.0 12.2 14.0 12.9 11.8 12.9 14.9
推計人口(万人) 413 506 302 478 402 500 612 703 647 592 646 744
女性 実施率(%) 5.2 4.9 3.4 3.5 4.0 4.6 4.8 5.3 6.1 5.4 5.8 5.6
推計人口(万人) 262 251 176 184 212 246 257 285 327 290 311 300

注)推計人口は住民基本台帳の成人人口(人)に実施率(%)を乗じて算出

笹川スポーツ財団「スポーツライフに関する調査報告書」(1998~2020)より作成

2. 週1回以上、月2回以上の実施率・推計実施人口も、調査開始以来過去最高の水準

週1回以上の実施率は5.6%、月2回以上は7.0%、推計実施人口は週1回以上が724万人、月2回以上が579万人と、年1回以上と同様に調査開始以来過去最高となった。
実施率の推移は年1回以上と同じく、2006年以降増加を続け、2012年をピークに減少したが2016年以降回復している。2018年からの実施率の変化は、週1回以上0.3ポイント(5.3%→5.6%)、月2回以上0.6ポイント(6.4%→7.0%)と大きく増加はしていないものの、1998年から経年でみるとジョギング・ランニングを定期的に実施している人は着実に増えている。

表2 ジョギング・ランニング実施率(週1回以上)と推計実施人口(万人)の年次推移(全体・性別)
調査年 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020
全体 実施率(%) 3.7 3.4 2.1 3.3 2.9 3.4 4.2 5.5 5.3 4.5 5.3 5.6
推計人口(万人) 362 338 211 336 298 352 436 572 550 467 550 579
男性 実施率(%) 4.4 5.6 3.2 5.2 3.9 4.9 6.5 8.3 7.4 6.3 7.8 8.7
推計人口(万人) 209 270 156 256 194 245 326 417 371 316 390 434
女性 実施率(%) 3.0 1.2 1.1 1.4 2.0 2.0 2.0 2.7 3.2 2.7 2.8 2.6
推計人口(万人) 151 61 57 73 106 107 107 145 172 145 150 139

注)推計人口は住民基本台帳の成人人口(人)に実施率(%)を乗じて算出

笹川スポーツ財団「スポーツライフに関する調査報告書」(1998~2020)より作成

表3 月2回以上のジョギング・ランニング実施率と推計人口推移(20歳以上)
調査年 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020
実施率(%) 4.5 4.3 2.7 3.9 3.5 4.9 5.0 6.8 6.2 5.7 6.4 7.0
推計人口(万人) 440 428 272 397 359 507 519 707 644 592 664 724

注)推計人口は住民基本台帳の成人人口(人)に実施率(%)を乗じて算出

笹川スポーツ財団「スポーツライフに関する調査報告書」(1998~2020)より作成

3. 【性別・年代別】 ジョギング・ランニング実施率(年1回以上)年次推移

■男性
・前回調査2018からの推移:20歳代5.3pt増(14.4%→19.7%)、40歳代4.8pt増(14.5%→19.3%)
・調査開始1998からの推移:20~50歳代は増加傾向。特に30歳代が9.3%→22.1%と最も増加

性・年代別の年1回以上の実施率をみると、男性は30歳代の22.1%が最も高く、20歳代19.7%、40歳代19.3%50歳代17.0%と続く。男性の2050歳代の実施率は調査年による増減はあるものの、1998年以降増加傾向にあり、特に30歳代の実施率は12.8ポイント増加(9.3%→22.1%)と最も伸びている。

前回調査2018年からの推移をみると、2050歳代の実施率が伸びており、20歳代は5.3ポイント増(14.4%→19.7%)と最も伸びた。次いで40歳代が4.8ポイント増(14.5%19.3%)となっている。

■女性
・前回調査2018からの推移:30歳代が3.6pt減(9.4%→5.8%)と全ての性・年代別の中で最も低下
・調査開始1998からの推移:横ばいで推移する中、20歳代は6.1%→15.8%と9.7pt増加

女性の実施率は20歳代の15.8%が最も高く、50歳代6.0%、30歳代5.8%、40歳代5.5%と続く。20歳代女性の実施率は1998年と比べ、9.7ポイント増加(6.1%→15.8%)と、他の年代が横ばいで推移する中で上昇しており、2010年以降、年代間に大きな差がみられる。2018年からの推移では、30歳代女性の実施率が3.6ポイント減(9.4%→5.8%)と全ての性・年代別の中で最も低下した。

性別・年代別の週1回以上、週2回以上のジョギング・ランニング実施率の推移は以下よりダウンロードしてください

 

4. 都市規模別では、東京都区部は減少も、依然として10万以上の都市で実施率が高い傾向

東京マラソンが開始された2007年以降のジョギング・ランニング実施率を都市規模別に算出した。2020年は20大都市が11.8%と最も高く、東京都区部11.1%、人口10万人以上の市10.9%、人口10万人未満の市8.0%、町村7.3%と続く。人口規模が大きいほど実施率が高い傾向がある。経年変化をみると、東京都区部は2010年12.3%から2012年17.8%へ5.5ポイント増加した後に減少し、近年は2008年の実施率と大きく変わらない。また、人口10万人以上の市(2008年6.5%→2020年10.9%と4.4ポイント増加)を除き、他の都市規模において2008年と2020年を比較すると、実施率に大きな増減はみられない。

スポーツライフに関する調査2020 概要

調査内容
運動・スポーツ実施状況、運動・スポーツ施設、スポーツクラブ・同好会・チーム、スポーツ観戦(好きなスポーツ選手含む)、スポーツボランティア、日常生活における身体活動、生活習慣・健康 他
調査対象
全国の市区町村に居住する満 18 歳以上の男女 3,000 人(男性:1,493 人、女性 1,507 人)
地点数
300 地点(大都市89地点、人口10万人以上の市122地点、人口10万人未満の市64地点、町村25地点)
調査時期
2020 年 8 月 28 日~9 月 23 日

過去の調査

参考:住民基本台帳人口

(人)

基準年月1997.31999.32001.32003.32005.3
20歳以上総計97,845,74299,426,665100,649,429101,730,947102,636,961
20歳以上男性47,463,67248,219,45248,781,48549,274,80549,670,810
20歳以上女性50,382,07051,207,21351,867,94452,456,14252,966,151
基準年月2007.32009.32011.32013.32015.1
20歳以上総計103,387,474103,824,522103,973,831103,811,681103,888,078
20歳以上男性50,011,43450,196,85650,236,39750,128,14050,169,418
20歳以上女性53,376,04053,627,66653,737,43453,683,54153,718,660
基準年月2017.12019.1
20歳以上総計103,708,284103,424,756
20歳以上男性50,077,55449,933,976
20歳以上女性53,630,73053,490,780

資料:総務省統計局ウェブサイト(住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯調査数)

データの使用申請

最新の調査をはじめ、過去のスポーツライフ・データのローデータ(クロス集計結果を含む)を提供しています。

活用例

  1. 政策立案:所属自治体と全国の比較や調査設計に活用(年齢や性別、地域ごとの特徴を把握)
  2. 研究:研究の導入部分の資料や仮説を立てる際に活用(現状の把握、問題提起、仮説、序論)
  3. ビジネス:商品企画や営業の場面で活用(市場調査、データの裏付け、潜在的なニーズの発見)
テーマ

スポーツライフ・データ

キーワード
年度

2020年度

担当研究者