ジョギング・ランニング実施率の推移
過去に実施したスポーツライフ・データの集計結果を二次分析し、成人や青少年の運動・スポーツ実施率の推移を種目別にまとめています。
日本人のスポーツライフの動向を把握するデータとして広くご活用ください。
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スポーツ政策研究所を組織し、Mission&Visionの達成に向けさまざまな研究調査活動を行います。客観的な分析・研究に基づく実現性のある政策提言につなげています。
自治体・スポーツ組織・企業・教育機関等と連携し、スポーツ推進計画の策定やスポーツ振興、地域課題の解決につながる取り組みを共同で実践しています。
「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。
日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。
ジョギング・ランニング実施率の推移
過去に実施したスポーツライフ・データの集計結果を二次分析し、成人や青少年の運動・スポーツ実施率の推移を種目別にまとめています。
日本人のスポーツライフの動向を把握するデータとして広くご活用ください。
2018年の年1回以上ジョギング・ランニング実施率は9.3%であり、推計実施人口は964万人であった。ジョギング・ランニング実施率は2006年から増加を続け、2012年の9.7%をピークに減少に転じていたが、2018年は前回2016年調査から0.7ポイント増加した。性別にみると男性12.9%、女性5.8%と男性の割合が高い。1998年との比較では、男性は8.7%から4.2ポイント増加している一方で、女性は5.2%から0.6ポイント増加と大きな変化はみられない。
調査年 | 1998 | 2000 | 2002 | 2004 | 2006 | 2008 | 2010 | 2012 | 2014 | 2016 | 2018 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
全体 | 実施率(%) | 6.9 | 7.7 | 4.8 | 6.6 | 5.9 | 7.3 | 8.5 | 9.7 | 9.5 | 8.6 | 9.3 |
推計人口(万人) | 675 | 766 | 483 | 671 | 606 | 755 | 883 | 1,009 | 986 | 893 | 964 | |
男性 | 実施率(%) | 8.7 | 10.5 | 6.2 | 9.7 | 8.1 | 10.0 | 12.2 | 14.0 | 12.9 | 11.8 | 12.9 |
推計人口(万人) | 413 | 506 | 302 | 478 | 402 | 500 | 612 | 703 | 647 | 592 | 646 | |
女性 | 実施率(%) | 5.2 | 4.9 | 3.4 | 3.5 | 4.0 | 4.6 | 4.8 | 5.3 | 6.1 | 5.4 | 5.8 |
推計人口(万人) | 262 | 251 | 176 | 184 | 212 | 246 | 257 | 285 | 327 | 290 | 311 |
注)推計人口は住民基本台帳の成人人口(人)に実施率(%)を乗じて算出
笹川スポーツ財団「スポーツライフに関する調査報告書」(1998~2018)より作成
調査年 | 1998 | 2000 | 2002 | 2004 | 2006 | 2008 | 2010 | 2012 | 2014 | 2016 | 2018 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
全体 | 実施率(%) | 3.7 | 3.4 | 2.1 | 3.3 | 2.9 | 3.4 | 4.2 | 5.5 | 5.3 | 4.5 | 5.3 |
推計人口(万人) | 362 | 338 | 211 | 336 | 298 | 352 | 436 | 572 | 550 | 467 | 550 | |
男性 | 実施率(%) | 4.4 | 5.6 | 3.2 | 5.2 | 3.9 | 4.9 | 6.5 | 8.3 | 7.4 | 6.3 | 7.8 |
推計人口(万人) | 209 | 270 | 156 | 256 | 194 | 245 | 326 | 417 | 371 | 316 | 391 | |
女性 | 実施率(%) | 3.0 | 1.2 | 1.1 | 1.4 | 2.0 | 2.0 | 2.0 | 2.7 | 3.2 | 2.7 | 2.8 |
推計人口(万人) | 151 | 61 | 57 | 73 | 106 | 107 | 107 | 145 | 172 | 145 | 150 |
注)推計人口は住民基本台帳の成人人口(人)に実施率(%)を乗じて算出
笹川スポーツ財団「スポーツライフに関する調査報告書」(1998~2018)より作成
調査年 | 1998 | 2000 | 2002 | 2004 | 2006 | 2008 | 2010 | 2012 | 2014 | 2016 | 2018 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
全体 | 実施率(%) | 2.5 | 2.6 | 1.4 | 2.1 | 2.1 | 2.4 | 2.9 | 3.7 | 3.6 | 3.5 | 3.6 |
推計人口(万人) | 245 | 259 | 141 | 214 | 216 | 248 | 301 | 385 | 374 | 364 | 373 | |
男性 | 実施率(%) | 3.0 | 4.5 | 1.9 | 3.6 | 2.8 | 3.3 | 4.4 | 6.0 | 5.1 | 4.9 | 5.4 |
推計人口(万人) | 142 | 217 | 93 | 177 | 139 | 165 | 221 | 301 | 256 | 246 | 270 | |
女性 | 実施率(%) | 2.0 | 0.7 | 0.9 | 0.8 | 1.4 | 1.5 | 1.4 | 1.5 | 2.2 | 2.1 | 1.8 |
推計人口(万人) | 101 | 36 | 47 | 42 | 74 | 80 | 75 | 81 | 118 | 113 | 97 |
注)推計人口は住民基本台帳の成人人口(人)に実施率(%)を乗じて算出
笹川スポーツ財団「スポーツライフに関する調査報告書」(1998~2018)より作成
基準年月 | 1997.3 | 1999.3 | 2001.3 | 2003.3 | 2005.3 |
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20歳以上総計 | 97,845,742 | 99,426,665 | 100,649,429 | 101,730,947 | 102,636,961 |
20歳以上男性 | 47,463,672 | 48,219,452 | 48,781,485 | 49,274,805 | 49,670,810 |
20歳以上女性 | 50,382,070 | 51,207,213 | 51,867,944 | 52,456,142 | 52,966,151 |
基準年月 | 2007.3 | 2009.3 | 2011.3 | 2013.3 | 2015.1 |
20歳以上総計 | 103,387,474 | 103,824,522 | 103,973,831 | 103,811,681 | 103,888,078 |
20歳以上男性 | 50,011,434 | 50,196,856 | 50,236,397 | 50,128,140 | 50,169,418 |
20歳以上女性 | 53,376,040 | 53,627,666 | 53,737,434 | 53,683,541 | 53,718,660 |
基準年月 | 2017.1 | ||||
20歳以上総計 | 103,708,284 | ||||
20歳以上男性 | 50,077,554 | ||||
20歳以上女性 | 53,630,730 |
資料:総務省統計局ウェブサイト(住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯調査数)
2018年の年1回以上ジョギング・ランニング実施率は20歳代と30歳代が最も高く、15.2%であった。次いで40歳代と50歳代が9.4%、60歳代5.1%、70歳以上2.8%であった。20歳代は2004年以降増加を続け2014年に19.6%に達した後に減少したが、過去20年間の傾向として増加している。同様に、30歳代も2002年以降増加し2018年は過去最高の15.2%となり、20歳代に追いつく高い実施率である。
(%)
注)年1回以上は週1回以上、週2回以上も含む
笹川スポーツ財団「スポーツライフに関する調査報告書」(1998~2018)より作成
(%)
注)週1回以上は週2回以上も含む
笹川スポーツ財団「スポーツライフに関する調査報告書」(1998~2018)より作成
(%)
笹川スポーツ財団「スポーツライフに関する調査報告書」(1998~2018)より作成
東京マラソンが開始された2007年以降のジョギング・ランニング実施率を都市規模別に算出した。2018年は東京都区部が13.4%と最も高く、20大都市10.7%、人口10万人未満の市9.7%、人口10万人以上の市8.3%、町村6.0%が続く。人口規模が大きいほど実施率が高い傾向がある。経年変化をみると、東京都区部は2010年12.3%から2012年17.8%へ5.3ポイント増加した後に減少し、近年は2008年の実施率と大きく変わらない。また、他の都市規模も2008年以降、実施率の大きな増減はみられない。
参考:住民基本台帳人口表
2018年の年1回以上ジョギング・ランニング実施率は9.3%であり、推計実施人口は964万人であった。ジョギング・ランニング実施率は1998年の6.9%から増減を繰り返した後に緩やかな増加を続け、最も高い2012年の9.7%から減少していたが、2018年は前回2016年調査から0.7ポイント増加した。ジョギング・ランニング実施率の増加は主に男性、20~30歳代(特に女性20歳代と男性30歳代)が牽引しており、それ以外の者は明確な増加傾向はみられない。また、都市規模別では東京都区部に住む者のジョギング・ランニング実施率が13.4%と最も高く、人口規模が大きい地域ほど実施率が高い傾向が明らかとなった。ただ、東京都区部の実施率は2012年の17.8%と比較すると2014年以降は減少し、10~14%の間で推移している。
男性や20~30歳代、東京都区部に住む者のジョギング・ランニング実施率が増加してきた背景には、2007年の東京マラソン開始を契機としたジョギング・ランニングブームがあると考えられる。2018年のジョギング・ランニング実施率は2012年頃のピークと比較するとわずかに低い水準だが、東京マラソン開始前の2006年と比較すると増加している。ジョギング・ランニング人気の低下というよりは、ブームによる急激な実施率の増加がやや落ち着いた状況であると推察される。今後も実施率を維持していくには、ブームをきっかけにジョギング・ランニングを始めた者が継続しやすいコースやステーションといった環境整備、忙しさ等を理由に離脱した者が再開しやすいよう短時間で走る実施スタイルの発信等の取り組みが求められる。
【笹川スポーツ財団 スポーツ政策研究所 研究員 藤岡 成美 】
最新の調査をはじめ、過去のスポーツライフ・データのローデータ(クロス集計結果を含む)を提供しています。
活用例
スポーツライフ・データ
2018年度