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「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

子どものスポーツライフ・データ2010

当財団が2001年から4年ごとに実施している「10代のスポーツライフに関する調査」で「スポーツ実施の二極化」を明らかにし、それが「体力低下」「運動能力低下」を招いていると考えました。では、二極化はいつの年齢から始まっているのか。その検証を主眼に、わが国初の「4~9歳のスポーツライフに関する調査」を実施しました。最新の結果の中からポイントをご紹介します。

調査結果

1. 4~9歳の運動・スポーツ実施の現状

本調査では10代の調査と同様に、4~9歳の運動・スポーツ活動を「幼稚園や保育園・学校の休み時間の活動・部活動は含めるが、園や学校の授業は行事のマラソン大会などは含めない」と定義し、スポーツのみならず、広く「運動・スポーツ」活動としてたずねています。
わが国の4~9歳は、どれくらい運動・スポーツを行っているのでしょうか。過去1年間の運動・スポーツの実施頻度(回数)をまとめたものが図1です。
全体の3分の1以上の子どもが週7回以上の運動・スポーツを実施しており、活発な運動・スポーツの実態が明らかになりました。一方、まったく実施しなかった子どもは5.3%とおよそ20人に1人となっています。
次に、過去1年間に1回以上行った運動・スポーツ種目をまとめたものが表1です。
1位「おにごっこ」、同率2位に「かくれんぼ」「なわとび」、4位「水泳(スイミング)」、5位「かけっこ」といわゆる運動あそびが上位を占めました。スポーツ種目に限ると、上位10種目に入ったのは、7位「サッカー」と10位「野球」のみでした。

図1

【図1】運動・スポーツ実施頻度(n-1,196)

資料:笹川スポーツ財団「4~9歳のスポーツライフに関する調査」2010

【表1】過去1年間に1回以上行った運動・スポーツ種目(複数回答)

(%)

順位 種目(n=1,196)
1 おにごっこ 61.0
2 かくれんぼ 49.4
なわとび 49.4
4 水泳(スイミング) 44.7
5 かけっこ 42.7
6 ドッジボール 37.9
7 サッカー 36.4
8 海水浴 26.5
9 キャッチボール 22.5
10 野球 20.1
11 体操(軽い体操・ラジオ体操など) 18.9
12 バドミントン 17.2
13 サイクリング 16.1
14 木登り 15.6
15 竹馬 14.9
16 釣り 14.7
17 一輪車 14.2
18 そり 12.8
19 ボウリング 12.7
20 キックボード 11.5

資料:笹川スポーツ財団「4~9歳のスポーツライフに関する調査」2010

2. スポーツ実施の二極化は「8歳、中学進学、高校進学」がターニングポイント

年齢ごとに運動・スポーツ実施頻度をみると、未就学児においては男女で大きな差はなく、高頻度群に注目すると、4歳~7歳までは男子よりも女子のほうが高い値を示しました(表2)。
一方、8歳以上になると女子よりも男子の高頻度群の割合が高くなり、その傾向は18歳まで続きます。8歳という年齢は、小学校の2・3年生にあたる年齢であり、特に運動・スポーツ実施とジェンダーの関わりが強固にみられるターニングポイントである可能性が示唆されました。
また、11歳→12歳の非実施群(男子1.0%→5.3%、女子6.3%→11.8%)や、15歳→16歳の非実施群(男子6.5%→13.9%、女子15.5%→33.3%)、高頻度群(男子55.6%→43.5%、女子40.2%→19.0%)がターニングポイントとなっています。特に15歳→16歳における女子の運動・スポーツ離れが顕著です。

身体的な性別とは異なる、社会的・文化的な性のありよう

【表2】4~19歳の運動・スポーツ実施頻度群(年齢×性別)

(%)

男子 非実施群 低頻度群 中頻度群 高頻度群
4歳
(n=65)
16.9 23.1 23.1 36.9
5歳
(n=93)
4.3 20.4 43.0 32.3
6歳
(n=97)
4.1 29.9 34.0 32.0
7歳
(n=100)
1.0 20.0 47.0 32.0
8歳
(n=100)
1.0 25.0 40.0 34.0
9歳
(n=166)
2.4 18.7 40.4 38.6
10歳
(n=68)
0.0 20.6 36.8 42.6
11歳
(n=102)
1.0 17.6 42.2 39.2
12歳
(n=95)
5.3 9.5 36.8 48.4
13歳
(n=100)
3.0 7.0 31.0 59.0
14歳
(n=118)
4.2 5.9 39.0 50.8
15歳
(n=108)
6.5 12.0 25.9 55.6
16歳
(n=108)
13.9 13.9 28.7 43.5
17歳
(n=110)
19.1 18.2 30.0 32.7
18歳
(n=89)
16.9 31.5 28.1 23.6
19歳
(n=107)
18.6 46.1 21.6 13.7

(%)

女子 非実施群 低頻度群 中頻度群 高頻度群
4歳
(n=70)
11.4 28.6 21.4 38.6
5歳
(n=76)
6.6 21.1 28.9 43.4
6歳
(n=68)
4.4 26.5 33.8 35.3
7歳
(n=91)
7.7 28.6 30.8 33.0
8歳
(n=107)
6.5 28.0 37.4 28.0
9歳
(n=163)
4.9 27.0 42.3 25.8
10歳
(n=69)
2.9 30.4 40.6 26.1
11歳
(n=112)
6.3 31.3 35.7 26.8
12歳
(n=110)
11.8 21.8 27.3 39.1
13歳
(n=97)
14.4 15.5 30.9 39.2
14歳
(n=100)
16.0 16.0 36.0 32.0
15歳
(n=97)
15.5 17.5 26.8 40.2
16歳
(n=105)
33.3 25.7 21.9 19.0
17歳
(n=98)
34.7 19.4 27.6 18.4
18歳
(n=93)
35.5 22.6 25.8 16.1
19歳
(n=108)
24.1 40.7 22.2 13.0

資料:笹川スポーツ財団「4~9歳のスポーツライフに関する調査」2010

3. 兄弟姉妹の有無と運動・スポーツ実施頻度の関係

兄弟姉妹の有無別に子どもの運動・スポーツ実施状況をみると、非実施群では、ひとりっ子9.5%、兄弟姉妹がいる者4.5%とひとりっ子の方が5.0ポイント高くなっています(図2)。一方、中・高頻度群については、ひとりっ子では59.2%、兄弟姉妹がいる者72.2%と13.0ポイントの差があり、兄弟姉妹がいる方が子どもの運動・スポーツ実施頻度は高いことが明らかになりました。
また、兄弟姉妹がいると回答した者を対象として、兄弟姉妹の中でひとりでも運動・スポーツを実施している場合と、全員が非実施の場合の子どもの運動・スポーツ実施状況をみたものが図3です。中・高頻度群については、兄弟姉妹非実施群では63.3%であるのに対し、兄弟姉妹の誰かひとりでも運動・スポーツを実施している群では74.1%となっています。兄弟姉妹がいる場合、そのうち誰かひとりでも運動・スポーツを実施しているならば、子どもの運動・スポーツ実施頻度が高いことがわかりました。

【図2】兄弟姉妹の有無と運動・スポーツ実施頻度群

資料:笹川スポーツ財団「4~9歳のスポーツライフに関する調査」2010

【図3】兄弟姉妹の運動・スポーツ実施と運動・スポーツ実施頻度群

資料:笹川スポーツ財団「4~9歳のスポーツライフに関する調査」2010


『子どものスポーツライフ・データ2010』

仕様
A4判/120ページ
価格
2,000円+消費税
発行
2010年1月
データの使用申請

最新の調査をはじめ、過去のスポーツライフ・データのローデータ(クロス集計結果を含む)を提供しています。

活用例

  1. 政策立案:所属自治体と全国の比較や調査設計に活用(年齢や性別、地域ごとの特徴を把握)
  2. 研究:研究の導入部分の資料や仮説を立てる際に活用(現状の把握、問題提起、仮説、序論)
  3. ビジネス:商品企画や営業の場面で活用(市場調査、データの裏付け、潜在的なニーズの発見)
テーマ

スポーツライフ・データ

キーワード
年度

2010年度

担当研究者