笹川スポーツ財団では、2023年6月から7月にかけて「子ども・青少年のスポーツライフ・データ(4~21歳のスポーツライフに関する調査)」を実施しました。4~11歳(未就学児、小学生)のブレイキンなどのヒップホップダンス人口(実施人口)は57万人、男子10万人、女子48万人、10代(小中高生、大学生など)のブレイキンなどのヒップホップダンス人口(実施人口)は63万人、男子12万人、女子52万人となりました。いずれの調査年度においても女子が男子を上回っています。
この「子ども・青少年のスポーツライフ・データ」の中から、4~11歳/10代のヒップホップダンス人口(実施人口)・実施率の推移を解説します。
4~11歳(未就学児、小学生)のヒップホップダンス人口・実施率の推移
1.年1回以上の「ヒップホップダンス」実施率の推移(2013~2023年):全体・性別(4~11歳)
2023年の年1回以上の実施率は全体7.0%、男子2.3%、女子12.2%であった。調査項目に追加された2013年と比べると全体と女子は増加傾向、男子は横ばいであった。実施率の推移をみると全体では2017年以降増加傾向であり、2023年までに2.6ポイント上がった。女子は全体と同様の傾向を示し、2023年の実施率は2017年の6.3%から約2倍まで増加した。一方、男子は過去10年間で大きな変化はみられず、2015年以降2%台で推移している。いずれの調査年度においても女子の実施率が男子を上回り、ヒップホップダンスは女子に人気の種目といえるだろう。
2023年の4~11歳(未就学児、小学生)のヒップホップダンスの推計人口は57万人であり、2013年の42万人から15万人増加した。2023年の推計人口を性別にみると、男子は10万人と2013年の8万人からほとんど変化はみられないが、女子は2013年の35万人から10万人以上増え48万人となった。
2.年1回以上の「ヒップホップダンス」実施率の推移(2013~2023年):年代別(4~11歳)
年代別の実施率をみると、2023年は小学5・6年(10,11歳)8.2%が最も高く、小学3・4年(8,9歳)7.0%、未就学児(4,5歳)、小学1・2年(6,7歳)が6.0%で続いた。実施率を年代別にみると2017年以降はいずれも増加傾向を示し、なかでも小学5・6年の実施率はほかの年代に比べて高い傾向を示した。実施率の変化は特に未就学児で大きく、2015年の1.2%から4.8ポイント増加しほかの年代よりも伸び幅が大きかった。
年1回以上の実施率を性別・年代別にみると、2023年の男子では小学5・6年の3.2%が最も高く、未就学児が2.9%で続く。女子は小学5・6年が13.9%、小学3・4年が13.7%、小学1・2年が10.0%、未就学児が9.2%と学年が上がるにつれて実施率が高くなる。男子の実施率を年代別にみると、調査年度によるばらつきはあるが大きな増減はみられない。一方女子は、すべての年代で2017年以降実施率は増加しており、特に未就学児は2023年に、小学1・2年は2021年に実施率を大きく伸ばし10%程度となった。ヒップホップダンスの実施率増加には女子の伸びが影響していると考えられる。
3.週1回以上の「ヒップホップダンス」実施率の推移(2013~2023年):全体・性別(4~11歳)
全体の週1回以上の実施率は、2013年以降増加傾向にあり2023年は4.1%であった。特に女子の実施率が増加しており、2015年の3.7%から4.0ポイント増加し2023年は7.7%であった。一方男子は2013年から1%前後で推移し大きな変化はみられない。年1回以上と同様に実施率は女子が男子を上回り、2019年以降はその差が大きくなっている。
10代(小中高生、大学生など)のヒップホップダンス人口・実施率の推移
4.年1回以上の「ヒップホップダンス」実施率の推移(2013~2023年):全体・性別(10~19歳)
2023年の年1回以上の実施率は全体5.8%、男子2.2%、女子9.8%であった。調査項目に追加された2013年と比べると全体と女子は微増傾向、男子は横ばいであった。実施率の推移をみると、全体では2017年に一時的に数値は下がったが、10年間の推移でみると横ばいからゆるやかな増加傾向を示した。女子は2013年の8.4%から10年間で1.5ポイント程度増加し、2021年、2023年は約10%の実施率を示した一方、男子には大きな変化はみられなかった。いずれの調査年度においても女子の実施率は男子を上回り、全体の実施率の変化は女子の影響が大きいと考えられる。
2023年の10代(小中高生、大学生など)のヒップホップダンスの推計人口は63万人であり、2013年の61万人からほとんど変化はなかった。2023年の推計人口を性別にみると、男子は12万人であり2013年の13万人から変化はみられないが、女子は2013年の49万人から52万人へ微増した。
5.年1回以上の「ヒップホップダンス」実施率の推移(2013~2023年):年代別(10~19歳)
年代別の実施率をみると、2023年は小学5・6年(10,11歳)8.2%が最も高く、中学生年代(12~14歳)、大学生年代(18,19歳)が5.0%、高校生年代(15~17歳)が4.6%で続く。小学5・6年は2017年の4.9%から右肩上がりに実施率は推移し、2023年までに3.3ポイント増加した。一方、中学生年代から大学生年代はゆるやかな増加傾向が確認できるものの、小学5・6年ほどの伸びはみられない。ヒップホップダンスの実施率増加の背景には小学5・6年の変化が影響していると考えられる。
年1回以上の実施率を性別・年代別にみると、2023年の男子では小学5・6年(10,11歳)の3.2%が最も高く、中学生年代が2.3%で続く。女子は小学5・6年が13.9%、大学生年代が8.7%、高校生年代8.0%、中学生年代7.8%の順であった。男女ともに過去10年間は小学5・6年の実施率がほかの年代よりも高い傾向が確認でき、実施率はすべての調査年度、年代において女子が男子を上回る。2013年から実施率の推移をみると、男子では大きな変化はみられないが、女子では小学5・6年、大学生年代で増加の傾向が確認できる。
6.週1回以上の「ヒップホップダンス」実施率の推移(2013~2023年):全体・性別(10~19歳)
全体の週1回以上の実施率は、2015年以降増加傾向にあり2023年は3.5%であった。特に女子の実施率は増加しており、2015年の3.5%から2.5ポイント増加し2023年は6.0%であった。一方男子は2013年から1%前後で推移し大きな変化はみられない。女子の実施率増加に伴い、2015年以降週1回以上の実施率は男女差が広がりつつある。
調査目的:本調査はわが国の子どもや青少年(4~21歳)の運動・スポーツ活動の実態を総合的に把握し、スポーツ・フォー・エブリワンの推進に役立つ基礎資料とすることを目的としている。
データの使用申請
最新の調査をはじめ、過去のスポーツライフ・データのローデータ(クロス集計結果を含む)を提供しています。
活用例
- 政策立案:所属自治体と全国の比較や調査設計に活用(年齢や性別、地域ごとの特徴を把握)
- 研究:研究の導入部分の資料や仮説を立てる際に活用(現状の把握、問題提起、仮説、序論)
- ビジネス:商品企画や営業の場面で活用(市場調査、データの裏付け、潜在的なニーズの発見)