笹川スポーツ財団では、2023年6月から7月にかけて「子ども・青少年のスポーツライフ・データ(4~21歳のスポーツライフに関する調査)」を実施しました。10代の野球人口(実施人口)は174万人、男子148万人、女子25万人となりました。
この「子ども・青少年のスポーツライフ・データ」の中から、野球人口(実施人口)・実施率の推移を解説します。
© 2020 SASAKAWA SPORTS FOUNDATION
スポーツ政策研究所を組織し、Mission&Visionの達成に向けさまざまな研究調査活動を行います。客観的な分析・研究に基づく実現性のある政策提言につなげています。
自治体・スポーツ組織・企業・教育機関等と連携し、スポーツ推進計画の策定やスポーツ振興、地域課題の解決につながる取り組みを共同で実践しています。
「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。
日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。
笹川スポーツ財団では、2023年6月から7月にかけて「子ども・青少年のスポーツライフ・データ(4~21歳のスポーツライフに関する調査)」を実施しました。10代の野球人口(実施人口)は174万人、男子148万人、女子25万人となりました。
この「子ども・青少年のスポーツライフ・データ」の中から、野球人口(実施人口)・実施率の推移を解説します。
2023年の年1回以上の実施率は全体15.9%、男子26.4%、女子4.6%であった。調査開始の2001年と比較すると全体は4.6ポイント減(20.5%→15.9%)、男子は11.3ポイント減(37.7%→26.4%)、女子は2.2ポイント増(2.4%→4.6%)となる。10代の年1回以上の実施率は減少傾向にあり、特に男子の減少幅が大きく女子は横ばいで推移している。2023年の実施率は2021年から全体、男女で増加し、男子では5.0ポイント増と過去2回の調査を比べると高い値を示した。
2001 | 2005 | 2009 | 2011 | 2013 | 2015 | 2017 | 2019 | 2021 | 2023 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
全体 | 実施率(%) | 20.5 | 20.9 | 22.3 | 17.5 | 18.7 | 16.4 | 16.4 | 13.0 | 12.3 | 15.9 |
推計人口(万人) | 282 | 269 | 271 | 210 | 223 | 194 | 190 | 148 | 137 | 174 | |
男子 | 実施率(%) | 37.7 | 38.7 | 39.3 | 32.3 | 32.7 | 29.4 | 28.5 | 22.8 | 21.4 | 26.4 |
推計人口(万人) | 265 | 255 | 244 | 198 | 200 | 178 | 169 | 133 | 122 | 148 | |
女子 | 実施率(%) | 2.4 | 3.4 | 5.2 | 2.6 | 3.4 | 3.2 | 3.0 | 2.3 | 3.0 | 4.6 |
推計人口(万人) | 16 | 21 | 31 | 15 | 20 | 18 | 17 | 13 | 16 | 25 |
注1)推計人口は住民基本台帳の10代人口(人)に実施率(%)を乗じて算出
注2)推計値を算出する際に端数が発生するため、全体の人口と男子・女子を合計した人口は必ずしも一致しない
笹川スポーツ財団「子ども・青少年のスポーツライフに関する調査報告書」(2001~2023)より作成
2023年の10代の野球の推計人口は174万人であり、2001年の282万人から約100万人減となった。男子は2001年の265万人から2023年は148万人と100万人以上減少し、女子は2001年の16万人から2023年は25万人に微増した。10代の野球人口の減少は主に男子の推計人口の減少が影響したと考えられる。
年代別の実施率をみると、2023年の実施率は小学生年代(10,11歳)22.3%、中学生年代(12~14歳)18.1%であり、高校生年代(15~17歳)、大学生年代(18,19歳)の実施率よりも高い。小学生年代の実施率は2021年から7.7ポイント(14.6%→22.3%)、中学生年代は3.8ポイント(14.3%→18.1%)増えたが、高校生年代、大学生年代の実施率にほとんど変化はみられなかった。野球の年1回以上の実施率増加は中学生年代以下の変化が影響したと推察できる。
2001 | 2005 | 2009 | 2011 | 2013 | 2015 | 2017 | 2019 | 2021 | 2023 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
全体 | 小学生年代(10,11歳) | 26.1 | 33.6 | 34.8 | 20.8 | 26.6 | 22.8 | 19.1 | 15.8 | 14.6 | 22.3 |
中学生年代(12~14歳) | 27.9 | 22.7 | 27.6 | 20.4 | 20.6 | 20.7 | 19.0 | 14.4 | 14.3 | 18.1 | |
高校生年代(15~17歳) | 15.8 | 15.4 | 14.1 | 15.9 | 17.2 | 13.9 | 12.2 | 11.7 | 10.1 | 10.8 | |
大学生年代(18,19歳) | 12.6 | 12.6 | 16.1 | 14.1 | 10.8 | 10.2 | 13.7 | 8.2 | 9.4 | 9.9 | |
男子 | 小学生年代(10,11歳) | 44.8 | 59.0 | 58.2 | 36.1 | 42.7 | 40.5 | 32.9 | 26.1 | 24.4 | 34.4 |
中学生年代(12~14歳) | 52.7 | 43.1 | 49.2 | 38.6 | 36.8 | 32.8 | 32.1 | 25.2 | 24.6 | 31.8 | |
高校生年代(15~17歳) | 30.3 | 29.7 | 25.2 | 29.8 | 30.5 | 25.8 | 22.1 | 21.8 | 19.0 | 19.5 | |
大学生年代(18,19歳) | 22.3 | 22.4 | 30.4 | 26.0 | 19.2 | 21.5 | 23.3 | 14.9 | 15.8 | 15.4 | |
女子 | 小学生年代(10,11歳) | 8.2 | 5.8 | 12.7 | 3.4 | 7.2 | 6.0 | 3.7 | 5.1 | 3.9 | 8.5 |
中学生年代(12~14歳) | 1.6 | 4.0 | 5.5 | 3.6 | 2.5 | 5.3 | 2.7 | 1.7 | 3.6 | 3.4 | |
高校生年代(15~17歳) | 0.4 | 1.7 | 2.0 | 1.3 | 2.9 | 1.5 | 2.1 | 0.8 | 1.5 | 2.7 | |
大学生年代(18,19歳) | 1.6 | 2.6 | 2.5 | 2.6 | 2.2 | 1.3 | 3.5 | 0.7 | 3.0 | 3.2 |
笹川スポーツ財団「子ども・青少年のスポーツライフに関する調査報告書」(2001~2023)より作成
性・年代別の実施率をみると、男子の2001~2009年では小学生年代、中学生年代ともに実施率が50%前後を示しており、約2人に1人が年1回以上野球を実施していた。2021年では両年代とも実施率は24%台であり約4人に1人まで減少したが、2023年は実施率が回復し男子の小学生年代では10ポイント増の34.4%、中学生年代では7.2ポイント増の31.8%であった。女子の実施率は調査年度による違いはあるものの、概ね小学生年代の実施率が高く、高校生年代の実施率が低い傾向にある。小学生年代では2021年から2023年にかけて実施率が4.6ポイント増加し8.5%であった。
全体の週1回以上の実施率は、2009年の11.8%をピークに2023年は7.4%まで減少した。男子も同様の推移を示し、2023年の実施率は2009年の22.3%から8.4ポイント減り13.9%であった。女子の週1回以上の実施率は0.5%前後の横ばいで推移している。
2001 | 2005 | 2009 | 2011 | 2013 | 2015 | 2017 | 2019 | 2021 | 2023 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
全体 | 実施率(%) | 8.5 | 9.9 | 11.8 | 8.3 | 8.4 | 7.5 | 9.6 | 7.7 | 6.0 | 7.4 |
推計人口(万人) | 117 | 127 | 143 | 100 | 100 | 89 | 111 | 88 | 67 | 81 | |
男子 | 実施率(%) | 16.2 | 19.6 | 22.3 | 16.0 | 15.7 | 14.4 | 17.7 | 14.3 | 11.5 | 13.9 |
推計人口(万人) | 114 | 129 | 139 | 98 | 96 | 87 | 105 | 83 | 66 | 78 | |
女子 | 実施率(%) | 0.3 | 0.4 | 1.1 | 0.5 | 0.5 | 0.6 | 0.6 | 0.3 | 0.3 | 0.5 |
推計人口(万人) | 2 | 3 | 7 | 3 | 3 | 3 | 3 | 2 | 2 | 3 |
注1)推計人口は住民基本台帳の10代人口(人)に実施率(%)を乗じて算出
注2)推計値を算出する際に端数が発生するため、全体の人口と男子・女子を合計した人口は必ずしも一致しない
笹川スポーツ財団「子ども・青少年のスポーツライフに関する調査報告書」(2001~2021)より作成
最新の調査をはじめ、過去のスポーツライフ・データのローデータ(クロス集計結果を含む)を提供しています。
活用例
スポーツライフ・データ
2023年度