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「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

中央競技団体現況調査2018

中央競技団体現況調査2018
調査時期
2019年1月~2月
調査対象
(公財)日本オリンピック委員会、(公財)日本スポーツ協会、(特非)日本ワールドゲームズ協会に加盟、準加盟している中央競技団体89団体
調査方法
郵送法による質問紙調査
調査メンバー

【共同研究者】

  • 武藤 泰明(早稲田大学スポーツ科学学術院 教授)
  • 三浦 一輝(常葉大学法学部 准教授)

【笹川スポーツ財団 スポーツ政策研究所】

  • 政策ディレクター 吉田 智彦
  • 政策ディレクター 藤原 直幸
発行
2019年3月

POINT

1. 役職員・および評議員

  • <男女比>男性役員 1,200 人、女性役員 187 人で役員の 9 割弱が依然男性
  • <理事>全役職員および評議員(3,652 人)に対し、非常勤理事(1,119 人)の割合が高い
  • 「女性役員が存在しない団体」の割合は前回調査時の3分の2未満に減少しており、男女比の偏りに解消傾向が見られた。

2. 収入規模

  • 対象団体数は2016年調査時62から2018年71に増え、総収入合計は約171億円(29.0%)増加。

3. 職員の採用状況(中途)

  • 2018年度に職員の採用活動を行ったと回答した団体は39あり、うち中途採用を行ったのは27団体。
  • それら27団体の、採用活動を行った理由は「退職などによる欠員があったため」が、求人募集の方法は「縁故・知人の紹介」が最多。
  • 中途採用された者の雇用形態は「正規」が49人、「契約/嘱託」が28人。

政策ディレクターコメント

 オリンピック開催が来年に迫るなか、スポーツ団体におけるビジネス領域が拡大する可能性を秘めていることや、中央競技団体への強化費の削減が想定されるため一層の自立運営が望まれることなどから、スポーツ団体の持続的な経営を見据えた経営力強化が求められている。それを支える資源は他ならぬ人材と財源となる。スポーツ庁では、その実現に向けた経営人材の育成を図る事業が展開され、中央競技団体においても副業・兼業などの制度により人材流入を図る取り組みが進められている。

 人材に関しては、職員等の人数を2016年度と比較すると40人程度の増加に留まっているが、過去2年度の新卒・中途採用により毎年90人規模での採用実績が確認できたことから、人材の流動性が認められる。また、このうち両年度とも約9割が職務経験のある中途採用であるため、団体の課題にいち早く対応できる即戦力を採用していることもわかる。

 予算調査の結果を見ると、過去5回の調査で最大の761億円の総収入を示した。予算ベースではあるものの、前回調査から約171億円の大幅な増加が確認された。ただし、各競技団体が総じて予算規模が大きくなっている一方で、特にこの現象を引き起こしているのは予算規模が10億円以上の17団体であることが実態である。本調査を通じ、財務状況の全体的な傾向や規模別の特徴の明示が可能になるため、将来的な経営力強化へ向けた施策を検討する基礎資料としての活用を期待したい。

笹川スポーツ財団 スポーツ政策研究所 政策ディレクター 吉田 智彦

表1 中央競技団体の収入に関する基本統計量
  2018年度 2016年度 2014年度 2012年度
総収入合計 761億4,700万円 590億4,200万円 498億3,100万円 474億7,200万円
最大値を除いた場合の総収入合計 527億4,400万円 - - -
平均値 10億7,200万円 9億5,200万円 7億5,500万円 6億6,800万円
平均値の成長率 12.61% 26.09% 13.02% -
最大値を除いた場合の平均値 7億5,300万円 6億3,300万円 4億8,300万円 4億3,600万円
最小値 1,400万円 1,500万円 200万円 400万円
第1四分位 1億6,600万円 1億3,900万円 7,000万円 4,200万円
中央値(第2四分位) 3億3,500万円 3億5,300万円 2億7,900万円 2億5,600万円
第3四分位 8億8,700万円 7億9,500万円 6億1,400万円 5億4,900万円
最大値 234億200万円 203億7,400万円 183億7,200万円 169億4,500万円
競技団体数 71 62 66 71

収入規模と分布

表1には、中央競技団体の総収入に関する基本統計量を示している。
71 団体の総収入の合計は761 億4,700 万円、平均値は10 億7,200 万円、中央値は3 億3,500 万円である。最大値の団体を除いた場合の平均値は7 億5,300 万円となる。総収入の最大値は約234 億200 万円と突出した規模になっており、平均値を大きく引き上げていることがわかる。
また、総収入の最小値は、1,400 万円である。
過去の調査結果と並べると、分析対象団体が同一でない点に留意が必要であるものの、対象団体数が2012 年度の71、2014 年度の66、2016 年度の62 へと減少する中におい ても総収入合計は増加傾向を維持している( 平均値も同様)。今年度調査は、2012 年度調査以来の最多団体数となったこともあり、総収入の合計は約171 億円(29.0%)の大幅な増加となった。総収入の平均値では約1.2 億円の増加があり、平均値の成長率は12.6%を示した。


報告書

全文(PDF:2.46MB)

目次
テーマ

スポーツ・ガバナンス

キーワード
年度

2018年度

発行者

公益財団法人 笹川スポーツ財団

担当研究者
共同研究者
  • 武藤 泰明 早稲田大学
    スポーツ科学学術院 教授
  • 三浦 一輝 常葉大学
    法学部 准教授