笹川スポーツ研究助成は、2011年度より人文・社会科学領域の研究を支援することを目的として始まりました。「スポーツ政策に関する研究」「スポーツとまちづくりに関する研究」「子ども・青少年スポーツの振興に関する研究」の3テーマに関わる研究を毎年募集し、今年度の助成で8回目となりました。
学術研究に関わる助成制度としては、日本学術振興会の科学研究費助成などがありますが、民間団体等による研究助成は自然科学領域の研究を対象とするものが多いのが現状です。笹川スポーツ研究助成は数少ない「スポーツの人文・社会科学領域」の助成制度であり、ぜひ多くの研究者や政策担当者、スポーツ団体、ジャーナリスト、スポーツ振興関係者の皆様に活用していただきたいと思っております。
2017年度笹川スポーツ研究助成では、初めて「優秀研究賞」を設け、6名が受賞しました。「研究奨励の会」の研究発表会では、受賞者による発表が行われ、スポーツイベントとまちづくり、中央競技団体における統合・インクルージョン(健常者・障害者)、スポーツ実践と高齢夫婦の精神的健康の関連などについて、大変示唆に富んだ内容が報告されました。今後のスポーツ振興を考える上で、スポーツに関わる多くの方々にとって参考になる発表であったと思います。
受賞した研究を含め、2017年度の採択研究の結果は全て、「研究成果報告書」としてまとめられています。しかし、報告書を読む人の数は限られています。そこで、これまでのすべての採択研究者の皆様には、研究成果の国内外での発表、学会誌・研究誌への積極的な投稿をお願いしたいと思います。研究活動で得た知見が研究者や政策担当者、ジャーナリスト、そして、ステークホルダーの目に触れ、議論が生まれることによって初めて、社会貢献に繋がるからです。
2018年度笹川スポーツ研究助成の募集では、235件の申請に対して47件の採択が決定しました。おめでとうございます。皆様の今後の研究活動により、これからのスポーツ政策やスポーツ振興に寄与する研究成果が得られることを大いに願っております。