笹川スポーツ研究助成は2011年度より、優れた人文・社会科学領域の研究を支援するために始まり、「スポーツ政策」「スポーツとまちづくり」「子ども・青少年スポーツの振興」の3テーマに関する研究を毎年募集してきました。
2016年度は、162名からの申請を受付け、うち一般研究が93名、39歳以下を対象とした奨励研究が69名でした。申請された研究については、3つのテーマごとに複数の選考部会委員が、「①研究課題の的確性」「②研究計画の明瞭性」「③研究方法の妥当性」「④研究内容の独創性」「⑤研究成果の波及効果」の5つの観点から厳正なる評価を行いました。そして、選考部会による評価結果を選考委員会に諮り、「一般研究」19件、「奨励研究」18件、計37件の採択研究が決定しました。
今年度申請された研究には、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の決定を受けまして、オリンピックムーブメントに関する歴史的研究をはじめ、一流指導者のキャリア形成過程、スポーツスタジアムの来訪促進要因、学校運動部活動の人間関係など、時代のニーズを反映した多様なテーマが見られました。
最後に、採択研究者の皆様にお願いがあります。皆様が時間とエネルギーを費やし、情熱を込めた研究成果に触れる方々の数は、極めて限られております。是非、研究成果を国内外で発表し、学会誌へ積極的に投稿してください。研究活動で得た知見は、スポーツ分野の研究者や政策担当者、メディア関係者などの目に触れ、問題意識や議論が生まれることにより初めて社会貢献につながるからです。皆様の今後の研究活動により、これからのスポーツ政策やスポーツ振興に寄与する研究成果が得られることを心より願っております。