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「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

障害児・者のスポーツの日常化に向けて、既存施設のネットワーク化構築を

障害者専用・優先スポーツ施設に関する研究2018

障害者専用・優先スポーツ施設をハブ施設・サテライト施設と定義し、既存の社会資源とネットワーク構築を

障害者専用・優先スポーツ施設
調査時期
2018年9月~11月
調査対象
①身体障害者福祉センター(A型)
②旧:勤労身体障害者体育施設
③旧:勤労身体障害者教養文化体育施設(サン・アビリティーズ)
④身体障害者福祉センター(B型)
⑤都道府県および政令指定都市リハビリテーションセンター
⑥障害者更生センター
調査方法
郵送法による質問紙調査
要件
障害者専用・優先スポーツ施設の要件
要件1:体育館、またはプールのいずれかを所有している
要件2:利用を希望する個人、および団体に施設を貸し出している
(障害者の個人利用と団体利用がある)

POINT

障害者専用・優先スポーツ施設をハブ施設・サテライト施設と定義し、既存の社会資源とネットワーク構築を

現状 : 障害児・者のスポーツ参加をささえる人材およびそれを受け入れる施設が充分とは言いがたい。

目標 : 障害児・者がいつでもどこでもスポーツができる環境を整える。

取るべき施策 : 141施設のうち、JPSA「障がい者スポーツセンター協議会」に加盟している26施設をハブ施設、その他125施設と公共スポーツ施設52,844施設(「体育スポーツ施設現況調査」(2015年))をサテライト施設として、より地域の障害児・者に身近な既存の社会資源(公民館、福祉施設、特別支援学校、一般校など)と協働する。
具体的には、情報交換や指導者派遣、スポーツ教室開催など(図表1参照)。

政策ディレクター 小淵 和也 コメント

わが国の障害者数は、身体障害児・者は約436万人、知的障害児・者は約108万人、精神障害者は392万人で、合計すると約940万人となっている(内閣府「平成30年版 障害者白書」)。上記の141施設と日本障がい者スポーツ協会(以下:JPSA)公認の障がい者スポーツ指導員が26,038人(2019年2月28日現在)であることを考えると、地域差はあるにせよ、障害児・者がスポーツをする際、十分に対応できる体制とマンパワーが整備されているとは言い難い状況である。

地域における障害児・者のスポーツ環境を整えていくためには、障害者専用・優先スポーツ施設が、近隣の公共スポーツ施設と情報交換し、指導者派遣やスポーツ教室開催などの事業で協働してネットワーク化を進めていくことが、より多くのスポーツ機会の提供に向けた近道と言える。

笹川スポーツ財団 スポーツ政策研究所 政策ディレクター 小淵 和也

図表1 ハブ施設、サテライト施設、既存の社会資源と地域の関係

障害者専用・優先スポーツ施設

1. ハブ施設

JPSA「障がい者スポーツセンター協議会」加盟の26施設。障害の程度が軽度から重度まで、スポーツの競技性や志向に至るまで、障害者の多種多様なニーズに対応できる専門家を有する施設。

2. サテライト施設

ハブ施設を除いた115施設、および、スポーツ庁「体育スポーツ施設現況調査」(2015年)において公共スポーツ施設とされている52,844施設。ハブ施設との情報交換に加え、既存の社会資源とのネットワーク構築、情報交換など、非常に重要な役割を担う。

3. 既存の社会資源

障害児・者のためのスポーツ・レクリエーションの実施には、介護施設や自宅など、既存の社会資源が利用されることが多い。これらの施設は、受け入れ先の施設スタッフと協働して運営することで、既存の社会資源が障害者の居場所に変わっていく可能性を秘めている。


報告書

全文(PDF:2.79MB)

目次
  • Ⅰ. 調査の概要 詳細(PDF:957KB)
    • 1. 調査の目的
    • 2. 調査方法
    • 3. 調査の実施体制
  • Ⅱ. 調査結果(質問紙調査) 詳細(PDF:799KB)
    • 1.施設情報
      • (1)障害者専用・優先スポーツ施設の定義
      • (2)障害者専用・優先スポーツ施設の設置状況
    • 2.施設分類
    • 3.障害者専用・優先スポーツ施設の設置年と設置者
    • 4.障害者専用・優先スポーツ施設に付帯する施設
    • 5.障害者専用・優先スポーツ施設の管理運営状況
    • 6.障害者専用・優先スポーツ施設の利用状況
      • (1)総利用者数
      • (2)施設利用者の集計方法
      • (3)利用者の利用状況
    • 7.スポーツ指導者の配置状況
      • (1)有給または有償のスポーツ指導者数
      • (2)障害者スポーツ指導に関わる有資格者の内訳
    • 8.障害者専用・優先スポーツ施設の実施事業
      • (1)障害者専用・優先スポーツ施設の実施事業
      • (2)障害者スポーツ教室
      • (3)障害者スポーツ大会・イベント
      • (4)巡回スポーツ教室(出張教室)の実施状況
      • (5)巡回スポーツ教室(出張教室)の実施場所
    • 9.障害者専用・優先スポーツ施設の修繕・建て替え状況
  • Ⅲ.調査結果(ヒアリング調査) 詳細(PDF:1.97MB)
    • 1.大江病院体育館
    • 2.東京都障害者総合スポーツセンター
    • 3.日本財団パラアリーナ
    • 4.岐阜県福祉友愛アリーナ
    • 5.サン・アビリティーズ城陽
    • 6.太陽の家サンスポーツセンター
  • Ⅳ.まとめと考察 詳細(PDF:1.51MB)
  • Ⅴ. 参考文献・付録 詳細(PDF:637KB)

無断転載、複製および転訳載を禁止します。引用の際は本書が出典であることを明記してください。
本事業は、ボートレースの交付金による日本財団の助成金を受けて実施しました。

テーマ

国内の障害者スポーツ環境

キーワード
年度

2018年度

発行者

公益財団法人 笹川スポーツ財団

担当研究者
共同研究者
  • 藤田 紀昭 日本福祉大学 スポーツ科学部 学部長 教授