歴史と沿革
野球の原名はいうまでもなくベースボールです。誕生した当初は、見送ったボールに関してはストライク、ボールの規定がなく、投手は下手投げから打ちやすいボールを投げ、打者は自分の好むボールがくるまで待っていればよいという、打撃本位のののんびりした紳士のゲームでした。このベースボールが日本に入ったのが明治の初期。以来多くの人々に親しまれ、国民的スポーツとして定着し、発展してきました。
トスベースボールは、このベースボールを年齢・性別を問わず、誰でも気軽に、安全に楽しめるよう、投手の代わりにトスマシンを使って行うニュ-・スポーツです。ルールも、ベースボールの最初の頃に酷似しており、トスマシンから緩やかに射出されるボールは同じ軌道を通るため、野球経験のない子どもや女性も楽しむことができます。
トスベースボールは日本で生まれたニュー・スポーツです。「団体ゲームを通して、子どもたちに健やかに育ってもらいたい」という主旨から、1994年に神奈川県で誕生しました。1997年には日本トスボール協会(2002年に日本トスベースボール協会と改称)が設立され、「年齢・性別を問わず誰でも気軽に楽しめる生涯スポーツ」として広く全国に普及・発展させることが大きな目的となりました。1998年には、文部科学省をはじめ多くの団体の後援をいただき、「第1回全日本親子ふれあいトスボール大会」を開催。1999年には、全国スポーツ・レクリエーション祭協賛事業として全国スポ・レク祭開催県において「ふれあいトスボール大会」を開催するなど、多様化する国民のスポーツ・レクリエーション活動の一助を担うようになりました。
トスベースボールは、市民レクリエーションスポーツとして、またベースボール入門スポーツ、あるいは小学校体育・クラブ活動種目として、さまざまな分野で取り組みがなされ、子どもから大人まで全国に愛好者が増えております。特に女子児童に人気が高いのもトスベースボールの特長のひとつです。
2000年には東京都子ども会連合会の第1号推奨スポーツの認定を受けるなど、トスベースボールは、地域・学校・家庭をつなぐスポーツとして、今後ますます愛好者の増加が見込まれます。
ルールと用具
トスベースボールは、参加者全員が楽しめるよう、ルールに数々の特長をもっています。
- 投手の代わりを行うトスマシンは、打者にとってもっとも打ちやすいボールがくる位置にセットします。
- 打者はアウト数に関係なく、1イニングに、1番打者から9番打者(最終打者)まで、全員が打ちます。
- 9人目の打者(最終打者)の打撃が終了すれば、アウト数に関係なく攻守を交代し、その回の得点が記録されます。
- 次イニング目からは打者の交代、打順の交代は自由にできます。また、交代した選手も再度、試合に出場できます。
- 打者は3球以内にフェアボールを打たなければアウトとなります。
- バント・盗塁はできません。
- 選手が少ない場合や屋内で行う場合など、ローカルルールで行うことができます。
トスベースボールは、既存の野球用具でも行なうことができますが、日本トスベースボール協会では、野球経験のない子どもや女性、また体育館で気軽に思い切り打って楽しんでいただけるよう、用具の研究・開発を行なっております。
投手の代わりを行なうトスマシンは、一球一球同じところに正確に射ち出すことのできるリモコン式です。ボールは、子ども同士や親子で、また屋内などで、安全に行なうことができるウレタン製ボール(70グラム)と経験者向けのゴム質ボール(130グラム)の2種類があります。バットは、ウレタンで皮膜した子ども向けバットと経験者向けの木製バットの2種類があります。
備考
日本トスベースボール協会は、国民的スポーツとして多くの人々に親しまれてきたベースボールを老若男女、誰でも気軽に楽しめるよう、ベースボール型スポーツ「トスベースボール」を考案し、これを生涯スポーツとして普及に努めるとともに、文部科学省主唱『子どもと話そう』全国キャンペーン事業の一環として、親子混成チームによる「親子ふれあいトスボール大会」等を各地で開催しています。
子どもたちがトスベースボールを通して、体力の増強はもとより、団体ゲームの中で楽しみながらルールの大切さを学び、異った世代との交流によって豊かなコミュニケーションが育まれていく様子がありありと伝わってきます。今後とも、トスベースボールの普及・発展に努めてまいります。
お問い合わせ先
日本トスベースボール協会
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