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「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

子どものスポーツライフ・データ2015

笹川スポーツ財団では、2015年6月~7月にかけて4~9歳の子どもを対象とした『4~9歳のスポーツライフに関する調査』を実施しました。
本調査は、2009年、2011年、2013年と実施し、今回は4回目の調査となります。
最新の結果の中からポイントをご紹介します。

調査結果

1. 運動・スポーツの実施状況

4~9歳の約半数が、週7回以上運動・スポーツを実施している一方、非実施者も 3.7%で前回より増加しており、引き続き注視が必要

4~9歳の運動・スポーツ実施状況をみると、「週7回以上」は男子 51.4%、女子 48.1%であり、男子が女子を 3.3%上回った。 低実施群(年1 回以上週3 回未満)は女子 18.2%、男子 13.9%であり、男子に比べて女子が 4.3 ポイント高い。2013 年と比較すると、女子では、非実施群(年間0回)と低頻度群を合わせた割合が 15.8%から 21.7%へと 5.9 ポイント増加している。

図1

【図1】運動・スポーツ実施頻度群の年次推移(性別)
注)2011年の調査は最大3種目まで、2013年・2015年の調査は最大5種目までの回答を分析対象とした。
資料:笹川スポーツ財団「4~9歳のスポーツライフに関する調査」2015 (p.47【図1-5】)

運動・スポーツ実施頻度群
実施頻度群 基準
非実施群 非実施(0回/年)
低頻度群 年1回以上週3回未満(1~155回/年)
中頻度群 週3回以上週7回未満(156~363回/年)
高頻度群 週7回以上(364回以上/年)

2. 過去1年間に1回以上行った運動・スポーツ

過去1年間に行った運動・スポーツ種目は1位「おにごっこ」を始め運動あそびが上位に。
スポーツ系は「サッカー」と「バドミントン」がランクイン。

過去1年間によく行った運動・スポーツ種目を性別にみると、全体では、1位「おにごっこ」65.7%、2位「自転 車あそび」53.2%、3位「ぶらんこ」52.1%と、いわゆる運動あそびが上位を占めた(表1)。 スポーツ系の種目では、6位「水泳(スイミング)」46.3%、10位「サッカー」35.1%、14位「バドミ ントン」16.4%となった。

【表1】過去1年間に1回以上行った運動・スポーツ種目および推計人口(n=1,123:複数回答)
順位 実施種目 実施率(%) 推計人口(万人)
1 おにごっこ 65.7 426.5
2 自転車あそび 53.2 345.3
3 ぶらんこ 52.1 338.2
4 かくれんぼ 48.0 311.6
5 なわとび(長なわとびを含む) 47.2 306.4
6 水泳(スイミング) 46.3 300.5
7 鉄棒 44.8 290.8
8 かけっこ 39.7 257.7
9 ドッジボール 39.6 257.1
10 サッカー 35.1 227.8
11 体操(軽い体操・ラジオ体操など) 22.0 142.8
12 キャッチボール 19.7 127.9
13 海水浴 17.2 111.7
14 キックボード 16.4 106.5
バドミントン 16.4 106.5
16 サイクリング 15.0 97.4
17 フィールドアスレチック 13.8 89.6
18 木登り 13.7 88.9
19 釣り 12.6 81.8
20 一輪車 12.4 80.5

注)推定人口:4~9歳の人口6,491,304人に実施率を乗じて算出
資料:笹川スポーツ財団「4~9歳のスポーツライフに関する調査」2015 (p.48【表1-3】)

3. 習いごとの内容と年次推移

現在習いごとをしている者は70.7%。 習いごとの内容では、水泳(スイミング)が2011年調査以来1位を維持。上位15種目のうち半数以上となる9種目がスポーツ系の習いごとであった。

習いごとの実施状況をたずねたところ、全体では現在習いごとをしている者は70.7%であった。スポーツ系の習いごとは、「水泳(スイミング)」27.3%や「サッカー」9.4%のほか、「体操」7.7%、「空手」3.3%、「テニス」2.7%などがあげられ、上位15種目のうち半数以上となる9種目がスポーツ系の習いごとであった。全体の年次推移をみると、2011年調査以降、「水泳(スイミング)」が1位となっている。サッカーや体操など、多くの種目で順位に大幅な変動はみられないが、テニスは2011年調査15位(1.0%)、2013年調査13位(1.4%)、2015年調査10位(2.7%)と年々順位を上げている。

【表2】習いごとの内容の年次推移(複数回答)
2011年(n=1,254) 2013年(n=1,211) 2015年(n=1,121)
順位 種目 順位 種目 順位 種目
1 水泳
(スイミング)
22.0 1 水泳
(スイミング)
28.7 1 水泳
(スイミング)
27.3
2 ピアノ 16.8 2 ピアノ 16.4 2 ピアノ 18.2
3 学習塾 11.1 3 学習塾 12.8 3 英会話 11.7
4 習字 10.1 4 習字 11.6 4 学習塾 10.3
5 英会話 10.0 5 英会話 11.1 5 サッカー 9.4
6 サッカー 6.6 6 サッカー 8.9 習字 9.4
7 そろばん 5.5 7 体操 6.8 7 体操 7.7
体操 5.5 8 そろばん 6.5 8 そろばん 4.8
9 バレエ(ダンス) 3.4 9 バレエ(ダンス) 3.7 9 空手 3.3
10 空手 2.8 10 空手 3.1 10 テニス 2.7
11 野球 2.5 11 バスケットボール 2.1 11 バレエ 2.6
12 バスケットボール 1.4 12 野球 2.0 12 野球 2.1
バレーボール 1.4 13 テニス 1.4 13 剣道 1.9
14 絵画 1.1 14 絵画 1.2 14 絵画 1.6
15 テニス 1.0 剣道 1.2 15 バスケットボール 1.3

注) はスポーツ系の習いごと
資料:笹川スポーツ財団「4~9歳のスポーツライフに関する調査」2015 (p.84 【表7-1】)

4~9歳のスポーツライフに関する調査 概要

調査対象
  1. 母集団:全国の市区町村に在住する4~9歳
  2. 標本数:1,800人
  3. 地点数:市部181地点、郡部19地点、計200地点
  4. 抽出方法:層化二段無作為抽出法
調査時期
2015年6月27日~7月31日
調査方法

訪問留置法による質問紙調査(個別聴取法併用)
訪問留置法とは、調査員が回答者宅を訪問して調査票を配布し、一定期間内に回答を記入してもらい、調査員が再度訪問して調査票を回収する方法のこと。ただし、対象者が年少のため自分で質問を理解して回答することができない場合は、保護者の立会いの下、調査員による個別聴取(調査員が質問文を読み上げて回答を聞く方法)によって調査を実施し、回答を得た。

調査内容

◆子ども対象

  1. 運動・スポーツ実施状況:
    運動・スポーツ実施、過去1年間に1回以上実施した種目、過去1年間でよく行った種目(主な5種目)、実施頻度、実施時間、運動強度、同伴者、スポーツ指導者、スポーツクラブでの実施
  2. 運動・スポーツ施設:
    利用施設・場所
  3. スポーツクラブ:
    スポーツクラブの加入状況、加入クラブ、加入しているクラブの楽しさ
  4. スポーツ観戦:
    直接観戦、直接観戦したスポーツ、テレビ観戦
  5. 習いごと:
    習いごとの実施状況、習いごとの種目、習いごとを始めた年齢
  6. 運動・スポーツへの態度:
    運動・スポーツの好き嫌い
  7. 好きなスポーツ選手:
    好きなスポーツ選手名(種目)
  8. 個人属性:
    年齢、性別、就学状況、身長、体重

◆保護者対象

  1. 運動・スポーツ実施状況:
    実施頻度、子どもと一緒に運動・スポーツをする頻度、保護者のスポーツ活動歴
  2. 運動・スポーツ、運動あそびに対する意識や態度:
    子どもの運動・スポーツの試合や練習をみに行くか、保護者のスポーツボランティア実施状況、子どものあそびに関する養育態度、子どもの運動・スポーツについての考え、運動・スポーツ、あそびの環境に関する安全性への認識
  3. 生活習慣:
    子どもの朝食摂取(平日)、子どもと保護者の就寝時刻・起床時刻(平日・休日)、1日あたりのメディア利用時間(平日・休日)、子どもの通園・通学方法
  4. 個人属性:
    保護者の続柄、職業、同居家族、世帯年収
回収結果
有効回収数(率) 1,123(62.4%)

『子どものスポーツライフ・データ2015』

仕様
A4判/168ページ
価格
2,000円+消費税
発行
2015年12月31日
データの使用申請

最新の調査をはじめ、過去のスポーツライフ・データのローデータ(クロス集計結果を含む)を提供しています。

活用例

  1. 政策立案:所属自治体と全国の比較や調査設計に活用(年齢や性別、地域ごとの特徴を把握)
  2. 研究:研究の導入部分の資料や仮説を立てる際に活用(現状の把握、問題提起、仮説、序論)
  3. ビジネス:商品企画や営業の場面で活用(市場調査、データの裏付け、潜在的なニーズの発見)
テーマ

スポーツライフ・データ

キーワード
年度

2015年度

担当研究者