SSFでは、1992年から日本国内におけるスポーツ活動の実態を明らかにする「スポーツライフに関する調査(スポーツライフ・データ)」を行っています。調査項目は、運動・スポーツ実施状況、運動・スポーツ施設、スポーツ観戦率など多岐にわたります。
2020年から、新たな取り組みとして、人々の身体活動量を把握するための質問項目を追加しました。健康増進にかかわる政策や研究の一助となることを目的としており、世界保健機関(World Health Organization: WHO)が開発した「世界標準化身体活動質問票(Global Physical Activity Questionnaire: GPAQ)」を活用しています。
概要
|
人々の身体活動量を把握に向けて世界保健機関(WHO:World Health Organization)が文化や生活の特徴の違いを考慮して開発した質問票
|
目的
|
日常生活全般(運動・スポーツ活動を含む)における身体活動量を把握する
|
項目
|
仕事、移動、余暇の3領域の各活動時間と座位(座っている)時間から構成され、さらに3領域の身体活動はその負荷に応じて中強度と高強度に分かれる
|
身体活動量の
算出方法
|
週あたりの身体活動時間に強度を掛けて算出。強度はメッツという単位で示され、安静状態には1メッツ、中強度の身体活動には4メッツ、高強度の身体活動には8メッツがそれぞれ割り当てられる
例)仕事で週5時間激しく動く人の身体活動量は「5時間×8メッツ=40メッツ・時/週」
|
笹川スポーツ財団webコラム「健康増進のためのスポーツ政策を考える」より改編
これまで、調査結果を活用した二次分析は行っておりましたが、8月に、世界四大医学誌の一つとされる「The LANCET」のグループ雑誌「The LANCET Global Health」で公表された論文1) に、スポーツライフ・データ2020によるGPAQ調査結果が引用されましたのでご案内します。
日本国内ではGPAQを活用した全国規模調査は積極的に実施されていない現状があります。スポーツライフ・データは全国300地点で実施される全国規模かつ、人口ベース(住民基本台帳に基づく)の調査のため、上記の論文で対象となった、163の国と地域で行われた507件の調査のうち、日本の代表的数値として唯一引用されました。
1)National, regional, and global trends in insufficient physical activity among adults from 2000 to 2022: a pooled analysis of 507 population-based surveys with 5·7 million participants
Strain, Tessa et al.
The Lancet Global Health, Volume 12, Issue 8, e1232 - e1243
関連情報