第28回 TAFISAワールドコングレス2023が11月2日、ドイツ・デュッセルドルフで70の国と地域から約350人の参加者を集めて、開幕されました。
TAFISAワールドコングレスはこれまで隔年開催でしたが、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、前回大会(スロベニア・ポルトロシュ)が1年延期となったことを受け2年連続での開催となりました。このコングレスには、世界中からスポーツ・フォー・オール及び身体活動の推進団体関係者や研究者などが集い、基調講演やディスカッション、事例発表等を行います。
今回のコングレスは、「More together than ever」のテーマのもと様々なセッションが行われ、11月4日には玉澤常務理事 (TAFISA理事)が分科会にて当財団の活動内容を紹介するプレゼンテーションを行います。
1.Wolfgang Baumann TAFISA会長(ドイツ)による開会挨拶
TAFISAを代表して、本コングレスのホストである組織委員会関係者および参加者への開催御礼と謝辞が述べられました。同会長は、不安定な国際情勢や環境破壊などに直面する現代だからこそ、スポーツがもつ人々を団結させる力を最大化するべきと言及しました。また、コングレスが開催される4日間、デュッセルドルフが世界のスポーツの中心地となり、スポーツ・フォー・オール運動を推進していくと力強く話してスピーチを締めくくりました。
2.全体会:Prof. Keith George(TAFISA理事、John Moore University)による基調講演
人類は今、世界的な人口増加、高齢化の進行、新型コロナウイルスの蔓延など、さまざまな課題を抱えているが、その状況を逆手にとってポジティブに様々なプロジェクトに取り組んでいく必要性を強調。イングランド・リバプールで「アクティブシティ」を推進してきた経験から、TAFISAのエコシステムを形成する多くの団体が協力しあい、レジリエンスを高めていくことの重要性を指摘しました。
3.「庶民院(下院)」ディベート
イギリスやカナダの議会を構成する議院のひとつの手法を応用し、参加者が賛成派・反対派に分かれ、スピーカーから提示されるトピックに対するディスカッションを行いました。「スポーツは社会的な結束を促進するか?」、「スポーツ・フォー・オールには、世界的な人権を支援する義務があるのか?」などのトピックを基に、参加者は賛成・反対の両方の側面から意見を出し合いました。
スポーツ・フォー・オールと身体活動の振興を通して、人々の生きる楽しみ、健康増進はもとより、社会統合や地域開発などの推進を目指すスポーツ・フォー・オール活動の国際統括機関(本部:ドイツのフランクフルト)です。世界170か国・地域に300を越える加盟団体があり、SSFは、1992年に設立されたTAFISA-JAPANへの参画を通じて加盟しています。
日本の生涯スポーツの推進を目的に、1992年に日本体育協会(現 日本スポーツ協会)、健康・体力づくり事業財団、笹川スポーツ財団、日本レクリエーション協会の4団体で日本スポーツ・フォー・オール協議会(TAFISA-JAPAN)を設立し、1993年には千葉でワールドコングレスを、また2019年には東京でも同コングレスを開催するなど、TAFISAの活動に様々な形で貢献してきました。現在は、日本スポーツ協会、健康・体力づくり事業財団、笹川スポーツ財団の3団体で構成しています。