30年続いた平成の時代も終わり、「令和」が幕を開けました。「Beautiful Harmony=美しい調和」という意味を持つこの時代は、「働き方改革」の推進や、学生が学業とスポーツを両立させる環境を整えていく大学スポーツ協会(UNIVAS)の設立にみられるように、個人の選択が尊重され、多様な価値観が認められる社会を目指しています。
ラグビーワールドカップ2019では、さまざまなルーツを持つ選手たちが日本代表の誇りを胸に、ONE TEAMとして素晴らしい活躍を見せてくれました。まさに令和の言葉にある「多様性」と「調和」の両側面を体現するものでした。
2020年はこの流れがより太いものになると考えられます。ラグビーワールドカップ2019の余韻が残るなか、東京オリンピック・パラリンピック競技大会を経て、日本全体がさまざまな国の人や文化の流入に対して、いっそう開かれた場所になると同時に、わが国に元々あった多様性にも目が向けられることになるでしょう。
一方で南北に長い日本は、地域ごとに自然環境や街のつくり、産業構造や人口構成もそれぞれ異なっており、その特長も抱える課題もさまざまです。
そのためSSFでは、スポーツの持つ価値・力を活用した社会課題の解決を目指し、マクロな視点による全国規模の調査・研究に加えて、各都市や地域の実態調査、スポーツを通じた地域活性化のための協働プラットフォームの提案など、行政や地域スポーツ組織と連携した事業も展開しております。
世界の人やモノが集う、それ自体一つのプラットフォームのようなわが国のさまざまな地域で、多様な人が思い思いの方法で社会と繋がり生き生きとした毎日を過ごせるように、そして側にはいつもスポーツがあるように、SSFはこれからも全力で走り続けます。
多様性と調和の両立する共生社会の実現――多くの方々の願いであり、スポーツ界が目標に据えている「健康長寿社会」も、確実にその先にあります。2020年、皆様がスポーツを楽しみながら交流を広げ、また、深められますことを祈念し、年頭のご挨拶といたします。