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国際情報
International information

「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

第26回TAFISAワールドコングレス2019東京 閉幕

2019年11月16日、4日間にわたり開催された「第26回TAFISAワールドコングレス2019東京」(於:都市センターホテル)が幕を閉じました。

1993年以来2回目となった日本開催のコングレス。今回は「スポーツ・フォー・オール 伝統と革新」というメインテーマのもと、78ヵ国から600人のスポーツ振興関係者が参加し、スポーツを通じた健康長寿や子どもの身体活動についての活発な議論がなされました。

Dr. Ju-Ho Chang氏(TAFISA会長)

Dr. Ju-Ho Chang氏(TAFISA会長)
(クロージング・セレモニー)

Prof. Stuart Biddle氏、山本真由美氏が、本コングレスを総括

Prof. Stuart Biddle氏、山本真由美氏による本コングレスの総括
(クロージング・セレモニー)

次回のTAFISAワールドコングレス2021はスロベニアで開催予定

次回のTAFISAワールドコングレス2021はスロベニアで開催予定
(クロージング・セレモニー Photo by TAFISA)

アクティビティプログラム「日本の運動会」を体験

アクティビティプログラム「日本の運動会」を体験
(16日午前中)

「TAFISAワールドコングレス」初の試みとなるオリンピック開催都市連合との全体セッションではFelicite Rwemarika氏 (IOC スポーツアンドアクティブソサエティ委員)などが登壇し、パネルディスカッション「スマートシティとスポーツ・フォー・オールの融合」を実施。

各分科会では、スポーツ・フォー・オールにおける男女平等、スポーツ・イノベーションが社会を変える、といった多様なテーマにおいて、各国の事例を紹介しながら会は進みました。

最終日(16日)はアクティビティプログラムとして、会場隣の千代田区立麹町中学校にて、玉入れや大玉送りなど「日本の運動会」を体験されるなど、秋晴れのもと、心地良い汗を流されました。

クロージング・セレモニーでは、Prof. Stuart Biddle氏(サザンクイーンズランド大学)、山本真由美氏(日本アンチ・ドーピング機構:共同報告者)両名が、<「TAFISAミッション2030」の進捗確認 ~コングレスを終えて~ >と題し、本コングレスを以下の4つのポイントで総括されました。
「1つ目は『言葉の定義 (Terminology)』です。どのような言葉でスポーツの効用や楽しさを伝えていくかということは、スポーツ実践を促すうえで大変重要です。これは、国家レベルから一般市民、個々人のレベルに至るすべてのレベルにおいて、自分事として捉えることができるかという視点においても、とても大切なことです。
2つ目は『スポーツと健康(Health)』です。スポーツは個人の身体的・精神的な健康の促進を越えて、社会の健全性を高めるうえでもとても重要だということが、会期中にも様々な実践例や研究例を基に合意されていました。スポーツは平均寿命と健康寿命の差を縮め、生活の質(quality of life)を高め、精神の健やかさに寄与するという点が強調されました。
3つ目は『人々にスポーツ・身体活動(Physical Activity)への実践を促すための戦略 (Strategy)』です。研究者はもとより、さまざまな人や組織が協働し、データを集め、スポーツの効能を科学的に示した上で、戦略を立てる必要があります。また、健康についてよく言われる言葉(たとえば「超高齢化社会」など)に、プラスの言葉として戦略的に転換し、プラスのイメージを持たせていくことで、現状をよりポジティブに捉え直し、人々の先入観を変えていくことも戦略の一つとして大切です。
4つ目は『スポーツをめぐる各地域が抱える現状の多様さや複雑性(Complexity)さ』です。スポーツ・フォー・オールを効果的に推進するうえで生じる、都市間・地域間の差異を考慮すべきだということです。直面している課題としては、人口増加、高齢化、人口過密、栄養面での問題、動きの少ない生活スタイルなどが挙げられますが、それらへの対応策は、各都市の環境政策やサステイナビリティに係る活動などと連携し、より持続可能で拡がりがあるべきだという点が、会期中に確認されました。
また最後に、こうした複雑性があり、人々をスポーツや身体活動に促す難しさが現実としてあるが、身体を動かすことがシンプルに『楽しい』と思えることを忘れないことが重要だろう。」として締めくくりました。

また、Ju-Ho Chang氏(TAFISA会長)より「65人のスピーカーの方々や、基調講演者、参加者、ボランティアの方々に感嘆の意を表します。今回のコングレスは現状や情報共有の場であるにとどまらず、実際に変革をもたらす場となりました。これからも、ともにスポーツ・フォー・オールの達成を目指しましょう。」と挨拶があり、第26回TAFISAワールドコングレス2019東京は盛会のうちに終了しました。

次回の第27回TAFISAワールドコングレス2021は、2年後の2021年11月にスロベニアで開催予定です。

※本コングレスの詳細レポートは、後日本ホームページにて公開予定です。

■TAFISA(The Association For International Sport for All)

スポーツ・フォー・オール(生涯スポーツ、みんなのスポーツ)と身体活動の振興を通して、人々の生きる楽しみ、健康増進はもとより、社会統合や地域開発などの推進を目指すスポーツ・フォー・オール活動の国際統括機関(本部:ドイツのフランクフルト)です。世界170か国・地域に300を越える加盟団体があり、SSFは、1992年に設立されたTAFISA-JAPANへの参画を通じて加盟しています。