渡邉 赤穂市スポーツ推進計画を拝見すると、週1回以上のスポーツ実施率を平成27年までに50%以上にするなど、具体的な数値を掲げていらっしゃいます。これは、現状に基づいての目標なのでしょうか。
豆田 アンケートを実施すると、現状でのスポーツ実施率は30%くらいです。ただ、チャレンジデーやスポーツ都市宣言などのきっかけを通じて、今後は「する・見る・支える」どの立場からでもスポーツに取り組んでもらおうと思ってます。実際に、シティマラソンなどのイベントを開催したことで気運の高まりは出てきているんです。
赤穂市は、市民総合体育館を始めとする各地区の体育館、青年武道館、野外活動センター、地域スポーツクラブ「スポーツクラブ21ひょうご」など、スポーツ活動の拠点となる施設はしっかり整備されているので、ぜひ目標を達成したいと思っています。
渡邉 なるほど。土壌はできているのですね。もう一つ、計画にはふれあいイベント参加人数の目標が160人とあり、これは少し少ないかなと感じたのですが。
豆田 スタート当初は名所旧跡の探索などを兼ねて歩くというイベントを開催し参加者は30人ほどでした。最近の有年地区での開催では、沖田遺跡や蟻無山古墳、「日本一小さな考古館」とも呼ばれる有年考古館などの見学が集客につながり、参加者は120人ほどになりました。その他、坂越駅周辺に残る昔ながらの港町なども人気スポットになっているので、今後はウオーキングコースの掘り起こしにも力を入れようと考えています。観光案内のボランティアも増えてきているので、市外から来る方に喜んでいただいて、リピーターになってもらえたら嬉しいですね。
渡邉 赤穂市では市民体育祭を行っているそうですが、その歴史や今後についてお聞かせください。
豆田 市民総合体育祭は、お陰様で今年で61回目を迎えました。もともとは競技種目中心の体育祭だったのですが、もっと広く市民が参加できるイベントにしようと、現在はレクリエーションやニュースポーツ中心の体育祭となっています。実はこの市民総参加型の体育祭、スタート当初は、雨続きで3年間実施できなかったんです。そういった背景もあり今では年間を通じて開催されるようになりました。
渡邉 3年連続で流れてしまったんですか。
渡邉 大きな成果が出ているので、スポーツ推進という意味では今後が楽しみですね。
また、定住自立圏の形成推進として備前市、上郡町とさまざまな連携を図られていますが、その中でのスポーツの位置づけについてはどのようにお考えでしょうか。
豆田 東備西播磨定住自立圏は、赤穂市と上郡町が兵庫県、備前市が岡山県と、県境を越えての不思議な関係といえます。ただ昔は境などなく、江戸時代から深い交流が続いており、親戚関係の住民も多いんです。そういった状況の中でも、行政同士が取り組むとなるとやはり構えてしまう。ところが、市民レベルでのスポーツ交流やイベントであれば抵抗は少ないんです。そこで、市民団体等の協力でどんどん交流を図ろうと、スポーツにも積極的に取り組んでいます。
渡邉 3カ年計画を実施され、実際に交流の成果は感じられましたか。
豆田 本来は、県が違えば行政間の交流などは全くないわけですが、スポーツなどの市民交流を通じて、行政にも交流が生まれました。職員同士や行政機関の交流、最近では病院同士の交流もあり、お互いに顔が見える関係ができつつあります。今後もさまざまな事業展開につながるのではと期待しています。
渡邉 県を越えての交流、すばらしいことだと思います。
最後に、スポーツ都市宣言をされての今後の展望をお聞かせください。
豆田 赤穂市では、これからもスポーツを通じた「人づくり(心身の健康、生きがいづくり)」、「仲間づくり(感動の共有、支え合い、ふれあい)」、「まちづくり(地域コミュニティの活性化)」をめざし、スポーツ先進都市の実現に取り組んでいきたいと考えています。そのためにも、特にシティマラソン大会の定着やスポーツツーリズムの開発には力を入れ、大きなイベントに育てていきたいですね。ぜひ多くの方に赤穂を訪れていただき、また市民の皆さんにも楽しんでいただき、みんなが元気になる、そんな活気あるまちづくりができればと考えています。
渡邉 人が元気になるスポーツ先進都市、今後がとても楽しみです。ありがとうございました。