2019年12月13日
- 調査・研究
© 2020 SASAKAWA SPORTS FOUNDATION
© 2020 SASAKAWA SPORTS FOUNDATION
スポーツ政策研究所を組織し、Mission&Visionの達成に向けさまざまな研究調査活動を行います。客観的な分析・研究に基づく実現性のある政策提言につなげています。
自治体・スポーツ組織・企業・教育機関等と連携し、スポーツ推進計画の策定やスポーツ振興、地域課題の解決につながる取り組みを共同で実践しています。
「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。
日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。
2019年12月13日
ラグビーワールドカップ2019で日本代表が初のベスト8入りを果たし、日本中が熱狂に包まれた
写真:フォート・キシモト
笹川スポーツ財団(SSF)では、2019年11月28日~12月6日に、「あなたが選ぶ!2019年活躍したアスリート・スポーツ重大ニュース」のWEBアンケートを実施しました。
2020年東京オリンピックのマラソンと競歩の開催地をめぐり、東京都、国際オリンピック委員会(IOC)、大会組織委員会、政府の4者協議が11月1日に行われ、都が札幌移転を了承した。決定にあたり、IOCは、札幌移転の追加経費は都に負担させないこと、既に都、組織委が支出したマラソンおよび競歩に関する経費で今後、都が活用できないものは都に負担させないこと、これら2競技以外は都外に移転させないことを確約している。
なお、日本財団ボランティアサポートセンターでは、2020年東京大会のボランティア養成に携わっている。また、SSFでは、2020年東京大会のボランティア応募者20万人の裏に、多数の応募予備軍が存在することを発表している。
昨年末から、中央競技団体の運営健全化を図る狙いで策定が進められていた規範「ガバナンスコード」が、6月10日、スポーツ庁より公表された。コードは大きく分けて13の原則で構成されており、理事の就任時年齢の制限、および、その在任期間が10年を超えないような再任回数の上限の設定(透明性の維持)、違反行為に対する通報制度の構築(透明性の維持)、女性や競技出身者ではない外部からの積極的な理事起用(多様性の確保)などの内容となっている。
SSFで実施した「中央競技団体現況調査2018」では、中央競技団体において人材の流動性や多様性が以前よりも高まってきていることがすでに確認されていた。今回のコード策定は、その動きへの追い風となるだろう。
6月27日、日本オリンピック委員会(JOC)のトップが交代した。前会長の竹田恆和氏が任期満了に伴い退任し、選手強化本部長を務めてきた山下泰裕氏が新会長に就任した。JOC会長の任期は2年間であるため、2020年東京オリンピックは山下会長で迎えることになる。
JOC会長に就任されたタイミングでSSFの評議員に就任された山下会長とともに、「スポーツ・フォー・エブリワン」の実現をさらに推進してまいりたい。
2020年東京大会を前に10の恒久施設および6の仮設施設が新設され、テストイベントが行われている。テストイベントでは、暑さ対策やアクセシビリティなどさまざまな問題について対応策とその効果を検証する。
新設施設の多くはパラリンピック会場にもなっている。SSFの調査によると、2020年東京パラリンピックはオリンピックに比べ観戦希望者が少なかった。大会を間近に控え、パラスポーツへの関心を高めるべく競技体験会などの催しが積極的に開催されている。
11月5日に日本高校野球連盟の有識者会議が開かれ、来年春の選抜高等学校野球大会から1人のピッチャーの投球数を1週間で500球以内に制限する答申案がまとめられた。今後3年間を罰則のない試行期間としている。
SSFの鈴木貴大研究員は、「運動部のなかでも野球部は特に厳しい長時間練習を甘受しがちだ」と指摘する。過剰な練習は故障のリスクを高めるうえ、練習の効果は必ずしも量に比例するものではない。投球制限は、指導者も生徒もそのことを確認する契機となるのではないか。
2019年のスポーツ政策を振り返ると、不祥事や事件に数多く触れた印象が強く残ります。アスリートファーストが謳われながらも、従前からの慣習や運営上の都合が幅をきかせ、結果として何を目的とした誰のための諸策なのかが判然としない。そうした旧態依然とした部分が、2020年東京大会の希望や前進を一つの契機として表出し、根本から問われた一年ではなかったかと思います。
SSFとしては、これまでスポーツ関連の施策や取り組み、諸団体などが本来期待されている役割を果たせているのか、どうすれば果たし得るのか、という視点で調査研究に注力してきました。例えば、中央競技団体調査は各団体の運営や財務の状況を詳らかにすることで評価を得てきましたが、そうした分析の重要性や調査そのものの価値はこの一年で広く認知されたものと思われます。2020年東京大会の関連では、障害者スポーツやスポーツボランティアに関する調査研究についても同様と言えるでしょう。
否応なしにポスト2020が中心テーマとなる来年。SSFは、将来を展望した確度の高い調査研究に引き続き邁進してまいります。先に挙げたテーマに加え、子どものスポーツや地域スポーツのあり方については更に深めていきたいと考えていますので、ご期待ください。
笹川スポーツ財団 スポーツ政策研究所 研究主幹 熊谷哲
あなたが選ぶ!2019年「活躍したアスリート・スポーツ重大ニュース」 ともに1位は羽生結弦
写真:フォート・キシモト
羽生結弦の活躍が続く一方、ラグビーワールドカップ2019で日本代表が初のベスト8入りを果たし、日本中が熱狂に包まれました。“ONE TEAM”のスローガンの通り、チーム一丸となって戦った日本代表のメンバーたち。今回のアンケートでも、得票数2位のリーチ・マイケルほか、福岡堅樹や松島幸太朗など20位以内に6人がランクイン※する結果となりました。
1位 羽生結弦(フィギュアスケート)
2位 リーチ・マイケル(ラグビー)
3位 渋野日向子(ゴルフ)
4位 八村塁(バスケットボール)
5位 桃田賢斗(バドミントン)
6位 瀬戸大也(競泳)
7位 大坂なおみ(テニス)
8位 福岡堅樹(ラグビー)
9位 紀平梨花(フィギュアスケート)
9位 井上尚弥(ボクシング)
※11位 松島幸太朗、14位 稲垣啓太、15位 田村優、16位 姫野和樹
1位 【フィギュア】グランプリシリーズ カナダ大会で、男子は羽生が優勝
女子は紀平が2位に。
2位 【ラグビー】日本代表、ラグビーワールドカップ初のベスト8入りを達成
3位 【水泳】競泳の池江璃花子、白血病を公表
4位 【テニス】大坂なおみ、全豪オープンで初優勝
5位 【野球】イチロー、日米通算4367安打の記録を残し引退