―実施人口に関して、小学生はある程度の人口がいるのに、中学生でガクンと減ります。部活動や町クラブなど、広島では数が足りているんでしょうか?
柴村 ニーズはもっとあると思いますが、足りていないかもしれませんね。プレーする場所がなくて、サッカーを辞める生徒もいます。現実的に競技レベルが高い女子はプレーできるところはありますが、そうじゃない生徒、あるいはやってみたいと思っている生徒には、道が拓かれていないのが現状です。これは広島だけの問題ではないと思います。
―中学校の部活動はどうでしょうか。広島は男子サッカーだとJ1クラブもユースもある。高校の強豪校もありますが女子は?
柴村 女子のサッカー部は、県内で1校しかありません。2013年に創部して今年4月から新入生が入って部員が11名になると聞きました。
―1校ですか!? 厳しいですね。女子サッカー部も町クラブもないとなると…
柴村 ほかの種目を選択するか、あるいはサッカーを辞めてしまうか。広島でこの現状ですから、もっと厳しい地域もあるでしょうね。
―募集に関して、クラブとして気にかけていることは?
柴村 体験会を行い、スタンスを事前にハッキリ表記して、それを理解した選手が集まれるようにしています。
―場所の問題は。
柴村 小学校か中学校のグラウンドを使わせてもらっています。ありがたいことに毎回取れています。東京や大阪などの大都市はわかりませんが、このクラブでは場所は確保できています。
―連載の第1回と第2回でも話が出てきたのですが、男子の中に混ざってプレーできる女子は、どんな環境でもプレーできる。でも女子の中には、そういった生徒のプレーをみて“私はできない”と思ったり、本当はサッカーがしたいと言わない生徒がいるという…。こちらにもそういったケースはありますか?
柴村 アンジュヴィオレ広島というクラブは、広島でサッカーに関わっている人たちの中では知名度が上がってきているので、サッカー経験のある女子が少なからず入会してくれます。ただ、サッカー経験がなくても、取り組む気持ちが大事だと思っています。しかし、未経験者がサッカーのクラブへ飛び込んでいくのは、相当な勇気とやる気がいることと思います。そういった面では、さまざまな特色のあるクラブが地域にあれば、選手たちにとっては、良い環境だといえるのではないでしょうか。