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「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

ウエイトトレーニング

重りや抵抗を用いたトレーニング方法

歴史・沿革

バックスクワット

ウエイトトレーニングの歴史は古く、紀元前約2500年にエジプトで筋力を高めるトレーニングが行われていたという記録が残っています。また、ヨーロッパやアジアでも、紀元前から筋力を高める活動が行われていたようです。
例えば、古代オリンピック大会のレスリング競技で連続優勝した、イタリア南部クロトナ出身のミロ(milo)が、子牛を毎日かついでいたという話は有名です。当時は特別なトレーニング用の道具があったわけではなく、日常生活の中で自然に筋力が鍛えられていったと考えられています。筋力測定として重い石を持ち上げたり、それを投げ飛ばしたりして優劣を競い合う、あるいは兵士としての適正を見極めるといったことが行われていたようです。

3世紀頃にはダンベルの原型とも言うべき器具を用いたトレーニングが性別を問わず行われていましたが、現代と同じように重量を調整できるバーベルやダンベルが生まれたのは19世紀末頃と言われています。さらに20世紀に入り1960年代になると、さまざまなトレーニングマシーンが開発されました。現在は、競技や健康を目的とし、老若男女問わず利用されています。

また、今日でも用いられているさまざまなトレーニング法は1950年代に生まれています。それに伴って科学的な研究も進み、トレーニングの原則(*1)が確立してきました。近年、ウエイトトレーニングは競技としても発展し、『ウエイトリフティング』 『パワーリフティング』 『ボディビルディング』などが誕生しています。

トレーニングの原則(*1)
特異性の原則目的とした動作(筋活動)に類似した動作様式のトレーニングを行う必要があるという原則
過負荷の原則トレーニングの負荷は、現在身体が順応している状態よりも強いものである必要があるという原則
漸進性の原則トレーニングの強度は、少しずつ高めていく(漸進させていく)必要があるという原則

※参考資料: 『筋力トレーニング法100年史』 窪田登著、体育とスポーツ出版社発行
『NSCA決定版 ストレングストレーニング&コンディショニング』 金久博昭総監修、ブックハウスHD社発行

ウエイトトレーニングの概要

ベンチプレス

ウエイトトレーニングは、重りや抵抗を用いて行うトレーニング様式です。筋力、パワー、筋持久力などの体力要素を向上させたり、筋肥大や骨密度の増加により体組成を変化させたりすることなどを目的として行われます。

ウエイトトレーニングを行う際は、負荷、回数、セット数、休憩時間、種目の順番など、さまざまな変数を適切に設定する必要があり、専門職(ストレングス&コンディショニングコーチやパーソナルトレーナー)の指導を仰ぐことが望まれます。

※参考資料: 『トレーニング用語辞典』 石井直方総監修、森永製菓株式会社発行
『パーソナルトレーナーのための基礎知識』 福永哲夫総監修、NSCAジャパン発行

ウエイトトレーニングの種類

  • フリーウエイトトレーニング:ダンベルやバーベルなどのフリーウエイト(自由重量)を使用するトレーニング方法です。スクワット、ベンチプレス、デッドリフトなどの基本的な種目から、腕や肩、背中などの特定の筋肉を対象とする多くの種目があります。
  • マシンウエイトトレーニング:フリーウエイトとは異なり、固定された動きをするマシンを使用するトレーニング方法です。マシンは特定の筋肉グループをターゲットにして設計されています。これにより、安全かつ効果的にトレーニングを行えます。
  • ケトルベルトレーニング:ケトルベルと呼ばれる、特殊な形状の重りを使用するトレーニング方法です。ケトルベルスイング、ケトルベルスクワット、ケトルベルプレスなど、多彩な動きが可能で、全身の筋肉を効果的にトレーニングできます。
  • バーボディウエイトトレーニング:バーボディウエイトトレーニングは、バーベルやダンベルなどの外部の重りを使用せず、自身の体重を利用するトレーニング方法です。プッシュアップ、プルアップ、スクワット、ランジなどの種目が含まれます。
  • オリンピックウエイトリフティング:スナッチとクリーン&ジャークという2つの競技種目を中心に構成される、高度な技術とパワーが必要なウエイトトレーニングです。オリンピックウエイトリフティングは、スポーツパフォーマンスの向上や全身の筋力を高めるために行われます。

ウエイトトレーニングの器具(マシン)の種類

ウエイトトレーニングのマシンは、特定の筋肉グループを対象として設計された機器で、安定性が高く、フォームを維持しながらトレーニングを行えます。以下に一般的なウエイトトレーニングマシンの種類を紹介します。

  • チェストプレスマシン:胸部の筋肉を主に鍛えるためのマシンです。一般的にはベンチプレスの動きを模倣し、重りを前方に押し出す動作を行います。
  • レッグプレスマシン:下半身の筋肉、特に大腿四頭筋やハムストリングスを鍛えるためのマシンです。座って足をプレートに押し上げる動作を行います。
  • レッグカールマシン:ハムストリングスを中心に下半身の裏側の筋肉を鍛えるためのマシンです。座って足を曲げる動作を行います。
  • ラットプルダウンマシン:ラットプルダウンマシンは、座って上方に引っ張る動作を行い、背中の筋肉、特に広背筋を鍛えるためのマシンです。
  • ロウマシン:ロウマシンは、座って前方に引っ張る動作を行い、背中の中心にある僧帽筋や広背筋、上腕二頭筋などを鍛えるためのマシンです。
  • ショルダープレスマシン・ショルダープレスマシンは、座って上方に押し上げる動作を行い、肩の筋肉、特に肩関節周囲の筋肉を鍛えるためのマシンです。
  • フライマシン:フライマシンは、座って前方または横方向に押し出す動作を行い、胸部や肩の筋肉を鍛えるためのマシンです。

ウエイトトレーニングを自宅でする際の注意点

自宅でウエイトトレーニングを行う際には、いくつかの注意点を考慮することが重要です。以下にいくつかのポイントを挙げます。

  • 安全な環境の確保:トレーニングスペースを整理し、床面を清潔に保ち、トレーニングエリア周辺に障害物がないことを確認してください。また、使用するウエイトや器具が安全に固定されていることを確認しましょう。
  • 正しいフォームの確保:ウエイトトレーニングを行う際には、正しいフォームを維持することが重要です。誤ったフォームはけがの原因となりますので、動作を正確に理解し、慎重にトレーニングを行いましょう。
  • ウォームアップとクールダウン:トレーニング前にウォームアップを行い、筋肉や関節を準備しましょう。また、トレーニング後にはクールダウンを行い、筋肉の疲労を軽減しましょう。
  • 適切なウエイトの選択:自宅でのトレーニングでは、自身の能力に合った適切なウエイトを選択することが重要です。ウエイトが重すぎるとけがのリスクが高まりますし、軽すぎると効果が得られません。
  • 休息と回復:トレーニングの際には適切な休息を取りましょう。筋肉が十分に回復することで、効果的なトレーニングが可能となります。また、十分な睡眠を確保し、栄養バランスの取れた食事をとることも重要です。
  • 教育と情報の取得:ウエイトトレーニングに関する正しい知識を得るために、信頼性のある情報源やトレーニングプログラムを参考にしましょう。また、トレーナーやコーチからの指導を受けることも有益です。

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NPO法人 NSCAジャパン

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