ショートトラックスピードスケートの歴史・沿革
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ショートトラックスピードスケートはアイススケート競技の一つで、1930年代頃からウインタースポーツとして、ヨーロッパや北米で普及していた。スピードスケートは屋外でも実施されるが、ショートトラックスピードスケートは室内のスケートリンクで行われるのが特徴である。
日本では第二次世界大戦後、昭和20年代後半に競技として大会が開催されるようになった。
オリンピックには1988年のカルガリー大会で公開競技として初めて登場し、続く1992年のアルベールビル大会から正式種目として採用された。
日本代表は、カルガリー大会で初参加以降、全てのオリンピックで参加しています。特に長野大会では男子500mで西谷岳文選手が金メダル、植松仁選手が銅メダルを獲得し、それまであまり耳慣れないスポーツだったショートトラック競技が広く認知される大会となった。
世界では韓国、中国、カナダ、米国等が強豪国であるが、近年ロシア、ドイツ、フランス、イタリアなど欧州各国も実力をつけてきている。日本も過去には数多くの世界チャンピオンを輩出し、指導的立場にありましたが、ここ数年、諸外国の台頭が目覚ましく、苦戦しているのが現状だ。
一方で、日本スケート連盟は小、中学生(9~13歳)対象のノービス大会を数多く主催し、将来のオリンピック選手の育成にも取り組んでいる。
ショートトラックスピードスケートの概要
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ショートトラックのレースは、タイムで競うスピードスケートとは異なり、順位による勝ち抜きで行われる。そのため、スピード能力だけが求められる競技ではなく、駆け引きなどの戦略性も必要で、そこがショートトラックの醍醐味でもある。ゴール直前での接触による順位変動など、予測不能なところも観戦時の見どころの一つだ。
短距離は4名、長距離は6~8名の選手で競う。1周111.12mのトラックで巾7mのコースを高速で競うため、接触によるトラブルでの失格や救済がレフェリーによって判定される。
競技スポーツとしての楽しさとともに、スピードとスリルに満ちたレースは観戦するスポーツとしても面白く、多くの人に楽しまれている。
ショートトラックスピードスケートのルール
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複数の選手が滑るため、基本的には追い抜く側の選手に責任があるあ、抜かれまいと故意に妨害する場合は逆に失格を取られてしまう。スピーディーなレース展開の中でトラブルを判定するレフェリーも大変な仕事といえる。
【競技種目】
男子 | 500m | 1000m | 3000m | 5000mリレー |
---|---|---|---|---|
女子 | 500m | 1000m | 3000m | 3000mリレー |
オリンピックやユニバーシアード、国民体育大会は各距離別に優勝者を決定する。選手権大会は初日に1500mと500m、2日目に1000m、スーパーファイナルとして3種目総合で上位8位までの選手による3000mが行われ、総合得点でチャンピオンを決める。
ショートトラックスピードスケートのコート・用具
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■安全防具
氷上の格闘技といわれるショートトラックのレースは、安全対策とルールを守ることを最重要課題としている。リンクの壁面は厚い防護マットでカバーされ、選手は安全防具として、ヘルメット、手袋、ネックガード、膝当て、肘当て等の着用が義務づけられている。
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■スケート靴
1周400mのスピードスケートと違い、1周111.12m、半径8mのリンクで競うショートトラックはカーブでの足首の負担が大きく、靴は足首までグラスファイバーで固めたものを着用し、ブレードも氷の状態等に応じて調整のできるL字型のカップを使用している。
■リンク
ショートトラックはフィギュアスケートやアイスホッケーと同じ30m×60mのリンクを使用する。
競技会
International Skating Union(I.S.U./国際スケート連盟)主催の大会としては年に6回のワールドカップ(オリンピックイヤーは4回)、世界選手権、世界ジュニア選手権、ヨーロッパ選手権、ユニバーシアード大会(隔年)、冬季オリンピックなどがある。
日本スケート連盟主催大会は全日本選手権、全日本距離別、全日本選抜、全日本ジュニア、全日本ノービス、東・西日本各大会、都道府県対抗競技会、日本学生選手権、ユニバーシアード選考競技会等、約10競技会が開催されている。
公式サイト
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公益財団法人日本スケート連盟