タッチフットボールの概要
タッチフットボール(タッチ&フラッグフットボール)は、アメリカンフットボールのルールをもとにして、安全性を高め、身体接触を最小限に抑えたスポーツです。プレーヤーは相手を両手の手のひらでタッチすること(フラッグフットボールの場合は腰の布をとること)でタックルとみなされます。
アメリカンフットボールとの主な違いは、タックルなどの激しい身体接触がないことに加えて、少人数制であること、フィールドが小さいこと、装具が不要なこと、ルールがわかりやすいこと、試合時間が短いことなどです。安全性を最優先としているため、性別や年齢を問わず、幅広い層が気軽に楽しめます。
タッチフットボールは、格闘競技的な要素を排除しながらも、アメリカンフットボールやラグビーフットボールと同様に、フットボールの魅力を楽しめます。ボールを持って走り回り、パスを投げたり受けたりする要素があります。ゴールはエンドゾーンにボールを運び、タッチダウンを得ることです。また、スピードと戦術も重要な要素です。プレーヤーは素早く動き、相手の守備をかわし、パスやランなどの戦術を駆使してゴールを目指します。
体力や筋力が求められる一方で、タックルのない安全なプレーが可能なため、男女問わず幅広い年齢層の人々が楽しめるスポーツです。さらに、チームワークやコミュニケーションも大切となるため、チームメイトと協力してプレーすることで、社交的な関係を築けます。
タッチフットボールは、アメリカやオーストラリアなどで特に人気があり、地域のクラブやリーグで定期的にプレーされています。また、レクリエーションやフィットネス目的で楽しむ人々も多く、とても人気があります。
タッチフットボールの歴史
タッチフットボールの歴史は比較的新しく、アメリカ合衆国で始まりました。タッチフットボールの起源は、アメリカのアマチュアアスリートによるレクリエーション活動です。フットボールのコンタクト要素を取り除き、タッチダウンやパスプレーなどの基本的な要素を残したゲームが考案されました。
20世紀初頭には、アメリカの学校や大学などでタッチフットボールが行われるようになりました。この時期には、アメリカンフットボールのオフシーズンのトレーニングやレクリエーションとして人気が高まりました。
やがて、アメリカの大学や地域社会で人気を博し、地域リーグや大会が開催されるようになりました。その後、さまざまな年齢層や能力レベルの人々が参加できる形式が確立され、さらに普及しました。
現在では、アメリカ国内だけでなく、世界各国で親しまれ、特にオーストラリアやニュージーランドなどの国々では、地域リーグやクラブ、大会が盛んに開催され、多くの人々が楽しんでいます。
また、地域やコミュニティによってさまざまなバリエーションやルールの変化が見られます。これにより、プレーヤーのニーズや好みに合わせたゲームが楽しめるようになっています。健康促進やフィットネス活動としての側面も重視され、幅広い年齢層や運動能力レベルの人々に愛されるスポーツとして定着しています。
タッチフットボールのルール
タッチフットボールの基本的なルールは以下の通りです。
各チームは主に6人のプレーヤーで構成され、1名のキャプテンが必要です。
キックオフでゲームが開始されます。ボールは一方のチームから相手のチームにキックされ、相手のチームがボールを受け取ります。
プレーヤーはボールを前方へパス(フォワードパス)することができますが、後方へのパスはできません。また、ボールを持って走ること(ラン)も可能です。
ボールを持つチームは、ランやパスを使ってボールを前進させます。相手チームのプレーヤーがボールに触れると、タッチが認められます。
プレーヤーがボールを持って走っている場合、相手プレーヤーがタッチする(触れる)ことでそのプレーヤーがアウトとなります。
相手のエンドゾーンにボールを持ち込むことでタッチダウンが得点されます。
オフェンス側が4回の攻撃権を持っており、その4回の間に合計で10ヤード自陣を前進させることができた場合はさらに続けて4回攻撃権を得ることができます。
ただし、その間にボールをインターセプトされてしまえば攻守が逆転します。また、10ヤード前進できなかった場合も攻守は入れ替わることになります。
タッチフットボールの道具
タッチフットボールをプレーするためには、以下の用具が必要です。
- フィールド:幅が40ヤード、長さが10ヤードの両エンドゾーンを含めて80ヤードです。ゴールポストは使用しません。
- ボール:アメリカンフットボールのジュニアサイズのボール(ゴム製)を使います。 サイズは、外周64~65cm、47~48cm、直径15~21cm、重量320~340kg、空気圧1㎠当たり703~949kgです。女子の場合には、握力を考慮して、空気圧1㎠当たり562~949kgを使用します。また、試合の際には、各チーム3個の試合ボールを準備します。
- シューズ:シューズはサッカー用などのスパイクが利用できます(金属製の滑り止めがついているものは使用不可です)。
- ニーパッドとマウスピース:競技会では自他の安全を守るためにニーパッドとマウスピースの着用が必要です。
- ジャージ:チーム分けをするために、各チームは異なる色のジャージを着用します。ジャージはプレーヤーの身元を識別するためだけでなく、快適性や運動の妨げにならないように設計されています。
これらの用具が基本的なタッチフットボールのプレーに必要なものです。ヘルメットやパッドなどのプロテクティブギアが使われる場合もありますが、通常のアメリカンフットボールとは異なり、コンタクトのないゲームであるため、それらの装備は必須ではありません。
関連リンク
日本タッチ&フラッグフットボール協会(JTFA)
https://sites.google.com/view/jtfa