歴史と沿革
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生涯スポーツとしての太極拳
太極拳は中国の伝統武術のなかの一流派で、1950年代半ばから、当時の中国政府によって国民の健康増進に役立つスポーツとして普及が図られました。
日本では1960年代に日中国交正常化が進展するなかで徐々に太極拳の普及が始まり、1970年代に入って民間交流が盛んになる頃には全国各地に普及団体が誕生しました。また、その頃、香港映画などで中国武術が「カンフー」の名称で紹介されブームが起こり、日本の青少年の間で中国武術(長拳、南拳、伝統拳術等)が普及し始めました。
こうした経過のなか、太極拳と中国武術を総称するために、日本では「武術太極拳」の名称を用いて、生涯スポーツと競技スポーツの両分野で普及振興を図ることになりました。国際的には“WUSHU TAIJIQUAN(ウーシュー・タイジーチュアン)”の名で知られています。1987年に全国各地から48の太極拳普及団体が参加して日本武術太極拳連盟(Japan Wushu Taijiquan Federation/JWTF)が設立されました。翌1988年には社団法人に認可され、2011年現在は公益社団法人への移行手続き中です。
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ジュニア層も増加中
生涯スポーツとしては2010年の推計で、50~60歳代を中心として日本全国に150万人の愛好者がいると言われています。また、競技スポーツとしては1990年に中国・北京市で開催された「第11回アジア競技大会」で、武術太極拳は史上初めて正式実施競技に採用されました。以後、2010年第16回中国・広州アジア競技大会まで連続して実施競技となり、2014年第17回韓国・仁川大会でも実施されることが決定しています。
競技方法
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すばやい動きの長拳
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競技には高難度の動作も
中国の伝統的な武術の流派や種類は数百種類と言われるほど多数ありますが、中国武術を現代的な競技スポーツとして普及するために、特徴が際立つ以下の3種類が選定され、競技活動が行われています。
1. 太極拳 : 柔らかくゆっくりとした動作
2. 長拳 : 動作が速く跳躍技、足技等を含む
3. 南拳 : 中国南方の武術で力強い動作
競技は2つに大別されます。まず、「套路(とうろ)」競技は型演武の個人競技で、各種目の採点基準に基づいて成績を競います。種目には、徒手種目(手具などを使わず、身体だけで演技する)と、剣術、刀術、棍術、槍術などを使う器械種目があります。
もう一つの競技は「散打(さんだ)」競技と呼ばれ、2人の選手が打つ、蹴る、投げる等の技を用いながら3ラウンド制で戦う対抗戦です。国際競技大会では套路競技と散打競技が行われます。日本は、套路競技では国際的に有力国ですが、散打競技の愛好者や競技者はまだ少ない状況です。
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集団演武の様子
また、生涯スポーツ分野では、「全国健康福祉祭(通称: ねんりんピック)」)や「全国スポーツ・レクリエーション祭(通称: スポレク)」で一競技種目として太極拳が実施されています。個人または団体での参加種目があります。
*より詳しい競技説明やルールについては、JWTF公式サイトをご参照ください。
お問い合わせ先
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公益社団法人 日本武術太極拳連盟(JWTF)