スカッシュの歴史
スカッシュの歴史は約300年前にイギリスで発祥。監獄やお城の”壁”にボールを当てて遊んだゲームが原型と言われています。19世紀半ばに発展、1930年代にイギリス全土に普及していきました。現在では多くのプレイヤー、愛好者がいます。
日本での普及は、1971年に日本スカッシュラケット協会(現、日本スカッシュ協会)が設立された頃から始まり、現在、競技人口10万人、愛好者数は30万人を数えています。
スカッシュの魅力
写真:PSA World Tour
スカッシュの魅力は、「3次元のビリヤード」と言われる変幻自在なボールの動き、それを打ち返すラリーの応酬。スピーディで、30分の運動量がテニス1時間分に相当するというハードさと、初心者でもラリーが続きやすい点が受け、愛好者を増やしました。インドア・スポーツですから、天候に左右されないのも魅力です。近年はピラミッドの前や商業施設内で大会が開催されるなど、非日常を観客が体感できる新しい魅力が生まれています。
スカッシュ 競技方法
用具は長さ68.5cm、重さ190~250gのラケットと、直径約4cm、約2.4gのゴム製のボールです。試合は、5ゲームマッチの3ゲーム先取、または3ゲームマッチの2ゲーム先取で行います。サーブ権が移動するハンドアウト制(1ゲーム9ポイント先取)と、ラリーポイント制(15ポイント先取)があり、セッティング(テニスのデュースに相当:8‐8、あるいは14‐14)の場合にはレシーバー側が、9点で決着するか、10点にするかを選択できます(ラリーポイント制では15点か17点)。
試合は一方のサービスで始まります。サービスボックスに片足か両足を入れ、フロントウォールの有効面(カットラインとアウトオブコートラインの間)に当てて、反対側のサービスエリア内に返します(ハーフコートラインはサービス時のフォルトの判定のみに使用します)。
レシーバーは、ワンバウンドかノーバウンドで、有効面(この場合は、アウトオブコートラインとティンとの間)に打ち返します。その際、サイドウォールまたはバックウォールにボールをクッションさせても構いません。バウンドとしてカウントされるのは床面のみです。
ワンバウンド以内に返球できない場合、ラケットでの2度打ち、有効面を外れた場合(ライン上もアウト)に、ポイントを失います。
スカッシュ危険回避のルール
横6.4m、奥行き9.75mのコートは四面の壁に囲まれ、まさに檻の中で打ち合うようなもの。常に相手にラケットやボールが当たる危険があります。そこで、相手が邪魔でラケットを振れないときはプレイを止め、「レット・プリーズ」とアピールし、審判に判定を委ねるルールが生まれました。審判は2人の位置、ボールの状況を判断して、判定を下します。判定のコールは3種類で、
「レット」→攻撃的なショットは無理でも、返球はできた場合。ノーゲームとして、サービスからやり直し。
「ストローク」→ウイニングショットが打てたという場合。アピールした選手にポイントが与えられます。
「ノーレット」→アピールを認めず、相手側にポイントが与えられます。
初心者には、レットの判断は難しいでしょうが、危険と感じたら必ずラケットを止めることです。また、アイプロテクターなどの保護具を利用することで危険度は低下します。
写真:(公社)日本スカッシュ協会