気功の歴史と沿革
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通慧功創始者、于永昌師
気功は中国古来の「気」と伝統医学に基づいて発祥した健康法の一つで、さまざまな流派に分かれ、それぞれさらに細分化されています。このページでは、医家気功という流派の中の「通慧功(つうけいこう)」を紹介します。日本では主に、国際気功協会が普及活動を行っている気功法です。
● 「気」とは
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「気」の流れる道が経絡です。中でも特に重要なのが、十二臓腑から左右に一本ずつ手や足の指先まで走る十二経絡です。人間が生まれてから死ぬまで、この経絡の中を「気」が流れ全身を巡っています。しかし、どこかの経絡が詰まると、「気」が流れて行けなくなり、その先の組織と器官は気虚状態に陥り、局部は滞っている状態になります。すると、痛みやしびれ、重い、冷たいなどの症状が表れてきます。例えば、気虚状態が肩に起こると肩こりに、腰に起こると腰痛に、心臓に起これば狭心症や心筋梗塞といったぐあいに、さまざまな病気になるというわけです。中国医学のあらゆる治療法(漢方・鍼灸・按摩・気功など)はすべて滞っている経絡を通し、病気を治すものです。通慧功は、この中国医学の原理に基づいて十二経絡の流れる順に従って創り出されたもので、健康や長寿を達成する効果が高いといわれています。
通慧功の概要
通慧功は医家気功であり、性(脳、人間性、道徳品性)の能力の向上と、命(健康、長寿)の達成という二つの目的をもっています(双修の功法)。道家内丹派気功の修行法に基づき、中国医学の臓腑や経絡、ツボなどの理論や「気」の人体観とを合わせて、中国の医師気功家である于永昌(うえいしょう)師によって創りだされた気功法です。初級から上級まであり、年齢や性別を問わず誰でも簡単に練習でき、効果も早く表れるといわれています。
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于永昌師は中国代々の医学・気功養生修行・武術家系に生まれ、幼少の頃より父親から武術と気功(主に道家内丹派気功)、中国医学(漢方、鍼灸、按摩など)を学び、15歳より民間医として医療活動を始め、大学医学部を通じて医師の資格を取得しました。一方で、20代以降、中国気功の五大流派の中の医家気功を発展させようと創出と修正を繰り返し、通慧功としてまとめました。
通慧功の分類と体系
通慧功は、主体功法(通慧功の中心功法)と対症功法(特別な目的と効果を達成する功法)から成り立っています。
●主体功法
入門功法: 十二臓腑の一つひとつに対応し、その臓器を強める
中級功法: 十二臓腑と十二経絡をつなげて強める
上級功法: 完全な内修功法
●対症功法
太極功、八卦功、益寿功: 臓腑を強めるとともに、全身の筋肉、筋、骨を強化し全体の若さを保つ
智功: 脳を活発にして知力・能力を高める
周天功: ガンを癒す
明目功: 眼の気功
舒肩功: 肩こりを癒す
健美化脂功: 痩身