スポーツ鬼ごっこの歴史と沿革
「スポオニ」の愛称でも呼ばれているスポーツ鬼ごっこが生まれた背景は、一般社団法人鬼ごっこ協会代表理事の羽崎泰男が2015年2月に閉館した「青山こどもの城(国立総合児童センター)」で、「鬼ごっこ」を活用して青少年の健全育成や健康増進に生かすために実践活動や実証実験を行ったことを契機としています。運動やスポーツが得意不得意関係なく、遊び感覚で楽しみながら運動できるプログラムとして鬼ごっこの有用性に着目しました。スポーツ鬼ごっこの誕生のもう一つのきっかけとして、デジタルゲームの隆盛があげられます。デジタルゲームのゲーム性や戦略性なども取り入れました。
他の要素としては、陣取り鬼、ことろことろ、Sケン、缶けりなどの運動遊びの特長やルールも取り入れています。
スポーツ鬼ごっこのルール
スポーツ鬼ごっこは、7人制で決められたコートの範囲内で、2チームに分かれて対戦形式で行う鬼ごっこです。相手陣地にあるトレジャー(宝)を獲得するとポイントを取ることができます。
<ルール>
① 時間内にトレジャー(宝)を多くハント(獲得)したチームが勝ちとなる。
② 相手のトレジャーを取りに行きながら、自陣の宝を守る。
③ タッチする時は、必ず両手でしっかりとタッチする。
④ Tサークルの内側には守りの選手は入ってはいけない。
⑤ センターラインを越えて敵陣に入り、相手にタッチされたら自陣のSエリアに戻れば、再スタートすることができる。
⑥ 敵陣のSエリアに入ると相手からタッチをされない。
⑦ タッチする時に、押したり、叩いたり、危険な行為はしてはいけない。
<概要>
・試合時間:5分間×2(ハーフタイム2分間)
※基本的な公式ルールではこの時間ですが、カテゴリーや大会趣旨に応じて変動をして行います。
・コート内人数:7人制(1チーム10~12名編成)
・審判員スタッフ:主審1名、副審2名、スコアラー1名
<競技備品>
・ホームトレジャー
・副審フラッグ
■スポーツ鬼ごっこの競技目的
①青少年の健全育成と基礎体力の向上
「鬼ごっこ」を通じて、体を動かして遊ぶことの大切さを伝え、明るく元気で、健康的な心身づくりを行っていきます。全身運動を通しての基礎体力の向上を図っていきます。
②コミュニケーション能力・チームワークの向上
年齢や性別に関係なく楽しむことができます。チーム内で声を掛け合い、チームで一緒に戦術を考える中で、コミュニケーションが生まれます。
③運動が苦手な子どもや大人のためにスポーツや運動遊びの場を提供
運動神経の有無にかかわらず、みんなで一緒に楽しさを共有することができます。運動する機会の少ない子どもも大人も気軽にすぐに参加できます。
④子ども達の考える力・創造力・想像力を鍛える。
あくまでもスポーツという位置づけの「鬼ごっこ」です。スポーツということは必然的に勝ち負けが付きます。そうなれば、どうすれば「勝てるのか?」をチームメイトと一緒に考える中で、考える力・創造力・想像力を鍛えることができます。
■スポーツ鬼ごっこのこれから
スポーツ鬼ごっこは、現在、「鬼ごっこリーグ」というプラットフォームを活用して大会やイベントが開催されています。スポーツ鬼ごっこの大会やイベントは、日本各地で開催されており、子どもから大人までが気軽に参加することができます。社会課題として、子ども達の基礎体力・運動能力の二極化や部活動の地域移行など、子ども達がスポーツや運動をする上での環境は変化が生まれています。スポーツ鬼ごっこは、運動の好き嫌いや経験の有無に関わらず楽しめるのが魅力です。世界中でも、鬼ごっこは様々な名称や遊び方で親しまれているため、これからは日本のみならず世界でも普及が期待されています。