歴史と沿革
飛行機に乗りたい! 空を飛びたい! と、誰もが一度は願うもの。そんなスカイレジャーを手軽に楽しめる簡易構造の飛行機が日本に入ってきたのは、1970年代初頭の頃です。こうした飛行機は、日本では超軽量動力機と呼ばれますが、国際的にはマイクロライトプレーンと呼ばれています。
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マイクロライトプレーンはもともとハンググライダーにエンジンを付けたのが始まりといわれていますが、今では、初期の頃のようなパイプを組み立てた簡易な機体から小型飛行機と見まがうような機体まで、多種多様な飛行機が飛んでいます。
日本で飛ぶマイクロライトプレーンのほとんどは、機体の重さが225kg以下の超軽量動力機と呼ばれるものです。この飛行機は操縦の方法によって3種類あります。ひとつは飛行機型の「舵面操縦型」、もうひとつは翼にハンググライダーを使う「体重移動操縦型」、そして翼の代わりにパラグライダーを使う「パラシュート型」です。これら3つは外観だけでなく、操縦方式も全く異なりますが、「操縦者が着座姿勢で飛行できる着陸水装置と動力装置を装備した簡易構造の飛行機」であるという点で共通しています。
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日本に入ってきたばかりの頃、機体は非常に簡単な構造であり、飛行機の概念には該当しないと考えられ、国内でも自由に飛んでいました。しかし、1982年に航空局の通達で飛行機と判断されたことで航空法の適用を受けることになり、以来、空を飛ぶには航空法に基づく飛行許可が必要になりました。とはいえ、マイクロライトプレーンは依然として、手軽に安価に操縦桿を握り、空の散歩を楽しむことのできる飛行機であることは間違いありません。
●飛ぶためには~許可の取得法
マイクロライトプレーンは飛行機なので、安全性を確保するために航空法に基づいて国土交通省からの許可を受ける必要があります。まず、航空法第11条第1項但し書きに従い、超軽量動力機の機体を飛ばして良いかの許可を受けなければなりません。耐空証明(*1)を取れない簡易な飛行機なので、まずはレジャーのための試験飛行をして良いかの許可をとります。
次に、同法28条第3項の規定に基づいて、試験飛行をして良いとの許可を受けた超軽量動力機で、航空法第79条の許可を受けた場外離着陸場において飛行してよいかの許可を受けます。
その際、機体を操縦する技量があるかを航空局に確認した「技量習得確認書」を添付します。この確認書を受けるためには、自動車のような教習所はなく、愛好者が集まって飛行を楽しんでいるクラブで講習を受け15時間以上の飛行経験を積んだ後、その操縦指導者の証明書を添えて航空局に申請します。
(*1)耐空証明: 航空法に基づき、航空機の安全性について国土交通大臣が証明する制度。
機体の構造や強度、および飛行性能等が基準に適合しているか検査、判断される。
NPO法人 日本マイクロライト航空連盟(JML)
日本におけるマイクロライトプレーンの普及・振興を図ることを目的に、日本マイクロライト航空連盟(JML)が1995年に発足し、2000年に特定非営利活動法人(NPO)となりました。超軽量動力機の愛好者の団体として、超軽量動力機に関する問い合わせや相談に応じるほか、講習会や競技会の開催、飛行許可取得支援なども行っています。
お問い合わせ先
NPO法人 日本マイクロライト航空連盟
〒105-0004 東京都港区新橋1-18-1 航空会館9F
TEL:03-3519-2645 FAX:03-3519-2646