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「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

真向法

真向法の成り立ち

真向法体操は、自身の健康上の問題に直面した、長井津(ながい わたる)の経験から生まれたものです。長井津は福井県の勝鬘寺で生まれ、商業界で成功を収めた後に健康上の問題に直面しました。42歳のときに脳溢血で倒れ、一時は不治とされるほどの状態になりました。

長井津は自身の回復と健康を求めて、仏教の教えから着想を得て体操を始めました。特に、仏弟子たちが行う礼拝の姿勢からインスピレーションを受け、みずからの身体を柔軟にするための体操を開発しました。この体操が後に真向法体操として知られるようになりました。

真向法体操は、腰を屈伸する礼拝体操として始まりましたが、長井津自身が身体の柔軟性や健康を取り戻し、その効果を体験しました。彼の自己努力と回復の過程は、現代でいう「リハビリテーション」に似ており、自然の治癒力を引き出すことに成功した例として挙げられます。

このようにして、真向法体操は誕生し、後に多くの人々に健康増進の手段として受け入れられるようになりました。その後、真向法体操は長井津の教えを継承する真向法協会によって普及され、広く知られるようになりました。

真向法の動作

真向法の4つの基本的な動作は、呼吸とともに行われ、それぞれ特定の筋肉や関節の柔軟性を向上させることを目的としています。

第一体操
・動作:足裏を合わせて座り、前屈(上体を前に曲げる)と起き上がりを繰り返します。
・目的:尻から足にかけた外側の筋肉を伸ばすことが目的です。

第二体操
・動作:両脚を伸ばして座り、前屈と起き上がりを繰り返します。
・目的:太ももの後ろからふくらはぎの筋肉を伸ばすことが目的です。

第三体操
・動作:脚を左右に開脚して座り、前屈と起き上がりを繰り返します。
・目的:脚の内側の筋肉を伸ばすことが目的です。

第四体操
・動作:割り座で座り、背を後ろに倒し、ゆっくりと腹式呼吸を行います。
・目的:足首と膝の関節を柔らかくすることが目的です。

これらの動作は、呼吸とともに行うことで効果的に身体の筋肉や関節の柔軟性を向上させることができます。日常生活において短時間で行えることから、多くの人々が真向法を健康維持やストレス解消に取り入れています。

真向法の効果

真向法体操の効果はアンチエイジングに特に注目されています。アンチエイジングとは、心や身体の時間の進行を遅らせ、精神や肉体の老化速度を緩やかにすることを目指すものです。真向法体操は、シンプルな4つの動作から成り立っており、それを1回3分程度行うことで、健康や若さの維持に効果を発揮します。

また、股関節を中心に呼吸と合わせて行うストレッチ運動により、身体の調子を整え、腰痛や肩こりの改善、血液循環の促進、骨盤や姿勢の調整、心身のリフレッシュなどに効果があります。また、特別な道具が不要であり、畳1枚分のスペースがあればどこでも手軽に行えるため、多くの人々に利用されています。

こうした効果のメカニズムは、股関節や骨盤を中心に周辺の靭帯(じんたい)や下肢の筋肉をストレッチすることで、血液やリンパ液の循環を促進し、新陳代謝を高めることにあります。特に、下肢の筋肉は多くの血管を持ち、骨格筋ポンプと呼ばれるメカニズムにより、血液を心臓方向に戻す役割を果たします。真向法体操はこの骨格筋ポンプを活性化させ、全身の循環を改善します。

さらに、真向法体操では正しい姿勢や身体の使い方を学ぶこともできます。股関節を軸にして腰を中心とした運動を行うことで、身体の正しい使い方を習得し、さまざまな健康上の問題やスポーツのパフォーマンスの向上にも効果が期待されます。

真向法体操は、古来日本で重視されてきた姿勢や身体の使い方の大切さを体現しており、健全な精神と健全な身体を追求する、日本の伝統的な価値観とも深く関連しています。

最後に、真向法体操を行う際には正しい姿勢と動作が重要であり、無理をせずに少しずつ行うことが大切です。疑問や問題があれば、教室などで専門家に相談することも有益です。

関連リンク

公益社団法人 真向法協会
https://makkoho.or.jp/