コーフボールの歴史・発祥
1902年、オランダで生まれたニュースポーツである「コーフボール」。教師のニッコ・ブロークフィセ氏が、少年と少女が混合で楽しめる屋外スポーツとして、バスケットボールのルールを基に考案された。「コーフ(Korf)」はオランダ語で、「バスケット(籠)」を意味する。
屋外スポーツとして誕生したコーフボールだが、ヨーロッパを中心に屋内または屋外競技として、世界約70ヵ国で普及している。男女混合というルールに、年齢に関係なく楽しめるスポーツということもあり、ファミリースポーツとして広がっていった。コーフボール発祥のオランダにはプロリーグもあり人気を博す。1933年に設立された国際コーフボール連盟(IKF/International Korfball Federation)が各国の関連団体を統轄しており、4年ごとに開催される世界選手権やワールドゲームズなどの国際大会も盛り上がりをみせる。
日本では1991年、男女混合で行える独特のスポーツとしての価値を認めた江橋慎四郎氏(1920年-2018年/元日本コーフボール協会・名誉会長)が、東京でコーフボールの講習会を開催したことが普及の出発点。講師に台湾師範大学の方瑞民氏が招待され、東京のYMCA社会体育専門学校を会場に行われた。同年、日本コーフボール協会が設立され、本格的な競技力向上、普及促進の動きが始まった。
まだ日本では認知度の低いスポーツではあるが、接触を抑えたルールは安全性が高く、気軽に、そして経験や年齢に関係なく始められるスポーツとして、近年競技人口が増えてきている。背景には、日本コーフボール協会がコーフボール体験会の全国ツアーを開催するなど、精力的な普及活動が存在しており、今後ますます注目されるスポーツである。
コーフボールの概要
一見するとバスケットボールに似ているスポーツだが、ドリブルが禁止されている点がバスケットボールとの一番の違いで、パスゲームが中心となる。また、ボールの大きさやゴールの高さ、コートの長さも異なり、特にゴールの高さはバスケットボールが3.05mに対しコーフボールは3.50mと大きく異なる。バスケットボールのようにバークボードもない。
そして、ドリブルが禁止されていることで、頭を上げてパスを出す相手をしっかり探せるため、「空間的知覚」を学習する教材にも適しているといわれている。このように、ドリブル禁止、接触禁止などコーフボール独自のルールで戦略性も必要であるが、男女混合というな大きな特徴があるため、より一体感を味わえるスポーツである。
コーフボールのルール
コーフボールの主なルールは以下の通りとなっている。
- 男女混合(1チーム男女各4人の計8人)で行う
- ドリブルは禁止
- ボール持ってから移動できるのは2歩まで
- シュートはどこからでも打つことができるが、どこから打っても得点は1ポイント
- 試合は男女混合で行うが、異性をマークすることは禁止
- 接触プレーは禁止。
- ゲームは前後半30分(ハーフタイム10分)
※大会により異なる場合あり - ディフェンスが至近距離にいるときにシュートを打つと、オフェンスは「ディフェンド」という反則になる。
※至近距離の判断は、ディフェンスが伸ばした手がオフェンスの胸元に届くほどの距離。
コーフボールのコート・用具
- コート: 縦40m、横20m
- ポール: 長さ3.5m
- 籠: 直径40㎝のプラスチック製のリング
- 土台: ポールを差し込む土台、重さ40kg
- ボール: 国際コーフボール連盟公式球、直径22cm
公式サイト
日本コーフボール協会