カバディの歴史と沿革
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インドを中心にバングラディシュ、パキスタン、スリランカ、ネパールなどの南アジアの国々では、 二千年以上の歴史を持つ伝統のあるスポーツ。特にインドやバングラディシュでは国技として人気が高い。
約二千年前のインドで、猛獣を数人で取り囲み、武器を持たずに捕らえるという狩りの手法があり、これがカバディの起源といわれている。
競技としてのカバディは、1980年第11回アジア競技大会(北京)から正式競技種目となり、 1994年第12回アジア競技大会(広島)と1998年第13回アジア競技大会(バンコク)に日本人選手を派遣している。
日本国内でのカバティ競技は、98年にインドチームと初めて国立代々木第二体育館で対戦が行われた。 以後、毎年、全日本大会を首都圏で開催し、日本代表選手の選考会も兼ねて海外試合に選手を派遣している。
用具を必要としないカバディは、東南アジアで広く普及し、競技人口はとても多く人気競技である。ルールや競技方法もシンプルな分、奥が深く、プレーヤーのレベルに応じたプレイができる。体をぶつけあって遊ぶことの少なくなった現代の子供たちには、最適なスポーツといえる。 わが国でもカバディを楽しむ人は増えてきている。
競技方法
競技の特徴をひとことでいえば、鬼ごっこと格闘技をかけあわせたようなもの。何も道具を必要とせず、 タテ12.5m×ヨコ10m(女子は10×8m)のコートさえあればプレーできる(下図参照)。
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1チーム7人で、試合時間は前後半各20分(女子は15分)。得点はタッチ1人につき1点、攻撃に失敗すると守備チームに1点加算される。競技選手には体重制限があり、85kg未満が条件。試合は攻撃と守備を交互に行う。攻撃側1名(レイダー)が、相手側コートのセンターにあるボークラインを越えた時点でプレーが開始され、守備側(アンティ)のコート内でプレーは展開される。
カバディで得点となるプレイとルール
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1. レイダー1人が相手コートに攻め入り、守備側のプレイヤーの体にタッチした後、指先だけでもミッドラインを越えて自陣に戻れば1点の獲得。タッチされた守備側プレイヤーは、その時点でコートアウト(シッティングブロックに一時退場)しなければならない。
2. レイダーが守備側に捕まって自陣に戻れないときは、守備側の得点となる。ただし、捕まえ損ねて自陣に戻られた場合は、攻撃側の得点となり、同時にレイダーの体に触れた守備側プレイヤーはすべてコートアウトとなる。
3. 得点すると、自陣からコートアウトしている選手が、得点分の人数だけコート内に復帰できる。また、チームの選手が全員が退場になった場合、相手チームに2点を与え、全員がコートに復帰して試合を再開できる(これを「ローナ」といい、英語でいえばリセット)。
4. レイダーは、攻撃中に「カバディ、カバディ」と息継ぎをせずに呼称しなければならず、息継ぎや呼称が途切れればコートアウトとなり、守備側の得点となる。守備側はレイダーに対し、タックルやホールディングなどを試みて、呼吸を途切れさせようと、リスク覚悟の駆け引きをする。
カバディのコート
本来、土と堆肥とおが屑で作られた、平坦で柔らかなグラウンド上で競技されるが、日本には柔らかい土のグラウンドが少ないので、体育館でプレーされることが多い。
コートはインサイドラインとエンドラインの内側を使用し、攻撃側も守備側もラインを足が越えた場合はアウトとなる。ただし、攻撃手のタッチが決まった後は、攻撃手は逃げるため、守備側は捕獲のために、両サイドのロビー内も利用できる。したがって、審判員は両サイドラインとエンドラインに4名必要となる。サイドラインの1名の審判員が加点の笛で得点を指示し、得点板に得点を書いて競技者に公開する。最終的に、前後半を終えて得点が勝っているチームが勝者となる。
このように一見単純なスポーツに見えるが、一定レベル以上の試合になると、攻守の緻密な駆け引きと、一転して攻守が入れ替わるので息つく暇がなく、なかなか知恵を必要とするハードで奥深いスポーツといえる。
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