クロッケーのルーツと沿革
ゲートボールは、1947(昭和22)年、北海道在住の鈴木栄治氏が、戦後の混乱のなかで満足な遊び道具のない子どもたちに「明るい笑顔と希望に満ち溢れるように!!」と願い、ヨーロッパで盛んだったクロッケーをベースに「手軽に遊べるスポーツ」として考案しました。
その後、手軽で体力的な負担が少ないこと、また戦略性を要し脳の活性化に役立つという特性から、本来の目的であった子どもたちへの浸透とは反対に高齢者に適したスポーツとして注目を浴び、全国的に広がりました。
現在では、世代間交流などのコミュニケーション・ツールとしての注目が高まり、子どもから高齢者まで、年齢・性別を問わず「いつでも、どこでも、誰とでも気軽に楽しめるスポーツ」として、新しいゲートボールへと変わりつつあります。
日本の愛好者数は100万人以上と言われており、その勢いは日本国内にとどまらず、アジアや南米地域を中心に世界30以上の国と地域で約1,000万人の愛好者が楽しむ世界的なスポーツとしても成長しています(平成18年1月現在)。
クロッケーのゲームの魅力
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近年における子ども教育の変化に伴い、競技スポーツ、レクリエーション・スポーツとしての両面を持つゲートボールがもたらす効果・魅力が再認識され、現在は、多くの小・中学校などでクラブ活動などに採択されております。
- 1試合30分で、多くの道具や高価な施設を必要としない「手軽さ」
- 体力や体の大きさなど、身体能力の差が関係なく遊べる「平等さ」
- 選手同士がぶつからない、何かをぶつけ合わない、安全な「ノン・コンタクト・スポーツ」
- 人を思いやる心を育成する「チーム・スポーツ」
- チーム戦略と個人プレーを組み合わせた「体と頭を使うスポーツ」
- 年齢・性別を問わず、全世代が一緒に遊べる「オール・エイジ・スポーツ」
- 言葉や文化の違い、そして障害の垣根を越えた「バリアフリー・スポーツ」
同じ道具やコートで、誰もが対等のプレイヤーとして楽しめる「ゲートボール」。仲間同士はもちろんのこと、時には、「子ども」対「大人」や、世代が違うチームが一緒になる「家族」、「地域」対抗戦など、様々な目的に合わせて遊べることができ、またレクリエーションや真剣勝負の中で生まれてくる絆・ふれあいを育んでいくこともできるスポーツです。
クロッケーのコート
コート面の素材は特に定められていません。日本国内ではクレイ(土)面が一般的ですが、天然芝や人工芝のコートもあります。また、コートのサイズには幅が設けてられており、一般的には小サイズ(17m×22m)が大半ですが、場所の条件や利用目的によって自由に設置できるようになっています。
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用具
スティック
以前は木製が主流でしたが、現在は様々な素材(カーボン、チタン、アルミ、ステンレスなど)でできています。
ボール
当初は木製でしたが、現在は合成樹脂でできており、1番から10番までの10個のうち、先攻チームが赤ボール、後攻が白ボールを使用します。
競技方法
ゲートボール競技は、1チーム、監督1名(専任)、競技者5人、交代者3人以内で構成され、5人対5人のチーム戦で行います。 競技のすすめ方: | ![]() | ||||||||||
1. | 先攻チームは「1番、3番、5番、7番、9番」の奇数、後攻チームは「2番、4番、6番、8番、10番」の偶数の打順となり、打順と同じ番号のボールを使用し、1番より順次一回ずつ打撃していきます。10番の次は、また1番に戻り、競技時間終了まで繰り返します。 | ||||||||||
2. | 各選手はスタートエリアから第1ゲート通過を目指しますが、第1ゲートはスタートエリアから一打で通過しなければなりません。通過できなかったときは、次の打順でやり直しとなります。 | ||||||||||
3. | 第1ゲート通過後は、第2、第3ゲートと順次通過し、最後にコート中央にあるゴールポールに当てると「上がり」となり、その選手のプレーは終了となります。 | ||||||||||
4. | 自分のボールをコート内にある相手のボールに当てることを「タッチ」といい、タッチした自分と相手のボールがともにコート内に残った場合、次の順序で「スパーク打撃」をします。タッチやスパーク打撃によって、相手のボールをゲート通過や「上がり」にすることもできます。 | ||||||||||
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5. | 通常は一回の打撃で打順を交代していきますが、「ゲート通過」と「スパーク打撃」を成功させたときは、連続してもう一回自分のボールを打つことができます。 | ||||||||||
6. | プレー中、ボールがコートの外に出た場合は「アウトボール」となり、次の打順ではコートの中に入れることしかできません。ゲート通過は成立しませんし、コート内のボールに当てると反則となります。 | ||||||||||
7. | 各ゲートの通過はそれぞれ1点、「上がり」になると2点の得点が加算され、選手1人の最高得点は5点となり、競技時間終了時のチームの総得点で勝敗を決定します。 |
ゲートボールは頭脳派スポーツ?
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ゲートボールは単にゲート通過を競い合うのではなく、30分という限られた時間の中で、コート内にある10個のボールで連携を取りながらチームプレーで勝利する、戦略性の高い特質を持っています。
- 例えば、第1ゲートを通過した後、そのまま一打で第2ゲートを通過することは大変難しいものですが、味方のボールがゲートまでの間に入ることで、「タッチ」と「スパーク打撃」をしながらゲートに近づき、ゲート通過を容易にすることが可能です。また、味方のボールがゲートの近くにあるときは、その味方のボールのところまで進めれば、今度は味方が自分のボールに「タッチ」して、代わりにゲート通過させてくれることも可能です。このように互いのボール同士が助け合いながら進めていくことが重要となります。
- 逆に、自分の打順より前の番号の相手チームのボールが近くにあると、次の打順のときに、相手チームに「タッチ」されて不利な場所に移動されてしまいます。つまり、ボールの配置によって、それぞれ進める場所と進めない場所が決まる、陣地取り的な要素があります。
ゲートボールは攻める順番が一回ずつ交代するため、常に変化する相手チームのボール配置や順番を読みながら、いかに点を取られないようにして、かつチームの得点を重ねていくか、この作戦をリアルタイムで組み立てていく面白さがあります。
問い合わせ
ゲートボールは、「高齢者のスポーツ」というイメージと違い、実際にやってみると、意外と難しく、精神面や集中力が養われるのはもちろんのこと、コートのなかにある10個のボールの配置から、「自分がどうプレーすれば仲間の勝利につながるか」というチームプレーや作戦が重要で、大変奥が深く、頭の体操にもなり、まさに、心と身体の育成に適したスポーツです。また、様々な世代や環境の違う人たちとの交流や海外との交流も各地で盛んに行われており、人と人を信頼でつなぐコミュニケーション・ツールとしても最適なスポーツと言えます。
ぜひ、スティックを握り、ボールを打撃し、ゲートをはずしたときのくやしさ、もどかしさ、ゲート通過やロングタッチを決めたときのうれしさを、家族、地域のみなさんで体験してみてください。
お問い合わせ先
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