ダブルダッチの歴史・発祥
ダブルダッチの歴史は、300年以上前に、アメリカ合衆国のハドソン川ほとりのニュー・アムステルダム(現在のニューヨーク)に入植したオランダ人によってアメリカに持ち込まれた“なわとび”である。 ダブルダッチという言葉は、オランダ人が複雑でおかしなことをした時に、それを指して言うイギリス人の俗語で、イギリス人がこのゲームにダブルダッチという名を付けた。
家の前の狭い道路でも、わずか2本の物干しロープがあれば出来るこという、その気軽さから、当時、子供達の間に広まっていった。しかし、交通が激しくなり遊びも豊富になった1950年代の終わり頃から、ダブルダッチはすたれ、人々の間でダブルタッチを楽しむ様子がなくなってしまった、忘れ去られてしまったという歴史がある。
その後、1973年、ニューヨーク市警の2人の警察官がダブルダッチを楽しむ女の子達の姿にヒントを得て、ルールを作り、新しいスポーツとして再生した。翌74年「第1回ダブルダッチ・トーナメント」が開催され、現在では全米で大人気のスポーツのひとつとなり、若者、子ども達を中心に世界に広がっている。
日本では1996年4月に日本ダブルダッチ協会(略称:JDDA)が正式機関として発足。ダブルダッチの普及活動を行なっている。その華麗な技やスピード、スタイリッシュさもあり、多くの大会も開催。日本代表チームは主要国際大会でも好成績をおさめるまでに、競技力が向上している。
ダブルダッチの概要
ダブルダッチは2本のロープを使って跳ぶなわとび。3人以上で行うが、向かい合った2人のターナー(回し手)が、右手のロープと左手のロープを半周ずらせて内側に回す中を、ジャンパー(跳び手)が色々な技を交えて跳ぶ、というものである。手軽に誰にでもできて、集中力、持久力、リズム感、創造性、バランス、そしてチームワークが自然に身につく楽しいスポーツとなっている。
ダブルダッチのルール
スピード、規定、フリースタイル、フュージョンの4種目があります。その内、スピード、規定、フリースタイルは、シングルスとダブルスに分かれている。
※ シングルス:2人のターナーと1人のジャンパーの計3人で行う。
※ ダブルス:2人のターナーと2人のジャンパーの計4人で行う。
【競技種目】
1.スピード
2分間にいかに速く跳ぶことができるかを競い合う種目。ジャンパーの左足が床についた回数を数える。シングルスの世界記録は400回を超える。公認日本記録は376回。
2.規定
決められた時間内(シングルスは25秒、ダブルスは35秒)に定められた演技を行う。正確さ、優雅さが判定の基準となる。ダブルスは、二人のジャンパーが同時に演技を行うので、二人の正確で一致した動きも判定の基準となる。
3.フリースタイル
1分間でチーム独自の演技を行う。チームワークと高度なテクニック、オリジナリティが高得点に繋がる。演技中にジャンパーとターナーが交代できる。
4.フュージョン
フリースタイルの演技に、音楽を融合(フュージョン)させたもので制限時間内(2分から2分30秒)にチーム独自の演技を行う。メンバーの人数は無制限で、演技中に、ジャンパーとターナーが交代することも認められている。
ダブルダッチのコート・道具
必要なものは、同じ長さの2本のロープ(太さ8mm)だけ。シングルス用は、3.05m以上3.66m未満、ダブルス用は3.66m以上4.27m未満のロープを使用する。JDDA公認のロープは、(株)アシックスとミズノ(株)で販売している。
ダブルダッチの日本での普及状況
国内ではJDDAが主催するダブルダッチ・チャレンジ in TOKYO、兵庫県協会が主催し、JDDAが後援するダブルダッチ・チャレンジin神戸などが開催されている。このイベントは、講習会と競技会がセットとなったもので、初心者でも講習を受けた後に競技会に参加可能である。
東京で月に1回、「縄日」と称し愛好者が公園の決まった場所に集まり、お互いに技を披露し合うなどダブルダッチを楽しんでいた。そして、この「縄日」は東京だけでなく全国に広がりをみせ、人気を博した。幼稚園児から50代のママさんチームまで幅広い年齢層で愛好されているダブルダッチ。愛好者人口は2万人を数えており、今後ますますの発展が期待されている。