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「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

チュックボール

チュックボールの歴史

チュックボール(Tchoukball)は、スイスの生物学者であるハーマン・ブラント博士(Dr Hermann Brandt)の論文をもとに考案されたスポーツです。
1960年代初頭、ブラント博士は、スポーツのプレー中に発生するけがを減らすための新しいスポーツを模索していました。その結果、彼はボールが壁にはねかえることで競技が進行するチュックボールを開発しました。

1965年にはじめて公式ルールが確立され、翌年にはスイスで最初の試合が開催されました。その後、チュックボールは国際的に普及し、1970年代には国際チュックボール連盟(Fédération Internationale de Tchoukball)が設立されました。

日本に紹介されたのは1980年のことで、1981年には日本チュックボール協会が設立されました。

チュックボールの概要

パスカットなど、 相手チームへの妨害行為をすべて禁じられているため、ハードな接触プレイなく楽しむことができます。
攻撃や守備の際に、妨害行為が全くないので、ゲームはシュートとキャッチの攻防に集約されます。そのため、「チュックボールは予測のゲームである」と言われています。つまりシュート側は、守備側のポジションからキャッチできない方向を予測し、 リバウンドするようなシュートをします。守備側は、リバウンドボールがどこにくるか、シュート側のねらいはどこかを予測し、守備体系を整えます。

チュックボールのルール

試合は3ピリオドに分かれており、1ピリオドは15分です。各ピリオド間に5分間の休憩をとります。

1チームの選手登録は12人まで。試合は12人中7人が出場し、残りの5人は交代選手となります。

コート内に設置されたネットに、ボールをシュートし合います。ハンドボールに似ていますが、ドリブルはありません。ただし、ネットにシュートをしただけでは得点にならず、ネットからはね返ったボールを、守備側がダイレクトにキャッチを試み、キャッチに失敗すれば、シュート側の得点となります。

ボールがネットからはね返って、シュート側の得点となるには、ほかにも以下のようなケースがあります。

  • 守備者がボールをキャッチする前に、競技エリア内にボールが落下する。
  • 守備者がキャッチしようとしたボールをコントロールできずに、ボールが競技エリア内に落下、または競技エリア外に出る。
  • 守備者の膝より下にボールが触れる。

以下のようなケースでは、守備側のチームに加点されます。

  • シュートしたボールがネットに当たらない。
  • リバウンドしたボールが、立ち入り禁止エリア内または競技エリアの外に落下する。
  • リバウンドしたボールが、シュートした選手に当たる。
  • リバウンドしたボールに、シュート側のチームメイトが立ち入り禁止エリア内または競技エリア外で触る。
  • リバウンドボールを、シュート側のチームメイトが立ち入り禁止エリア内または競技エリア外に落下するのを防ぐために故意に触る。

以下は反則行為となります。

  • ひざより下の部分にボールが触れる。 (膝または膝当てとの接触はセーフ)
  • ボールを持って 3 歩以上動く。
  • ボールを 3 秒以上保持する。
  • 連続したパスのチームカウントが 3 回を超える。 (1人の選手に当たって次の選手がキャッチした場合は パス1とみなす)
  • ボールを持ってコートの外に出た場合またはボールを捕る前の1歩がコートの外にあってキャッチする。
  • パスをしている間にボールを落とす。
  • 相手チームのパスしているボールを奪ったり、パスしようとしたりしているのを妨害する。
  • 相手チームのシュートしたボールを奪ったり、シュートをしようとしたりしているのを妨害する。
  • コート上でチームメイトのリバウンドボールに触る。
  • ひとつのネットに、3回以上連続でシュートをする。(反則によりリスタートされた場合はゼロにリセットされる)
  • 立ち入り禁止エリアに入ってボールをキャッチする。または、キャッチしてから立ち入り禁止エリアに入る。
  • ボール投げる前に、立ち入り禁止エリアに入った場合。
  • ボールがセンターラインを越える前に、スローインした側のネットにシュートする。

チュックボールの道具

  • ボール:一般的には、ハンドボールの3号球(外周55~60cmで重さ450g)が使われていますが、公式な試合球としては、国際チュックボール連盟 (FITB)の基準を満たす必要があります。
    男子の試合球は、外周58cm~60cm、重さ 425g~475g、女子の試合球は、外周54cm~56cm、重さ325g~400gと規定されています。
  • コート:国際チュックボール連盟 (FITB)では、コートの広さは、長さ26~29m、幅15~17mの長方形と規定されています。競技エリアと立ち入り禁止エリアの2つに分かれます。
    長辺はサイドライン、短辺をエンドラインと呼びます。また、両側のエンドラインから中心に位置する実線がセンターラインです。
    立ち入り禁止エリアはエンドラインの中心から半径3mの半円形をコート内に設けたところをいいます。
    一方、日本国内では一般的には長さ40×幅20mのコートが使われています。
  • ネット:弾力性のあるリバウンドフレームネットは、100×100cmほどの大きさのものを使用します。ネットは、立ち入り禁止エリアの直径の中心に設置し、しっかりと固定します。

関連リンク

International Tchoukball Federation (FITB)
https://fitb.org/

日本チュックボール協会 JTBA
https://tchoukball-japan.jimdofree.com/