歴史と沿革
ブーメランの起源は遠く紀元前にさかのぼります。有名なものとしては、古代エジプトのツタンカーメンの墓からブーメランの原型が発見されたということです。
“ブーメラン”の語源は、1788年にキャプテン・クック(英)がオーストラリアのシドニーに上陸したとき、先住民(アボリジニ)が所持していた狩猟用の道具を見て、それは何かと尋ねたところ、“ブーメラン”という答えが返ってきたことに由来しています。
スポーツとして広まったのは、1960年代に科学雑誌にブーメランが紹介され、多くの人が自作したのが始まり。投げると手元に戻ってくる「遊び」中心に広がり、徐々に競技種目が確立され、スポーツとしての競技会が開催されるようになりました。
スポーツとしてのブーメランは、1988年の7カ国による世界大会以来、現在16カ国以上で普及しており、ほぼ2年に1度世界大会が開催されています。競技人口は世界で2000名程度、日本の競技人口は100名に留まっていますが、日本における愛好者(ブーメラン体験者)は1万人を超え、年々増加の傾向にあります。また、全国に約300名の「ソフトブーメラン普及員」認定者がいます。
競技方法とルール
競技は、室内で行うものと屋外で行う2種類があります。室内競技は、ソフトブーメランを用いて誰でも気軽に参加できるという特徴があり、屋外競技は世界大会レベルの高度な技能が要求されます。
ブーメランの特徴は、自作品を含め用具を自由に“調整”できる点にあります。
主な種目は以下のとおりです。
- ブーメランが、どれだけ投げた地点の近くに戻ってきたかを競う「アキュラシー」。
- 常に決められた円からブーメランを投げ、最初に投げた瞬間から5回キャッチするまでの時間を競う「ファーストキャッチ」。
- 直径100mの円内で、ブーメランを投げてからキャッチするまでの滞空時間を競う「MTA」。
- 決められた円からブーメランを投げ、飛距離・正確さ・キャッチングの要素で競う「オージーラウンド」。
- 1本のブーメランを使って決められたキャッチの可否を競う「トリックキャッチ」、2本のブーメランを同時に投げて、決められたキャッチの可否を競う「ダブリング」(トリックキャッチ/ダブリングは1種目として取り扱われる)
いずれの種目も、1回の試技で飛距離が20メートル以上ないと無効になるというルールがあります。