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国際情報
International information

「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

知る学ぶ
Knowledge

日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

ボート

アメンボウのように水面を疾走する、水上スポーツの華

歴史と沿革

ボートは古代から移動や物流の手段として利用される一方、スポーツとしても親しまれてきました。現在のボート競技に近いかたちで定着したのは中世以降、ボートレースの語源である「レガッタ」も当時に由来します。その後、貴族の賭けの対象として楽しまれた時期もありましたが、現在ではヨーロッパを中心にアマチュアリズムの真髄を守るスポーツとして高い人気を誇っています。

国際ボート連盟(FISA)は近代オリンピックにいち早く参加を決め、悪天候で中止となった第1回アテネ大会以外は連続して参加しています。

日本にボート競技が伝えられたのは1866年(慶応2年)。以来、文明開化から近代化への波の中で、帝国大学をはじめとした教育機関を通じて全国に普及していきました。現在は、実業団やクラブチームから、大学、高校まで全国的に幅広く活動が行われ、北京オリンピックでは、男女の軽量級ダブルスカルが世界の頂点を狙っています。さらに、こうしたトップ選手の国際競争力のアップとともに、近年新たに中学生と、27歳以上のマスターズ層向けの全国大会が生まれるなど、ボートファンの裾野が広がりつつあります。

競技方法

国際的な公式レース(オリンピックや世界選手権)、全日本クラスの公式レースは直線2,000メートルの静水(流れのない水域)でブイによってセパレートされたコースを使って行われます。競技艇のトップ(先端)を揃えてスタートし、先にトップがゴールした艇を勝者とします。

競技種目は男女それぞれ、スカル種目(選手一人が左右両舷2本のオールを操る)と、スウィープ種目(選手一人が左右いずれかの舷のオールを操る)に分けられ、さらに乗艇する人数によって細分化されています。スカル種目はシングルスカル、ダブルスカル、クウォドルプル(4人乗りスカル:舵手つき/舵手なしの2種目)の計4目、スウィープ種目にはペア、フォア、エイトがあり、それぞれコックスと呼ばれる舵手が乗艇しますが、ペアとフォアにはコックスが乗艇しない「舵手なし」の種目もあります。

以前は、全種目が選手の体重制限のないオープン種目として行われたため、体格に恵まれた欧米クルーに有利でしたが、近年、アジアやアフリカといった地域にもボート競技の普及を図る目的もあり、軽量級種目が新設されました。日本は軽量級では世界のトップクラスの実力で、ワールドカップでは金メダルも獲得。夏の北京オリンピックでも男女軽量級ダブルスカルが初のメダル獲得を狙っています。

公式レース以外にも自然の河川を利用したレースが多数行われています。特に、イギリスのテムズ河で行われるケンブリッジ大学とオックスフォード大学の対校戦は4マイル超(約7km)の長距離レースで、1829年第1回大会が開催され、第1次、第2次世界大戦中の中止はあったものの、長い歴史を誇る大会として有名です。日本でも隅田川で行われる早稲田大学と慶応大学の対校戦、「早慶対校レガッタ」は春の風物詩として親しまれています。

ルール

公式競技はFISAの競漕規則で行われますが、各コースの環境や大会規模により、ローカルルールが適用されることもあります。競漕規則では、定員全員がコースを守り、他の艇の進路を妨害することなく先にゴールした艇を勝者とするのが基本です。採点競技ではなく、一般の観客にも勝敗の判定がわかりやすい点も、ボートの魅力のひとつとなっています。

その他、安全上の理由から艇の強度を維持するために、艇の最低重量が定められています。軽量級種目では選手個人の体重とクルー全員の平均体重にも制限が設けられており、審判員によって厳重な計量が行われます。また、選手の品格も重んじられ、ユニフォームの統一や真摯な競技態度が求められています。

道具・コース

ボート競技はオールで艇を進めるシンプルな競技で、艇とオールはそれぞれ専門のメーカーが設計や材質に工夫を凝らしたものを生産しています。古くは木材中心でしたが、近年ではカーボン繊維や強化プラスティックなどの新素材が使われるようになり、強度向上と軽量化が進んでいます

サイズは、最小のシングルスカルでも小型乗用車より大きく、最大のエイトでは大型トラックで運搬するほどになります。価格は高級車並みで、個人では負担も大きいので、団体で艇庫を所有して保管することが一般的です。また、ボート競技を楽しむにはボートの準備も必要ですが、安全に漕ぐことができる穏やかな水域の環境整備も急務とされています。

最後に、国内の主要大会の日程や成績、ナショナルチームの情報、ボートコースの案内など、ボート関連情報は協会公式ホームページをご覧ください。

お問い合わせ先

(社)日本ボート協会
東京都渋谷区神南1丁目1番1号 岸記念体育館内
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