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国際情報
International information

「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

知る学ぶ
Knowledge

日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

かくだ版アクティブ・チャイルド・プログラム(2020年度 Sport in Life推進プロジェクト )

共同実践事業:角田市(宮城県)

Sport in Life推進プロジェクト とは?

スポーツ庁が実施する、自治体・スポーツ団体・経済団体・企業などが一体となり、国民のスポーツ参画を促進するプロジェクトです。

「第2期スポーツ基本計画」において、成人の週1回以上のスポーツ実施率を65%程度まで引き上げるという目標を掲げました。2018年9月には「スポーツ実施率向上のための行動計画」を策定。これまでは子ども、成人、女性、高齢者などの属性毎に事業を実施してきましたが、目標達成に向け、地方自治体やスポーツ団体、経済団体、企業等が連携・協働してコンソーシアムを形成し、Sport in Life 推進プロジェクトとして一体となって取り組むことにより、多様な形でスポーツの機会の提供、スポーツ参画人口の拡大を図ります。

具体的には、スポーツに関する国民の意識改革、スポーツ実施を阻害する課題解決のための実証実験、様々なスポーツ関係団体が連携したスポーツ実施の機会提供等、スポーツ実施者増加のための取り組み、調査分析を行います。

▶ Sport in Life推進プロジェクト 公式サイト

かくだ版アクティブ・チャイルド・プログラム概要

■Sport in Life推進プロジェクト参画の経緯

乳幼児健診活用事業

乳幼児健診活用事業1歳おたんじょう相談

スポネットかくだでは、健康スポーツ懇談会を開催し、各世代(幼児、小中高生、働く世代、シニアなど)における課題と解決の方向性を整理しております。その中で、幼児期から運動遊びを楽しむ習慣をつけることは、その後のライフステージにおいてもスポーツを楽しむ人を増加させる効果が期待できる点や、保育現場からの運動遊びプログラムや指導に関する研修等の需要が高く、現場との連携のしやすさを考慮し、幼児スポーツ推進を最優先に取り組むこととなりました。

「かくだ版アクティブ・チャイルド・プログラム」のSport in Life推進プロジェクトとしての実施は、事業実施から効果検証まで円滑に進められると同時に、実証実験の先進事例として広く社会に認知されることから、本プロジェクトへの参画に至りました。

■課題

  • 昔と比べ、運動をしない子、苦手な子が多く小学校以前の幼児期に二極化がみられる
  • 運動が苦手な子には丁寧な指導が必要で時間をかけて楽しみのある内容が求められる
  • スポーツに親しむ家庭環境の醸成
  • 日常の遊びにおいて身体を動かす機会の減少、保護者が過度に怪我を恐れる風潮がある

かくだ版アクティブ・チャイルド・プログラムによる課題解決の具体的取り組み

■目的

角田市の幼児期における身体活動・運動面での課題解決、幼児の生涯にわたる健康的で活動的な生活習慣の形成

■実施概要

子育て支援センター・スポーツ交流館事業

子育て支援センター・スポーツ交流館事業

市内の幼稚園、保育所、認定こども園等(以下、「保育現場」)と連携を強化し、発達段階に応じた適切な身体活動・運動(からだを動かすことや遊び)を提供する講習会・出前講座を実施します。この取り組みは、日本スポーツ協会が開発した、子どもが発達段階に応じて身につけておくことが望ましい動きを習得するプログラム、「アクティブ・チャイルド・プログラム(ACP)」の角田版として進めます。

対象は保育現場に通う幼児(0~5歳の未就学児)。保育現場では保育者向けの研修会と出前講座を、乳幼児健診とスポーツ交流館では、乳幼児親子への教室を展開し、身体活動・運動の定着化を図ります。

 

▶アクティブ・チャイルド・プログラム(日本スポーツ協会)

具体的内容要
Sport in Life推進プロジェクトにおいて3つの事業を実施

事業①
幼稚園、保育所、認定こども園等の場(以下、「保育現場」)を活用した事業

実施内容

  • 角田市内保育現場の教諭・保育士を対象に運動あそびについての研修会
  • 保育現場で実践できる「アクティブ・チャイルド・プログラム」運動あそび出前講座(4施設の4・5歳児クラス251名対象)
事業②
乳幼児健診の場を活用した事業

乳幼児健診の待ち時間を活用した運動あそび講座の実施し、市内の乳幼児親子へ発達段階に応じた適切な運動の情報発信をするとともに、運動体験の場を提供

実施内容

  • 「3~5か月健診」(対象30人)での「産後ママのボディケア講座」
  • 「1歳おたんじょう相談」(対象53人)「2歳6か月児歯科検診」 (対象55人)での「運動あそび講座」の実施
事業③
子育て支援センター・スポーツ交流館での運動あそび講座開催

希望者が自由に参加できる「アクティブ・チャイルド・プログラム」運動あそび教室の定期開催

実施内容

  • 対象3~12か月児 /「赤ちゃんママのプチ講座」 各回10組
  • 対象1~2歳児 / 「親子でニコニコ体操」 各回10組(1日2回実施)
  • 対象3歳~未就学児 /「親子運動あそび」 各回10組

スポーツネットワークかくだ(地域スポーツ運営組織)ACP

スポーツネットワークかくだ(地域スポーツ運営組織)ACP

かくだ版アクティブ・チャイルド・プログラム 効果検証と分析結果

スポーツ実施頻度や実施意欲の改善効果

実施内容

■効果検証の概要

対象 現状・課題 実績
未就学児 運動をしない、苦手など、幼児期から二極化がみられる 94.7%の園児が運動あそびを好きになった
保育者、スポーツ指導者 丁寧な指導、楽しみのある内容の提供が必要 現場で講座を受けた保育者の100%が継続の意欲を示した
保護者 スポーツに親しむ家庭環境の醸成が必要 講座参加後96.3%の保護者に意識の変化がみられた

講座後、アンケートを実施し効果検証をおこなった

■効果検証の結果

未就学児

保育者、スポーツ指導者

保護者

■効果検証の結果

スポーツ実施改善の要因の分析(阻害要因や促進要因の仮説検証)

■スポーツ実施改善要因の分析結果概要

ターゲット 効果スポーツ実施の阻害要因、促進要因(事業実施前の仮説) 効果スポーツ実施の阻害要因、促進要因(検証結果)
未就学児 ・運動をしない子、苦手な子が多く小学校以前の幼児期に二極化 講座実施により意欲の向上や気持ちの変化がみられた
保育者、スポーツ指導者 ・運動が苦手な子には丁寧な指導と楽しみのある内容が必要 現場での研修の継続が丁寧な指導や楽しみのある内容提供に効果的
保護者 ・スポーツに親しむ家庭環境の醸成が必要
・日常の遊びにおける身体を動かす機会の減少
・保護者が過度に怪我を恐れる風潮
子どもと一緒に遊ぶことへの重要性の認識や一緒に遊ぶ機会の提供は家庭での運動あそび実施や保護者自身の意識・行動の変容に一定の効果が確認された

■スポーツ実施改善要因の分析結果詳細

未就学児

・「参加前より好きになった」は64.9%と1時間以上の園児より高く、1日の運動時間が少ない園児に対して効果が大きいと考えられる(図表6)

保育者、スポーツ指導者

保護者