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国際情報
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「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

スポーツアカデミー2013 第3回

国際観光とスポーツツーリズム

前観光庁長官 井出 憲文 氏

前観光庁長官 井出 憲文 氏

10月3日、第3回目となるスポーツアカデミーが行われました。今回のテーマは、「国際観光とスポーツツーリズム」と題して、前観光庁長官 井出 憲文 氏を講師に迎えました。

井出氏は、1976年運輸省入省、国際運輸・観光局の業務に就き、1992年4月外務省在ジュネーブ国際機関日本政府代表部参事官に着任されました。その後、鉄道局・航空局・自動車交通局を経て、2001年国交省発足後は、大臣官房審議官などを歴任し、2012年4月から2013年7月末まで観光庁長官を務められました。

今回の講義では、観光大国としての日本の魅力を熟知している井出氏に、国際観光の現状とこれからの展望、また、その中でのスポーツツーリズムの位置づけについてお話しいただきました。

主なポイント

【観光立国への取り組みについて】

「観光立国実現に向けたアクション・プログラム」の策定(平成25年6月)
2013年に訪日外国人旅行者数1,000万人を達成し、さらに2,000万人の高みを目指すために、4つの施策を重点分野としてまとめたもの。

  1. 日本ブランドの作り上げと発信
  2. ビザ要件の緩和等による訪日旅行の促進
  3. 外国人旅行者の受け入れの改善
  4. 国際会議等(MICE)の誘致や投資の促進

※企業等の会議(Meeting)、研修旅行(Incentive)、国際会議(Convention)、展示会(Exhibition)等のビジネス系イベントの総称

【スポーツとツーリズムの融合について】

スポーツツーリズムとは、スポーツを「観る」「する」ための旅行に加え、スポーツを「支える」人々との交流や、旅行者が旅先で多様なスポーツを体験できる環境整備を含む取り組み。

■目指す方向

  1. 「より豊かなニッポン観光を創造」
    スポーツを通じて新しい旅行の魅力を創り出し、わが国の多種多様な地域環境資源を顕著化させ、訪日旅行・国内観光の活性化を図る。
  2. 「スポーツとツーリズムの更なる融合」
    スポーツと観光を意図的に融合させることにより、目的地へ旅する明確な理由を作り出し、新しい価値・感動とともに新たなビジネス・環境を創出する。

■ 期待する効果

  1. スポーツを通じた体力向上・健康増進に加え、国際交流・地域活性化・産業振興など幅広い効果を創出できる。
  2. 2020年オリンピック・パラリンピックの東京開催は、インバウンド推進の強力な追い風となる。官民一体のオールジャパン体制で、オリンピック・パラリンピック開催国「日本」という国際的注目度を活かした訪日プロモーションが強化される。
  3. 「山岳国ニッポン」の特徴を活かしたスポーツ観光プロモーションなど、日本の価値の再評価にもつなげられる。

■ 今後の取り組み

日本スポーツツーリズム推進機構の活動を通じて、

  1. 「スポーツツーリズムに取り組む地域等の全国的なネットワークの構築」
  2. 「スポーツを活用した旅行商品の普及及び造成の支援」
  3. 「スポーツツーリズムの推進に関する調査研究、各種表彰・顕彰、イベント後援」
  4. 「海外のスポーツツーリズム組織との交流、海外視察旅行の実施」

などを推進。