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国際情報
International information

「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

スポーツアカデミー2012 第5回

子どものスポーツ

第5回スポーツアカデミー2012の様子

10月25日(木)、第5回目のスポーツアカデミーを実施しました。

今回は、「スポーツ白書~スポーツが目指すべき未来~」の第5章「子どものスポーツ」がテーマということで、笹川スポーツ財団による「4~9歳の」および「10代の」「スポーツライフに関する調査報告書」のデータを中心に、わが国の子ども・青少年のスポーツ実施に関するデータの解説、メイン講師の海老原 修 先生(横浜国立大学)による解題が行われました。

笹川スポーツ財団 スポーツ政策研究所 主任研究員 澁谷 茂樹

笹川スポーツ財団
スポーツ政策研究所 主任研究員
澁谷 茂樹

データの解説では、SSFスポーツ政策研究所の澁谷 茂樹 主任研究員が、本章に掲載されている主要データに基づき、「4~9歳および10代の運動・スポーツ実施頻度の区分」から「種目別実施率」「スポーツクラブ・運動部およびスポーツ少年団への加入状況」「1週間の総運動時間と体力合計点との関係」まで、現在のわが国の子ども・青少年のスポーツとの関わり方について解説を行いました。

解説の中で、スポーツ少年団への小学生登録者数が全国の小学生の約1割にのぼること、少子化の影響で生徒数が減少しているにも関わらず中学校、高校の運動部活動種目ではサッカー、バスケットボールなどが登録者数を増やしていること、文部科学省の「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果によれば中学校2年生女子の約3割が1週間に1時間も運動・スポーツをやっていないことなどが主なポイントとして指摘されました。

総括では、海老原先生が、文部科学省が2008年に始めた「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」について、「小さい時からスポーツクラブに通って鍛えている子もいれば、まったく運動しない子もいる」中で都道府県別の平均値を出して比較することにはあまり意味がなく、むしろ子どもの住環境や生活習慣、部活動登録の有無などを複合的に分析した結果への対応策を考えることが重要であること、就学前~小学校低学年の時期に「運動遊びや運動ごっこ」の指導に注力することがその後の本格的なスポーツ技術の指導に本当に効果的なのかを改めて考えてみる必要があること、運動部活動を指導する教員不足の対策として、子どもへの教育活動全般を把握していない外部指導者の導入を安易に進めることには注意が必要であることなど、子どものスポーツを取り巻く環境における主要な論点を指摘されました。

質疑においては、運動部活動の指導をアウトソーシングすることの是非について海老原先生に質問がなされ、海老原先生からアウトソーシングの前に、「学校教育活動の一環」とされている運動部活動の指導に教員ではなく外部指導者を導入しなければならない主因がどこにあるのか、制度改革の必要性も含め十分な検証が必要と回答されました。他にもスポーツ白書に掲載のデータに関する複数の質疑が行われ、予定の時間を迎えて終了しました。