主な講義内容
総合型地域スポーツクラブ、長野スポーツコミュニティクラブ東北(以下、スポコミ東北)は部活動指導員制度化(2017 年)や国によるガイドラインの作成(2018 年)に先んじて、部活動のサポートに取り組んでいる。「中学生のスポーツ環境を保障したい」というスポコミ東北の活動、今後の展望を紹介する。
1.スポコミ東北の概要
2000年9月、ミニバスケットボールのスポーツ少年団を核に、多世代が集う形で、総合型地域スポーツクラブとして創設されたが2012年10月、行政とのかかわりを深めるクラブ経営を目指しNPO法人化。現在の会員は小中学生を中心に約400人、10種目の定期活動を行うほか、地域と連携した各種スポーツのクリニック活動などを行っている。また、長野市北部の3つの総合型クラブの連携組織「長野市総合型地域スポーツクラブ北部連合」を設立し、長野市から依頼されたスポーツイベントなどの運営も手掛けている。
2.部活動支援とのかかわり
スポコミ東北の部活動支援は顧問教員の異動などで徐々に先細りした。そうした状況で迎えた2013年12月、長野県が「中学生期における部活動のあり方」という指針を表明し、朝部活動の廃止を盛り込んだ。長野市は冬季、日没には完全下校、朝の活動は原則禁止で活動量に制限がかかっている状況であった。そうした環境下、部活動をもう少し充実してほしいといった生徒や保護者の声を受け、学校側の依頼として、スポコミ東北がスポーツをする環境を中学生に提供できるよう、文科系クラブも含めて部活動をもう一度しっかりサポートしていく方針を立てた。部活動支援は、「スポコミ東北中地域クラブ(地域クラブ)」として、各部が週3回程度、部活動終了後に活動している。部活動の生徒や指導者にも地域クラブに登録して活動する形をとっており、部活動とは一線を画している。
2015年2月にスポコミ東北の地域クラブがスタートし、2017年1月に地域クラブの規約を作成。規約には地域責任者による自主運営・保険加入、活動スケジュールの事前報告、スポコミ東北として責任を持てない活動があったときには活動を認めないなど、クラブとして部活動を組織的に支援する体制を整えていった。
指導者の確保は大きな問題である。現在は有志の顧問教員にスポコミ東北に登録してもらい、スポコミ東北から派遣する形でスポーツ指導をしている。質の高い指導者を確保するため、指導者の有料化を目指す。